ロールス・ロイス社は1906年にイギリスで設立された少量生産のプレステージカーメーカーだが、現在は航空機エンジンや船舶関連のエンジンを製造、販売をするロールス・ロイスホールディングスとドイツBMW傘下であるロールス・ロイス・モーターカーズとに分かれている。
チャールズ・スチュアート・ロールズは上流階級育ちで黎明期のモータースポーツに携わり、クロード・ジョンソンとともに、欧州車の輸入ビジネスをおこなっていた。一方、フレデリック・ヘンリー・ロイスは貧しい製粉業者の家で生まれるが、苦学を重ね電気技師となり、その後1904年には自ら自動車製造を始める。そしてそのクルマの販売を取り付けたのがロールズたちであり、別会社のカタチではあるがロールス・ロイスブランドの自動車製造、販売がスタートする。
1971年に経済破綻したが、イギリス国有化されブランドの消滅は免れ、73年にヴィッカースに売却されている。75年にはピニンファリーナによる「カマルグ」が登場し、80年に「シルヴァー・スピリット」が誕生。92年にBMWと提携し、シルヴァー・スピリットの後継モデルとして「シルバー・セラフ」にBMW製12気筒エンジンを搭載して発表した。
2003年にロールス・ロイス・ブランドを獲得したBMWが製造・販売を行なうことになった。BMWは同年、新会社「ロールス・ロイス・モーターカーズ」をイギリス・グッドウッドに設立している。
ロールス・ロイスのラジエーターの頂点に立つシンボル、羽根を広げた精霊像は「スピリット・オブ・エクスタシー」、別名は「フライング・レディ」の名で知られる。