2016年6月15日、ホンダは小型水素ステーション向け「差圧式電解方式による高圧水素製造システムの発明」の業績に関して、「平成28年度全国発明表彰 日本商工会議所会頭賞」を受賞するとともに、ホンダも同表彰の「発明実施功績賞」を受賞した。
全国発明表彰は、公益社団法人・発明協会が日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、独創性に富む優れた発明を完成、実施化および指導、奨励、育成に貢献した個人、団体を称えるために開催される。
今回受賞した技術、技術者、受賞理由は次の通り。
・日本商工会議所会頭賞受賞者
岡部昌規 本田技術研究所・四輪R&Dセンター
中沢孝治 株式会社本田技術研究所・四輪R&Dセンター
樽家憲司 株式会社本田技術研究所・四輪R&Dセンター
受賞業績
「差圧式電解方式による高圧水素製造システムの発明」
発明実施功績賞受賞者
八郷隆弘 本田技研工業株式会社 代表取締役社長 社長執行役員
受賞業績
「差圧式電解方式による高圧水素製造システムの発明」
■受賞内容
差圧式電解方式による高圧水素製造システムSHSは、燃料電池車に水素を充填可能とする小型高圧水素製造供給装置で、電解セルは、高強度多孔質材を用いた電解質膜サポート構造で、35MPaのセル耐圧性を具現化したものだ。また、コンプレッサーを使わず、水だけから生成した35MPaの高圧水素を燃料電池車へ充填可能としている。
この発明により、従来型の機械式コンプレッサーを用いた小型水素供給装置と比較して、水素昇圧に必要なエネルギーロスが約4分の1に低減、システムの小型化も達成され高効率で静寂な小型水素ステーションを製作が完成した。この成果は小型分散型の再生可能エネルギーを由来とする水素ステーションの設置を可能とし、この新規高圧水素製造技術を適用した小型水素ステーションは「スマート水素ステーション」として、水素社会の実現に向け寄与している。