ブリヂストンは2026年8月28日、九州大学と共同で研究を進めてきた天然ゴム植物「グアユール」について、ゲノム編集個体の作出に世界で初めて成功したと発表した。これにより、グアユールのゴム生産性を高めるための基盤技術を確立した。

現在、天然ゴムの主な原料となっているのはパラゴムノキだ。しかし、パラゴムノキは赤道付近の限られた地域でしか生育できず、気候変動や病害などの影響も受けやすい。今後、世界的な自動車の普及によって天然ゴムの需要が増えることを考えると、新たな天然ゴムの供給源を確保することが重要になっている。

そこでブリヂストンが注目しているのが「グアユール」だ。
グアユールは米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯を原産とする低木で、植物の組織内にゴム成分を含んでいる。乾燥した地域でも生育できることから、パラゴムノキとは異なる天然ゴムの供給源として期待されている。

ブリヂストンは2012年からグアユールの研究を本格化し、米国アリゾナ州に研究農園と研究施設を設けて実用化に向けた研究を続けてきた。これまでにグアユール由来のゴムをレース用タイヤに使用するなど、実用化に向けた取り組みも進めている。
一方で、グアユールを天然ゴムの供給源として実用化するには、限られた面積からより多くのゴムを生産できるようにすることが課題となっていた。

そこで2024年から福岡バイオコミュニティのプロジェクトに参画し、九州大学と共同でゲノム編集技術を使った研究を開始した。
今回、九州大学が持つ植物のゲノム編集技術と、ブリヂストンが長年培ってきた天然ゴムに関する知見を組み合わせ、ゲノム編集を行った細胞から実際の植物体を再生することに成功した。
これは、グアユールの性質を遺伝子レベルで改良していくための土台ができたことを意味する。

今後は、この技術を使ってゴムの生産性向上に関係する遺伝子を探し、その働きを解明していく。将来的には、より多くのゴムを生産できるグアユールの品種開発につなげることを目指している。
天然ゴムの安定供給が課題となるなか、ブリヂストンは従来のパラゴムノキだけに頼るのではなく、グアユールという新たな天然ゴム資源を育てることで、供給源そのものを多様化しようとしている。
今回のゲノム編集技術の確立は、その実用化に向けた大きな一歩となる。













