DS N°4試乗 クル・ド・パリが彩るフレンチラグジュアリーの魅力

DSオートモービルは、2014年にシトロエンDSシリーズをオマージュして誕生したブランドで、「ラグジュアリー」をキーワードにしてフランスの自動車文化を象徴するモデルに位置付けているブランドだ。

現在国内ではDS N°4とDS N°8の2モデルだが、そのDS N°4についてお伝えしよう。

ファッションブランドでは、ルイ・ヴィトンやシャネル、エルメス、イヴ・サンローランなどなど、数多くの有名ブランドがあるが、これらをプレミアムブランドとは言わず「ラグジュアリーブランド」というのが一般的だ。

またフランス料理も世界を代表する美食文化であり、ファッション、料理ともに高級な文化として根付いている。一方でクルマは?と見ればシトロエン、プジョー、ルノーなど大衆車メーカーで、ドイツのメルセデスやBMWのようなプレミアムブランドとは異なっている。

フランスの文化という視点からすれば、クルマも文化だとすれば、プレミアムブランドはステータスシンボルを個体の高級価値で評価しているが、文化的価値で評価しているわけではない。

どうも、これはドイツ人とフランス人の気質の違いなのか、フランスではクルマも文化的価値として考えれば、高級なラグジュアリーモデルは文化的価値の高いクルマということになる。故に、DSモデルは「ラグジュアリーブランド」の位置付けと考えているわけだ。

そうした目線で新型のDS N°4を見ていこう。まず、名称について。「N°4」は「ナンバーフォー」と読む。ディーエス・ナンバーフォーだ。そう、香水で有名な「シャネルN°5」ナンバーファイブと同じ読みだ。どうだろう、文化的価値が少しづつ脳内で合点がいきはじめたのではないだろうか。

DSの名がつくモデルは、たくさんあって欲しくないとも思い始めないだろうか。いろんな車型があればあるほど、大衆化臭が出てくる気がする。

そうした目線で車両を眺めてみる。まず、強烈なインパクトのある顔に目がいくだろう。今回フェイスリフトでこの顔になった。とても緻密なデザインとライティングシグネチャーで、強い存在感があり、DSが煌々と輝いている。これは日中でも点灯し、つねにN°4の個性を際立たせ、プレゼンスを挙げている。

リヤビューはまさに彫刻的な造形であり、他に類を見ない独創性、ユニークさがある。硬質な鉄板に多数のプレスラインを用い、プロバンスに吹く風がイメージできるリヤデザインだと言いたくなる。

真横から見れば、サイドウインドウのサイズを小さくまとめ、ボリュームを持たせたドアパネルに個性的なプレスラインで印象づけ、どこかデザインアイコンであるクル・ド・パリを想起させるアクセントで、存在感を高めている。ロングノーズに見え、英国車好きですら、振り返るデザインにまとめている。

インテリアではそのクル・ド・パリで溢れている。小さな四角錐(ピラミッド型)形状のスタッズが規則正しく並んだ模様をアイコンとし、至る所にクル・ド・パリでデザインされている。いわゆるフランスの高級モノづくり技法のひとつであり、匠の技というわけだ。

それは空調のボタンが並ぶダッシュボードにも、エンジンスタータボタンにも。アルカンターラと組み合わせたシートもデザインされ、ステッチまでもがクル・ド・パリなのかと錯覚してしまう。センターコンソール先端には、ジュエリーボックスを思わせるスペースがあり、ドライブセレクター両サイドもクル・ド・パリで装飾。マンにュアルモードの切り替えがこんなに小さくて使いにくくないのか?と思うがラグジュアリーさを壊してはいけない。

ステアリングには先端のADAS機能用スイッチがあり、その操作トグルにもクル・ド・パリの装飾がある。サイドウインドウの開閉ボタンにも装飾が施され、高級なデザインされたモデルであることを随所で感じられ、これぞ所有する満足感なのだ。

そうしたボディをもったN°4には1.2L 3気筒ターボ+6速ATが搭載され、136ps/230Nmのマイルドハイブリッド・ユニットになっている。このあたりも必要にして十分なスペックというのもプレミアムブランドとは異なるラグジュアリーブランドならではなの選択なのだろう。

フランス車は昔から大排気量エンジンを搭載しない傾向であり実用の延長線上にラグジュアリーを位置付けているように感じる。したがって生活の実用道具を極めていくとラグジュアリーに行き着くのかもしれない。

ちなみに、現職のマクロン大統領はDS N°8を使用している。シラク元大統領に至ってはプジョー205が愛車だったのだ。最長任期を全うしたミッテラン元大統領もルノーを公用車にしていたことも有名で、マイバッハやSクラスの名前が出てこないのもフランスらしいのかもしれない。

さらに言えば、料理やファッションでは、ラグジュアリーブランドとして日本に浸透しているわけで、クルマも実用車とプレミアムブランドとは違ったブランドとして、肩を並べてもいいのではないかと思う。こうしたデザインコンシャスなモデルもクルマ文化に違いないわけだから。

価格

N°4 ETOILE HYBRID :625万円(消費税込み)

試乗車スペック N°4 ETOILE HYBRID
全長4415mm、全幅1830mm、全高1495mm
1.2L 直列3気筒DOCHターボ
100kW(136ps)/5500rpm、230Nm/1750rpm
6速AT
駆動用バッテリー0.9kWh
WLTCモード:20.1km/L
市街地モード:15.5km/L
郊外モード:22.0km/L
高速モード:21.6km/L

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