シートベルトやチャイルドシートで業界をリードするタカタは2012年2月29日、子会社のタカタサービスが世界初の肩・腰ベルト取り付け部脱着式の「L/Sフルデタッチャブル3点式シートベルト」を開発したと発表した。この新型シートベルトはキャンピングカーなどの後席用で、特にベッドにできるタイプにはメリットが大きい。シートベルトの国内新技術基準導入に対応し、この6月を目処にキャンピングカー向けに発売するとしている。
実はこの新型シートベルトの登場を待ち望んでいたのが、キャンピングカー業界だ。従来のキャンピングカーの後席ユーティリティシートに取り付けられているシートベルトは、ほとんどが2点式腰ベルトタイプだった。しかしながら、本年7月より施行されるシートベルトの国内新技術基準で、すべての席に3 点式シートベルトの装備が要求されることが決定済み。まさに悩みの種という状態だった。
この新製品は肩ベルト取り付け部（ショルダーアンカー）と腰ベルト取り付け部（ラップアンカー）の両方が脱着できる構造になっているため、バックル部分を除くシートベルトの主要部分が取り外し可能だ。その作業は車のキーなどを使って簡単にワンタッチでできるという。特にフルフラットにする際に、肩ベルト取り付け部が取り外されたシートバック上端面に出っ張りが残らないので、前後シートの隙間をミニマムにすることが可能になった。
タカタサービスではこのシートベルトをキャンピングカーのコーチビルダーやそのシートメーカーなどへ、本年6 月頃より月間300セットの計画で供給していく予定で、一般ユーザーへの販売は現在のところ計画されていない。また将来的には特装車に限らず、フルフラットシートを備えるミニバンなどの乗用車への採用も期待されるところだ。
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