【スズキ】ジムニー ノマド試乗 5ドアになっても変わらない“道具感” 悪路を楽々走破する軽さとラダーフレーム

ジムニーシエラの5ドアモデル「ノマド」が受注を再開し、2026年7月1日から発売されている。ノマドは2025年1月30日に発表され、すぐさま大きな反響を得て、受注を大きく上まったことで、2月3日、わずか4日で受注を停止していた。

その後、生産体制の強化を行い、再開となったわけだが、その際、ノマドに一部仕様変更を行なっている。それは安全装備や快適装備の変更を行なっている。そのため、納車ができていなかったユーザーには最新のノマドが納車されることになる。

ジムニーのシリーズはそもそもプロユーザー(業務利用)をメインターゲットとしつつ、日常生活で必要とする人もターゲットとした幅広いユーザー層がターゲットになっている。ノマドも同様のターゲットとしているが、狙いが明確なユーザーのため、スズキが掲げる「小・少・軽・短・美」の設計思想は反映しやすかったのではないかと想像する。

つまり、無駄な装備や付加価値向上を狙う機能、性能、装備は省き、必要とするものだけに絞ることがやりやすかったのではないか?ということ。

言うまでもなく、ラダーフレームにボディを乗せる構造で、サスペンションの設計自由度があがり、どんな悪路でも走破できる性能を持たせることができたわけだ。ノマドはシエラよりホイールベースを340mm延長して5ドアとしているため、4名乗車時の快適性も向上させている。

それでも実際はシートバックの高さが低いため、大柄な人だとヘッドレストをかなり伸ばさないと座り心地が落ち着かない感じになるが、ある意味、この手のクルマであればエマージェンシー的な後席でもあるわけで、そうしたポイントが減点と評価する人は少ないだろう。

ただ、シートクッションやシートバックの厚みは今回のモデルから厚みを増し、多少の居住性の改善はある。一方で、シエラにあった荷室下のボックスがなく、リヤシートを倒した時にフラットにはならない。そのためオプションでボックスを追加することになる。

さて、試乗は富士ヶ嶺オフロードコースとその周辺道路で行なった。一般道は5MTでオフロードコースはAT(4速)での試乗車だった。

最初に一般道を5MTで走行してみた。シフトフィールやミッショントンネルから伸びてくるシフトレバー、さらに蛇腹のシフトブーツなど懐かしさが満載のビジュアルと操作フィールを味わう。

若い世代であれば、体験したことのないシフトフィールに思うことだろう。それほどレアだ。もっともマニュアル自体の数が減り、あってもロードスターや86/BRZのようなスポーツカーのため、シャキッと入るシフトフィールしか経験値がないかもしれない。

ノマドはそのあたりは悪路走破を視野に入れてあり、シフトポジションに入ってもアソビがある。これはステアリングの操舵フィールも同様で、悪路の路面状況すべてをインフォメーションとして伝えないための仕様というわけだ。

ラダーフレームがモノコックより劣る構造だという人もいるが、大きな誤解があるのではないだろうか。主に、クルマを製造する側の都合でモノコックが作りやすいと言えるわけで、サスペンションの自由度は圧倒的にラダーフレームが有利だ。唯一、モノコック有利とすれば、ハイスピード走行だろう。

もっともノマドが120km/hを超えて走行する場面は国内にはないので、そのネガとなりそうな部分も関与してこないと考える。ただし、近年のクロスカントリー、SUV、クロスオーバーはいずれも快適性の高いモデルばかりなので、少々覚悟は必要かもしれない。

そしてオフロードコースでは、ヒルディセントの機能やスリップした時の脱出性能、そしてモーグルを走破するときのサスペンションの可動域の広さなどを体験できるコースが用意されていた。

それらの障害を、楽勝でクリアする性能を体験しつつ、ジムニーの世界観も感じられる体験でもあった。雪深いところや山林に囲まれ、舗装路もままならない場所で働く人たちにとっての安心感、そして大きくないボディサイズによる扱いやすさといったことが、日本にはピッタリのモデルなのだと。

また趣味でオフロード走行を楽しむ人たちにとっては、ボディが軽量であることも大きな魅力だ。ノマドでも1200kgと軽量であり、軽さは正義とばかりに悪路を進む姿が目に浮かぶのだ。さらにホイールベースがシエラよりも長いことで、横揺れの小ささのメリットは多少ある。もっともネガにもなる部分でもあり、そこは承知の上での選択というわけだ。

ちなみに冒頭触れた今回の一部仕様変更についてお伝えすると、まず安全性では、デュアルカメラからデュアルセンサーブレーキサポートⅡに変わった。このことで作動をバイクや自転車に拡大できた。また車線逸脱抑制機能を全車に標準装備した。それとパーキングセンサーをフロントに追加(AT)という変更が行われている。

快適性の変更では新規にアダプティブクルーズコントロールを全車速追従機能付きで装備した。またスズキコネクトに対応し、SOSボタンやリモート機能が使えるようになった。そしてマルチインフォメーションディスプレイがカラー化されている。

ボディサイズはノマドが全長3890mm、シエラは3550mm、全幅、全高は同じで1645mm、1725mmとなっている。ホイールベースは2590mmと2250mm。搭載するエンジンは1.5LのNAエンジンでK15B型4気筒+5速MT&4速AT。101ps/130Nmというスペックだ。ちなみにWLTCモード燃費は5MTが14.9km/L、4ATが13.6km/Lとなっている。

試乗車スペック
ジムニーノマドFC(パートタイム4WD/5MT)
全長3890mm、全幅1645mm、全高1725mm ホイールベース2590mm
車両重量1200kg
WLTCモード燃費14.9km/L
市街地モード13.5km/L
郊外モード15.5km/L
高速道路15.2km/L
K15B型 直列4気筒ガソリンエンジン
最高出力74kW(101ps)/6000rpm
最大トルク130Nm/4000rpm
タイヤサイズ195/80R-15
最小回転半径5.7m
乗車定員4名
価格292万6000円(税込)
オプション込み318万1640円(税込)

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