【ミシュラン X-ICE Snow+】氷上性能はそのままに、ウエット性能と耐摩耗性を大幅進化

ミシュランのスタッドレス「X-ICE Snow+」を氷上とウエット、そして夏の舗装路でテストしてきた。

スタッドレスとオールシーズン、役割は明確に違う

近年オールシーズンタイヤの台頭もあり、スタッドレスの代替品と考える人もいるようだが、ミシュランでは明確に代替品ではないことを明言している。

それは雪国=降雪地域で具体的には北海道や日本海側、山間部エリアで毎年、日常的に雪が降り、積雪、凍結路面を走行する環境であれば、スタッドレスが必需品であると。またオールシーズンは、年に数回、あるいは降雪しない年があり、冬の路面もドライかウエットが大半といったエリアの準降雪と非降雪地域はオールシーズンが選択肢になるとしている。また、こうしたエリアでも絶対的安心感といった価値観であれば、スタッドレスの選択を推奨している。

つまり、どのエリアでもスタッドレスは重要な役目を持ち、その背景には安全のための必需品であり、安心感が得られるわけだ。ただスタッドレスはウエット路面で弱い、ライフが短い、あるいは舗装路での安心感が薄いといった弱点があるのが一般的なスタッドレスだ。

今回テストしたX-ICE Snow+は、そうしたスタッドレス特有のポイントを強化したモデルであり、その実力はどうなのか?非常に興味深いテストだったのでお伝えしていこう。

ウエット制動で実感した、従来モデルとの違い

まずは、ウエット路面での短制動テスト。水を撒いた舗装路を50km/hからフルブレーキング。ABSが作動するレベルでブレーキペダルを踏むテスト。テスト項目では前モデルのX-ICE Snowとの比較で、その違いを体感した。具体的には、最初のブレーキタッチでの違いは大差がなく、ガツンと効く印象があり、そこからの剛性感の違いを感じ「止まるな」という予感が得られ安心感につながる。前モデルは全体に柔らかい印象で、結果的には制動距離でも差が生じているのだ。

ミシュランの社内テストでは80km/hからのウエット制動で約3.3mの違いがあり、クルマ1台分弱手前で停止できる差があるという。この性能差はトレッドのコンパウンドの違いによる影響だという。新規開発した「FLEX-ICE 3.0 Tread compound Technology」が使われ、ウエット路面ではゴムの違いによって3Dサイプの倒れ込みなどが前型とは異なってくることも影響しているという。

スケートリンクで検証する氷上グリップの実力

そしてスケートリンクでの走行テストだが、発進加速、スラローム、制動というメニューをオールシーズンのクロスクライメイト3との比較でテストを行なっている。オールシーズン・タイヤの氷上性能はダメということになっているが、どれほどなのかを実体験してみるのもいい機会だった。ちなみに、夏タイヤではスケートリンクは全く走行することはできないのは言うまでもないが。

驚くのは、X-ICE Snow+で走り出すと、タイヤがキュッという音を出すシーンが多く、発進でもスラロームでもブレーキングでもキュッと鳴くのだ。スリップしているわけだが、タイヤが鳴く直前までグリップしているから、音がでるわけで、グリップしなければ、音は出ない。ずっと空回りしているだけになる。

だから、スケートリンクの狭い場所で発進加速させると、思いのほか速度が上がってしまい止まれず壁にぶつかるのではないかと思うほどしっかり加速できるのだ。だからスラロームでの最初のステア応答もしっかりとあり、応答遅れとは感じられない反応があるのだ。もちろん、速度が高すぎると操舵した瞬間はノーズが動くものの、徐々に外に流れ出してしまうのだが、アクセルを緩めると再びキュッと音を出してグリップが復活する凄さも体感した。

一方でオールシーズン・タイヤのCC3は、予想外に走行ができた。もちろんスタッドレスのX-ICE Snow+とは比較にならないレベルではあるが、発進加速も滑りながらだが走行でき、スラロームでの応答もやや遅れるもののノーズの向きが変わらないということはなかった。そしてブレーキでもなんとか止まることは体験した。が、それは速度が20km/hほどということもある。

じつはこのCC3を冬場にテストコースで試乗しているが、その時は40km/hで氷板ブレーキをテストしている。その時はまったく制動感、減速感はなかったので、やはり、20km/h程度であれば、なんとかCC3でも止まれるということだ。決して過信してはいけないことが、逆に理解できたのだ。

夏の舗装路でも感じた、スタッドレスらしからぬ剛性感

最後は夏の一般道での試乗だった。こちらも全型のX-ICE Snowと新型のX-ICE Snow+との比較試乗だ。

前型のX-ICE Snowは、いわゆるスタッドレスの印象そのままで、ソフトな乗り心地で、ショルダーも柔らかく感じる。その分ブレーキタッチは夏タイヤとは明らかに異なるフィールがある。しかしX-ICE Snow+は、走り出した瞬間に「夏タイヤみたいだ」という印象をもつのだ。それほど、しっかり感がありグニャッとなる瞬間がまったくない。だからブレーキを踏んでも高い剛性感を感じ、安心してブレーキを踏める印象をもったのだ。それと走行ノイズという点でもX-ICE Snow+のほうが静粛性に優れていたことも加えておく。

氷雪性能を維持しながら、耐摩耗性は約25%向上

タイヤの性能を端的に理解できるレーダーチャートでX-ICE Snow+は、氷上・雪上の性能は従来モデルと全く変わらない性能を持ちながら、ウエット、ドライ、そして低燃費性能が向上しており、さらに耐摩耗性能が飛躍的に向上していることがわかるのだ。

前述のテスト内容をミシュランの資料で見ると、X-ICE Snow+は従来型のX-ICE Snowと比べてウエット性能は約7.3%向上し、耐摩耗性は約25%も向上している。さらに低燃費性能も約5.6%の向上となっており、全方位で性能向上を果たしていることがわかる。

タイヤの摩耗性においても減ってきた時でもトレッドパターンが大きく変化しないフルデプスサイプが採用されており、4シーズンは性能が持続するというので、これまでの常識を変える全く新しいスタッドレスタイヤということがdきるのだ。

ページのトップに戻る