ロールスロイス 常設ビスポークモデル「ブラックバッジ・ゴースト」を発表【動画】

ロールスロイス・モーター・カーズは2021年10月28日、新たな常設型ビスポークモデルとして「ブラックバッジ・ゴースト」を発表した。

フルサイズ・ラグジュアリー・リムジンのゴーストで、最初のブラックバッジ・モデルが設定されたのは2016年型モデル。よりダークな美しさ、より緊張感のある個性、よりドラマチックな素材を駆使したこのビスポークモデルは、常設カタログ・モデルとされたのも特長であった。

それから6年、第2世代となったゴーストにこのブラックバッジ・モデルが設定されることになったのだ。このスペシャルモデルはゴーストの伝説を覆し、ミニマリストの心をとらえたポスト・オピュレンス(脱贅沢)のデザインをブラックで表現することで伝説の再構築を力強く訴える、全く新しい方向性のクルマとされている。

ブラックバッジは、ロールスロイスの分身として大きな成功を収めており、現在の世界のロールスロイスの受注に占める割合は27%を超えている。

ブラックバッジッジは、このクルマのインテリアに見られる無限の可能性をあらわす数学記号「レムニスケート」に象徴されている。この図形は、かつてマルコム・キャンベル卿がロールスロイス・エンジンを搭載して水上速度記録を樹立したモーターボート「ブルーバードK3」に掲げられたシンボルで、ロールスロイスはあくなきパワーの追求を反映させるために、このマークをブラックバッジ・モデルに採用している。

ポスト・オビュレンス(脱贅沢)という新しい価値観のもとで生み出された現在の第2世代のゴーストは、発売から12ヶ月間で世界中から3500台以上の受注を獲得し、ロールスロイス史上最も飛躍的なスピードで販売された製品のひとつになっている。

エクステリアは、ゴーストにダークな表現を求める顧客にふさわしいブラックのボディカラーを選択。自動車業界で最もダークなブラックを作るため、45kgもの塗料を霧状にしてホワイトボディに電着塗装し、オーブン内で乾燥させ、その後2層のクリアコートを施し、ロールスロイスでしかなし得ない作業、4名の職人たちによって手作業で磨き上げられ、ハイグロス・ピアノフィニッシュを実現している。

この深みのあるブラックは、顧客の希望でハイコントラストな手塗りのコーチラインを描くための完璧なキャンバスとしての役割を担っており、ブラックバッジの「ブラック&ネオン」という美学がこのモデルの特徴だ。

そのためシンボルのスピリット・オブ・エクスタシー、パンテオン・グリルさえもダーク仕上げとしている。さらにホイールはビスポーク21インチ・サイズ複合素材ホイールが装着されている。

カーボン積層リムを採用した21インチホイール

この専用にホイールは、そのバレル部分には22層のカーボンファイバーを3方向に交差させて配置したものを使用し、リムの外周で折り返すことにより合計44層のカーボンファイバーとなって強度を高めている。

3D鍛造アルミニウム製ハブは、航空宇宙産業で使用するグレードのチタン製ファスナーでリムに固定され、ダブルRの像が常に直立するロールスロイスの特徴的なフローティング・ハブキャップが組み合わされている。

インテリアは先進の高級素材を使って作り込まれ、ポスト・オピュレンスというデザイン哲学に忠実な素材でもある。このフィロソフィに基づき、カーボンファイバーとメタリック・ファイバーを使った深みのあるダイヤモンド・パターンの複雑かつ繊細な生地が、ロールス・ロイスの職人たちの手によって生み出されている。

インテリア・パーツのベース部分に複数のウッド・レイヤーを圧着させ、ベース層の最上部にはブラックのボベニアを使用し、その後に加工されるテクニカル・ファイバーの層のための暗色の基盤となっている。またカーボンファイバー素材と、それとは対照的にメタルコーティングされた糸をダイヤモンド・パターンで織り込んだ生地を手作業で部品との位置を合わせて貼り付け、立体感を演出。

独立式のリヤシートにはブラックバッジのモチーフである数学記号「レムニスケート」が配されている。またシャンパン・クーラーのリッドには航空宇宙グレードのアルミニウムを使用しており、ここに描かれるシンボルは淡く着色されたラッカーを層重ねたうちの3層目と4層目の間に挟み込まれテクニカルファイバー・ベニアの上で記号が浮かんでいるように見える仕上げとなっている。

ゴーストは、ファントムで初めて採用された「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と呼ぶオールアルミ製スペースフレーム構造を備え、極めて高いボディ剛性を実現しているだけでなく、その柔軟性と拡張性によって、ゴーストに4輪駆動システムや4輪操舵システム、さらに「プラナー・サスペンション・システム」を搭載することを可能にしている。

ブラックバッジでは、これらのエンジニアリングを全面的に見直し、より容量の大きなエアサスペンションを組み合わせることで、激しいコーナリングの際にもボディのロールを抑えることができる。

排気量6.75LのV12ツインターボエンジンの能力はさらに29psを上乗せし、最高出力600psを実現。加えてトルクも50Nm上乗せして900Nmとすることで、途切れることのない走行感覚と動力性能を生み出している。

また、パワートレーンではトランスミッションとスロットルの特性にも手を加え、エンジンの増大されたパワーをさらに活かすようにチューニング。ZF製8速ギヤボックスと、フロントおよびリヤともに操舵システムを備えたアクスルが協調し、スロットル操作やステアリング操作に応じたドライバーへのフィードバックを最適化している。

ギヤセレクトレバーにある「Low(ロー)」ボタンを押すと、特別にチューニングされたエグゾーストシステムを介してエンジンの秘められたパワーをさりげなくアピールし、最大トルク900Nmはわずか1700rpmという低エンジン回転域から発生。

また、ローモードで走行中にアクセルを90%まで踏み込むと変速の速さが50%増しとなり、ブラックバッジ・ゴーストのフルパワーを瞬時に引き出すことができる。ちなみに0-100km/h加速は4.7秒と発表されている。

このブラックバッジ・ゴーストは本国で予約を受け付けているが、日本での価格の発表、正式受注は今月中旬に発表される予定となっている。

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