ルノー・日産アライアンスとダイムラーの協力関係がさらに深化

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ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGの両CEOは2016年9月30日、パリ国際モーターショーに合わせて行なわれた記者会見で、戦略的協力関係の開始から7年目を迎えた今年、両社間のパートナーシップがより発展していることを発表した。

そのプロジェクトの代表例は、ルノー・日産アライアンスとダイムラーが共同プラットホームの元に開発した、スマート・シリーズとトゥインゴ。スマート フォーツーはフランスにあるダイムラーのハンバッハ工場で、4人乗りのスマート フォーフォーとトゥインゴはスロバキアにあるルノーのノボメスト工場で生産されている。今回のパリ・モーターショーで発表されたスマート・シリーズのEVモデルに使われている新型モーターは、ルノーのクレオン工場で生産されている。

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また2015年に着工したメキシコ・アグアスカリエンテスの新工場では、2017年よりインフィニティ向け次世代プレミアムコンパクトカーを、2018年にはメルセデス・ベンツ向け車両の生産を予定していて、次世代プレミアムコンパクトカーは、欧州や中国にあるダイムラーと日産の工場でも生産される予定となっている。

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そのほか10月にはダイムラーと日産が共同開発中の1tピックアップトラックのデザインなど詳細が発表されるほか、北米ではアメリカ・テネシー州にある日産のデカード工場で日産車向け2.0L4気筒エンジンとダイムラー車向けエンジンを、年間25万基の規模で生産中。

ルノー・日産アライアンスのCEO兼会長のカルロス ゴーン氏は「両社のパートナーシップは成長、発展しました。これは長年に亘る強固な協力と信頼の精神によるものであり、多くの利益を両社にもたらしてきました。開発や生産コストを共有することで、新たなセグメントへの参入を可能にし、お客さまに先進技術や機能を搭載したより魅力的な商品を手頃な価格で提供することができるようになりました」と語った。

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スカイライン200GTには、メルセデス・ベンツと共通の2.0Lガソリンターボエンジンを搭載する

またダイムラー取締役会長兼メルセデス・ベンツ・カーズ会長のディーター ツェッチェ氏は「この7年間、私たちは、部品からプラットフォーム、共同開発から共同生産、乗用車から商用車まで幅広くパートナーシップを築いてきました。これらは、大陸をまたぎ専門知識や能力を共有する多様なメンバーからなるプロジェクトチームによって行なわれてきました。最高のアイデアは、パリ、シュトゥットガルト、横浜のそれぞれから生まれ、プロジェクトを推進しています。両社の協業は、今後も大きな可能性を秘めています」と述べている。

2010年4月に協業を始めた当初はヨーロッパ地域におけるプロジェクトのみだったが、現在ではアジアや米州地域で、商品/エンジン/相互供給というすべての領域へと拡大している。

編:かつてのライバル企業も今や協業する時代になっている。背景に北米で実施されるZEV規制やグローバルでの規制となる排ガス、CO2規制などがあり、さらに自動運転の実現も目前に迫るため、自動車業界以外との協業も増えてきている。

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