2014年3月13日、アウディ・ジャパンは、ラインナップの頂点に立つプレミアムラグジュアリーサルーン「A8/A8 L」をマイナーチェンジした2014年モデルを、A8は同日から、A8 L W12とS8は5月8日から発売すると発表した。
現行のA8シリーズは2010年に登場し4年目を迎えエクステリアを含めたマイナーチェンジを受けることになった。ディテールにこだわったデザインと仕上げ、軽量・高剛性と安全性を両立させたアルミニウムボディのASF（アウディ スペース フレーム）などを採用し、今回のマイナーチェンジで世界初のマトリックスLEDヘッドライトを新採用している。
エクステリアはシングルフレームグリルがより彫刻的なデザインとなり、バンパーやボンネットの形状も変更。シングルフレームグリルはやや下方に移動されている。またボディ全周にわたりボディ下側にプレスラインがまわされている。
注目されるのは革新的なマトリックスLEDヘッドライトで、これは世界耐久選手権シリーズに参戦しているLMP1マシン「R18 e-tronクワトロ」に採用されていた技術だ。この標準装備される（3.0 TFSIはオプション）ヘッドライトはロービーム用のLEDと25個のLEDによって構成されるハイビームユニットから構成される。ハイビーム時にはフロントガラス上部のカメラで他車の灯火のセンシングを行ない、必要に応じてLEDを個別に点灯・消灯することで対向車や先行車を眩惑することなく、正確に路面を照射することができる、さらにコーナリング方向にビームを向けることができるライティングシステムだ。機械式の可動部を持たず、LEDの点滅のみで照射ビームを制御することが最大の特徴だ。
インテリアは2種類のアウディデザインセレクションが設定された。また3色のLEDインテリアアンビエントライティングを標準装備、A8 L W12にはBang & Olufsenサウンドシステムやリヤシート エンターテイメントが標準装備となる。
A8/A8Lのパワートレーンは、スーパーチャージャー付きのV6型・3.0 TFSI、ツインターボ装備のV8型・4.0 TFSI、自然吸気の6.3L・W12 FSI、そして2.0 TFSIに40kW（54ps）/211Nmを発生する電気モーターを組み合わせたハイブリッドが標準モデルとしてラインアップされてている。4.0 TFSIとW12エンジンにもシリンダーオンデマンドシステム（COD: 気筒休止システム）を搭載している。これらのエンジンには、8速ティプトロニックATが組み合わされている。
出力を路面へと確実に伝達するクワトロ（ハイブリッドはFF)、スポーティで快適な乗り心地を実現する「アダプティブエアサスペンション」、セーフティシステムの「アウディプレセンス」、BOSEサラウンドサウンドシステムを標準装備。さらにスピーカーから逆位相の音を与えることで騒音を低減するアクティブノイズキャンセレーションなども装備している。
スポーツバージョンのS8 は、最高出力520ps、最大トルク650Nmを発生する4.0・V8ツインターボTFSI V8エンジンと、8速ティプトロニックの組み合わせ。こちらも気筒休止システムや、スタート ストップシステムのほか、エネルギー回生システムなどを採用している。
安全性、快適性装備では駐車時に自動でハンドル操作をしてくれる360°ディスプレイ（サラウンドビューモニター）付きのパークアシスト付アウディパーキングシステムを全車に標準装備。また標準のアウディ プレセンスに加えて、オプション設定となっているアウディ プレセンス・プラスを選ぶと、自動ブレーキ機能のブレーキガードや自動ステアリング修正機能付きのアクティブレーンアシスト、ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロールなどが追加される。またオプション設定ののナイトビジョンアシスタント（A8 L W12は標準装備）は、歩行者のみでなく、大きな動物なども認識できるように進化しているという。
アウディA8シリーズ諸元表
