【ホンダ】シビック e RS試乗 Type Rまでは要らない、でもスポーツしたい S+シフトが変えるハイブリッドの走り

ホンダの「シビックe:HEV RS」に試乗してきた。シビックは世代によってホンダの中で位置付けや使命も変わり、最新世代のシビックは「常に世界の人々に驚きを届けるベーシックカー」を使命とし、さらに「ホンダにおけるスポーツイメージの牽引役」に位置付けている。

確かにType Rの存在はクルマ好きの間では垂涎のモデルであり、ホンダらしいモデルとも言われている。しかしシビックe:HEV EXはスタンダードなクーペライクな4ドアセダンで、今回試乗したRSはその中間に位置するモデルだった。

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2024年にマニュアルミッションを搭載したRSは発売しているが、e:HEVのハイブリッドモデルにはRSの設定はなかった。今回プレリュードに搭載したS+シフトを装備した「シビックe:HEV RS 」が2026年6月に発売されている。

この試乗のタイミングではプレリュードとノーマルなシビックe:HEV EXにも試乗でき、乗り比べることができたのでお伝えしていこう。

シビックe:HEV RSのドライブモードはエコ、ノーマル、スポーツ、インディビデュアルの4モードがあるが、どのモードでの走行時でもS+シフトのスイッチを押すとスポーツモードに切り替わりS+シフトが使える仕様になっている。そしてS+シフトを切ると、その前のモードに戻る仕様だ。

プレリュードではコンフォート、GT、スポーツ、インディビデュアルの4モードのそれぞれにS+シフトが稼働するので、シビックe:HEV RSのほうがシンプルな構造だ。

それとホンダらしいと感じるのは、RSはグレード追加に相当するが、RS専用のサスペンションになっているのだ。ダンパー径をアップさせ、ピストンバルブの最適化を行い微低速時の応答性を上げ、操舵応答領域での減衰力をアップしている。またスプリングやスタビの剛性をアップさせロール剛性を11%向上させている。さらにタイヤは専用開発しており、グッドイヤーのイーグルF1が装着されているのだ。

特に前後のコンプライアンスブッシュの剛性もアップさせるこだわり様で、フロントは液封タイプからソリッドラバーに変え45%剛性をアップさせ、リヤも同様にソリッドゴムに変更し62%剛性を上げているのだ。

走り出すとすぐにアシが違うことを感じる。引き締まった乗り心地と適度な快適性もあり、Type Rまでは要らないけど、スポーティな走りを楽しみたいという人がハマる仕様だ。

ハンドリングは気持ちよく、アシも決まっているので、どんどん車速が上がってしまうほどで、ワインディングはこのうえない好物になること間違い無い。そうした気分を押し上げてくれるのがS+シフトだ。

アップシフト、ダウンシフトでの有段的なエンジン音が心地よい。ドライブモードは「スポーツ」に切り替わり、アクティブサウンドコントロールでエンジン音が聞こえる。エンジン本来の音を強調する加工が施されスピーカーから音が出ているのだが、これがすごく自然に聞こえてくるので、スピーカーと言われなければ気づかないレベルだ。

パドルシフトは回生減速度を変えるものだが、S+シフトにするとギヤ段に変わる。そのため、減速Gも異なるこだわりようだ。つまり、どのモードでも走行中にパドルシフトを手前に引くと減速Gが高まるが、モードによる違いはない。が、S+シフトにするとギヤとエンジン回転数に見合った減速Gになるので、2速と3速、4速では異なる減速Gを体感するのだ。

だから、ハイブリッドであることを忘れ、なおさらナチュラルにスポーツカーをドライブしている気分になれるというわけだ。

さて、プレリュードに乗り換えて見ると、スポーツクーペらしくキャビンは小さく、ボディのしっかり感、剛性感を得ながら動き出す。コンチネンタルプレミアム コンタクト6のタイヤは走行音もスポーツタイヤらしいものが聞こえてきて、やる気を感じさせる。

RSに乗った後だとプレリュードは「クルマが走れ!」と言っているような気分になる。ステア操舵の手応え、サスペンションが作る乗り心地、走行音、そしてドライビングポジションなど、ベクトルはType Rの方向を感じてくる。

そして最後にシビックe:HEV EXに乗ってみると、コンフォート性能が高いモデルであることを再確認する。これがいわゆるノーマルのシビックなのだが、スポーティであることも再確認する。サスペンションはRSとは違うので、ロールもあるし乗り心地もソフト。タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4を装着しているのだから、やはりスポーツドライブが楽しい部類に入るわけだ。

ただS+シフトが無いので、パドルシフトは減速Gを変えるもので、当然ギヤシフトしている感覚はない。それでもハンドリングが気持ちよく、パドルを使いながらワインディングを楽しめることも再確認した。

冒頭シビックの使命、位置付けについて「ホンダにおけるスポーツイメージの牽引役」というものをリアルに感じるモデルであることも納得できる。

この乗り比べによってシビックシリーズの価値の再確認と開発のこだわりがよく伝わってくるものであった。

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