2026年7月16日に4世代目となったエルグランドを発売し、約1ヶ月で8000台以上の受注があり、想定以上の好調な滑り出しになっている。
目的地までの時間が、自分の時間になる
4代目エルグランドは、2025年のジャパンモビリティショーで発表され、26年の5月にはプロトタイプに試乗した。そして今回公道で試乗することができ、街の景色の中に置いてみるとまた違った印象で、日産が言う「威風堂々」が伝わってきた。
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インパクトのあるフロントフェイスは、存在感が強く遥か遠くからでも新型エルグランドであることが見分けることができる。近づけば推しの強いインパクトもある。そして、クロームメッキは一切使わず、日本の伝統工芸である「組子」にインスパイアされたデザインで、ボディカラーと黒とでグラデーションをつけ、日本のランドマークに溶け込むデザインに仕上げたと説明している。あたかもアルファードに挑戦状を叩きつけたかのようだ。
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車両の大きさは全長が4995mmで先代比+30mm、全幅1895mm(+45mm)、全高1975mm(+160mm)、ホイールベース3000mm(±0)という立派な大型ミニバンだ。このサイズを活かし2列目シートにはフロントシートと同様、ゼログラビティ・シートが装備され、背骨がS字を描くように座れるシートになっている。



座り心地はソフト系だ。ドイツ車のような硬質でガッチリと身体を支える方向ではなく、どちらかといえばソファに身体を預けるような感覚に近い。座った瞬間に「姿勢を正して乗らなければ」と思わせるのではなく、「まあ、少し力を抜いてください」とシートのほうから語りかけてくるような感じだ。しかもシート幅には十分な余裕があり、大柄な人でも身体がシートからはみ出すことはない。
2列目と助手席には電動オットマンも備わる。足を伸ばしてしまえば、そこはもう「移動するための座席」というより、走るクルマの中に用意されたリクライニングチェアに近い。目的地へ向かう時間を、ただ移動に費やすのではなく、自分の時間として過ごせる。ときどき感じる振動で「あ、クルマで移動してた」となる。
インポートカーのプレステージクラスにも通じる上質さがあり、それでいて個室ほど閉ざされてはいない。広い室内に身を置くと、自分のための特等席で移動していると感じるのだ。エルグランドが目指した「プライベートラウンジ」という言葉が、実際に座ってみると腑に落ちる。
会話が自然に弾む「静かな空間」
インテリアはシンプルだ。ゴテゴテしていない。ステアリングの2本スポークも違和感なく視界に入り「あっさりしているけど、清潔感あるな」という印象だ。液晶はフラット形状で、センター部まで伸びている。空調管理はダッシュボードと一体になった小さなスイッチで操作する。走行中の操作だとやや小さいスイッチに感じるが、見た目は綺麗だ。








シフトレバーはなく、ボタンでセレクト。その隣にはハザートとe-pedal、EVモードのセレクトができるが、同じ大きさで文字を読まないと操作できないので、なにか工夫が欲しい。
ヘッドレストにはBOSEのスピーカーが埋め込まれており、これがナビ音声の聞きやすさが良かった。本来は音楽で魅力を発揮するものだが、付加価値としてお伝えしておく。
3列目のシートはサイドに格納するタイプで、アクション数は多いが一度体験すれば容易に格納できる。とくにシートのアシがフロアに固定されているが、そのロックを解除すると自動でアシが畳まれ、そのままサイドに持ち上げれば格納できる仕掛けになっている。
また静粛性が高いので、2列目とは普通に会話ができたことが印象に残る。テーブルを挟んで会話しているような印象で聞き耳を立てるといった気遣いをせず会話ができる。だから3列目との会話も聞こえやすく、閉塞感を味わうことなく、車内が一体になった会話が楽しめるのだ。



ロールを抑えて、身体を揺らさない
さて、新型エルグランドを特徴づけるポイント技術はe-POWERとe-4orce、そしてインテリジェント・ダイナミックサスペンションがキーになる。そして搭載するエンジンは発電専用に新開発した1.5LのZR15DDTe」でSTARCコンセプトを採用し熱効率42%を達成している。それに5 in 1の電動ユニットでe-POWERが構成されているのだが、これがもの凄く静かなのだ。
e-POWERは100%モーター駆動で走行するが、動き出した瞬間は「EVだっけ?」と勘違いする。走行中にエンジンは稼働を始めるが、その音も小さく、気にならない。そして気持ち良いのが乗り心地の良さを感じるからだ。
高い静粛性では新世代のアクティブノイズコントロールにより、エンジン音とロードノイズを打ち消し、もちろんボディ自体も高遮音ボディになっている。また特殊な合わせガラスを採用している点も効果的だ。
運転席の乗り心地もまたいい。ゆったりとした動きとソフトな乗り心地、入力をいなす動きなど抜群の動きをする。カーブではアイポイントが高いこともあり、ロールに対して身構えるのだが、そのロールが絶妙に抑えられており、冷静にみれば、旋回Gに対してロールしていないとすら感じるのだ。
これはインテリジェント・ダイナミックサスペンションの設定がセンシングしているためで、状況に応じて瞬時に減衰力が変化しているからだ。じつは新型エルグランドには6つのドライブモードがあり、モードごとに減衰力が変わり、プログラム全体が変更されている。
プラスして各モードでも状況に応じた減衰力の最適化が瞬時に行われるわけで、スポーツモードとコンフォート、ノーマルでは全く別なクルマの動きと言ってもいいほどなのだ。
e-4ORCEは「揺らさない」ための四輪駆動
さて、高速道路ではプロパイロット2を起動させて走行。ステアリング保舵はトルク感知型なので、直進性の高い新型エルグランドだから、クルマ任せになりがちな直進中にアラートが出るシーンに遭遇する。ここは静電式に変更を期待したい。
e-4orceはAWDを意味するが、単に四駆にしているだけでなく、モーターによる駆動を活かし、加速や減速時もフラットな乗り心地になるように制御しているのだ。前後トルク配分を緻密に制御することで、ノーズダイブやアンチスクォート、ピッチングを抑える制御をし常にフラットライドになるようにしている。この制御技術によって、乗員は体がゆすられることなく、頭の動きも小さくなり、快適な走りに感じるのだ。
そして新技術のスムースストップが素晴らしい。これは車両が止まる寸前にブレーキ踏力を弱め、カックンという止まり方をさせない技術だ。運転の上級者であれば自然と踏力を弱めているが、一般的には高度なテクニック。それが、車両が勝手にやってくれるのだから、乗員は止まるたびに体が揺れることから解放されるのだ。
新型エルグランドは、見た目の存在感は申し分なく、悪々しい威圧感ではなく品のある存在感に好感が持てる。乗っては高級サルーン以上で、空間の広さがある分ゴージャスに感じる。さらに高い静粛性と滑らかで力強い加速、そして高いアイポイントからの見下ろし感、征服感も味わえるのは間違いない。
なによりもモーター駆動であることが数々のメリットを生み出していることに気付かされ、乗り心地も静粛性も、走りも全領域に良い影響がでているのだ。しかも電欠の心配は無用という現段階では無敵に感じる新型エルグランドだ。









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