アウディ本社は2024年10月14日、D＋セグメントのEVで、スポーティなスポーツバック（5ドア）仕様のQ6 スポーツバック e-tronを公開した。
力強いSUVデザインが特徴のQ6 SUV e-tronに、スポーツバックの魅力を融合させ、その結果、より先進的でスポーティなシルエットとなった。
Q6 スポーツバック e-tronは、PPE（プレミアム プラットフォーム エレクトリック）プラットフォームの持つ高いパフォーマンス、効率、充電などに強みを持ち、Q6シリーズの中で最長の一充電走行距離656kmを実現している。
モデル概要
ダイナミックなフォルムを持つスポーツバックは、SUVならではの室内の広さとクーペの美しさを兼ね備えている。ラゲッジ容量は511Lのラゲッジコンパートメントと64Lのフロントトランク（フランク）を備えている。リヤシートを折りたたむと、ラゲッジ容量は最大1373Lまで拡大する。
2899mmというロング・ホイールベースにより、室内スペース、特にリヤスペースが十分に確保されており、25Lの便利な収納スペースも備えている。ボディサイズは、全長4771mm、全幅1965mm（ミラーを除く）、全高1665mmで、最大2400kgの高い牽引能力を誇り、日常使用にも妥協しない実用性を備えている。
Q6 スポーツバック e-tronは発売時には10モジュールを備えた総容量83kWh（正味容量: 75.8kWh）のバッテリー仕様も用意される。これにより、クワトロ4輪駆動とSモデルに加え、リヤ駆動の2つの仕様もラインアップされる。
特にQ6 スポーツバック e-tron performanceモデルは、空気抵抗係数0.26（SUV仕様は0.28）という空力的なボディに、総容量100kWh（正味容量94.9kWh）の大型バッテリーを搭載。SUV仕様よりも37mm全高低く、最長656kmの一充電走行距離を誇る。
ラインアップ
Q6 スポーツバック e-tronはのラインアップには、2つのバッテリーサイズと2つの駆動バリエーションが用意されている。エントリーモデルでも83kWhの高電圧バッテリー（正味容量：75.8kWh）を搭載。リヤ駆動モデルは、185kW（252ps）の出力で、ローンチコントロールモードでは、0-100km/h加速は7.0秒となっている。
同じくリヤ駆動のAudi Q6 スポーツバック e-tron performanceは、100kWhバッテリー（正味容量：94.9kWh）を搭載し、出力は225kW（306ps）で、ローンチコントロールモードでは0-100km/h加速は6.6秒。
そしてシステム出力285kW（387ps）のQ6 スポーツバック e-tron クワトロの0-100km/h加速は5.9秒。大容量のバッテリーにより最長で656kmの一充電走行距離を実現している。
最もパワフルなバージョンのSQ6 スポーツバック e-tronは、前後軸に2基の電動モーターを搭載し、システム出力は360kW（489ps）で、ローンチコントロールモードでは、0-100km/h加速はわずか4.3秒だ。
83kWhバッテリーを搭載したモデルは、最長で545kmの一充電走行距離を実現。100kWhのバッテリーを搭載する4輪駆動モデルでは最長636km、同じくクワトロ4輪駆動のSQ6 スポーツバック e-tronでは607kmの航続距離を確保している。
なお、全てのバリエーションが、最高速度が210km/hに固定され、SQ6 スポーツバック e-tronは、最高速度230km/hになっている。
充電性能も、バッテリーの熱管理システムと800V電気システムにより、高性能な最大出力270kWの高速急速充電ステーションを利用すると、わずか10分で最長265kmの一充電走行距離を充電することが可能になる。
高電圧バッテリーの10%から80%までの充電は22分で完了し、Sモデルも最大270kWの急速充電が可能で、リヤ駆動のバリエーションでは、100kWhバッテリー搭載モデルは最大260kW、83kWhバッテリー搭載モデルが最大225kWでの急速充電が可能になる。
シャシー性能
シャシー性能に関しては、多くのコンポーネントを新たに開発し、新設計されたフロント・サスペンションは、フロントのトレーリングアームが走行方向に向かってタイロッドの前方に配置され、ジオメトリーがより最適化され、そしてサブフレームとステアリングの結合を高めたことで、ステアリングの応答性が改善されている。
ステアリング系の改良とソフトウェアの見直し、そして新しいフロント・サスペンションとの組み合わせで、走行状況や路面状況のインフォメーションをより多くフィードバックできるようになっている。また、クワトロ4輪駆動は、前後アクスルに搭載された異なるサイズの電動モーターにより、フルロード時でもリヤ駆動重視のトルク分配が可能となっている。
新採用の「FSD（周波数応答型）ダンパー」により、石畳の上をダイナミックに走行する際など、新ダンパーが車体の動きをコントロールし、乗り心地を向上させている。アダプティブ・エアサスペンション仕様の場合は、レベルコントロールを介して荷重を補正し、さまざまな荷重条件下でも一定の車高を維持することができる。
デザイン
デザインは、スポーツバックならではの傾斜したルーフラインが、スポーティな美しさを強調。そのシルエットは水滴のような流線形を描いている。
スポーツバックの全高はSUV仕様よりも37mm低く、これによりSUVのクラシックなプロポーションにスポーツバック独自のダイナミズムとエレガンスさが加わり、静止していてもスポーティさを表現している。
また、ライト類も最新タイプへアップデートしている。アクティブ・デジタルライトシグネチャー表示が可能になり、特にデジタルOLEDリヤライト2.0により、他車への事故や故障などの警告を光によってコミュニケーションもできる。
アップデートされたマトリクスLEDヘッドライトとデジタルOLEDリヤライト2.0の組み合わせにより、最大8つのデジタルライトシグネチャーを好みに応じて選択できるようになっている。
インテリアは、デザインの初期段階から、MMIパノラマディスプレイとMMIパッセンジャーディスプレイを組み合わせることで、視覚的にデジタル世界が形成されるインテリアとしている。美学と人間工学のバランスの取れた三次元的な空間構造を生み出しているのだ。
また、先進的なダイナミック・インタラクションライトを装備し、車両と乗員の間のやり取りをサポートする多くのコミュニケーション機能を実現。このライトは、インテリアとコックピットを大きなアーチで包み込むようにデザインされている。
S line仕様では、リサイクル素材で作られたファブリックがトリムに使用されている。ルーフライニング、ピラー、サンバイザーは100%リサイクル・ポリエステルで作られたファブリックだ。
最新装備
装備面では、MMIパノラマディスプレイとMMIパッセンジャーディスプレイを採用。スリムで独立したAudi MMIパノラマディスプレイは、曲線的なデザインとOLED技術を採用しており、11.9インチのAudiバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成されている。
アクティブ・プライバシーモードを備えたオプションの10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイも選択でき、また、オプションで拡張現実ヘッドアップディスプレイも選択できる。
ボイスコントロールオプションを大幅に拡張している。AIセルフラーニング型音声アシスタント「Audiアシスタント」を使用して、多くの車両機能を制御できる。
この音声アシスタントは、800以上の音声コマンドの認識が可能だ。車両機能の実行、目的地検索、天気予報の提供など、ChatGPTによって拡張された音声アシスタントが自動的に認識し実行する。
また一般的な知識に関してはChatGPTに質問を転送し、幅広い質問に答えることができる。ChatGPTは車両データへアクセスすることはなく、すべての質問と回答は自動的に削除され、ユーザーを保護するようになっている。この機能の基盤は、セレンス社のChat Proソリューションを使用している。
車両のインフォテイメント・システムは初めてAndroid Automotive OSを採用。強化されたe-tronルートプランナーなど、最新のAudi connectサービスが搭載されている。YouTubeなどの人気アプリは、MMIに直接埋め込まれたサードパーティアプリのストアを通じて利用が可能で、スマートフォンを必要としない。新しいアプリは定期的に提供され拡大されることになっている。
オーディオは、バング&オルフセンの3Dサラウンド・システムを採用し、アウディで初となる前席のヘッドレストには4つのスピーカーを統合した「サウンドゾーン」を導入している。
この新型Q6 スポーツバック e-tron、SQ6 スポーツバック e-tronは2024年末から2025年にかけて受注が開始される予定だ。
