レクサスLSシリーズの登場以来6年が経過した2012年10月11日、ビッグマイナーチェンジが行われ、同日から発売された。今回のマイナーチェンジでは約3000点の部品が新設計されるなど、まさにビッグマイナーチェンジだ。その一方で、競合するプレステージカーはすでにフルモデルチェンジ、ビッグマイナーチェンジを終えているため、今回のLSの大掛かりなマイナーチェンジは必然だったといえる。
↑ボディカラーは新色のファイアーアゲートマイカメタリック。→新型レクサスLS 600ｈ F sport
新型LSの開発のキーワードは「熟成の極みと革新の融合」だ。デザイン面では、スピンドルグリルを始めとする新デザインに移行し、新世代レクサスの象徴にもなっている。またグレードではスポーティグレードの「F SPORT」を新らたに追加。もちろんベースのLSシリーズ全体も走りを洗練させている。
エクステリアは、スピンドルグリルの採用をはじめ、フロントマスクを変更することで従来より強い個性が与えられた。リヤエンドのデザインにもスピンドル形状を一部取り入れている。細部ではシームレスに発光するアローヘッド形状のクリアランスランプ、L字型テールランプなども新世代レクサス･デザインに共通化されている。
インテリアは、インストルメントパネルのデザインを一新。水平基調を重視したデザインで、煩雑だった操作系の配置を見直し、機能性、操作生を向上させている。液晶ディスプレイは12.3インチワイド版とし、リモートタッチを採用するなど操作性は大幅に改善されたといえる。また各種手仕上げの本木目や、アルミ製のアナログ時計を装備するなど、質感も一段と向上させている。
新型LSのボディもかなり手が入れられている。特にキャビンのA、Bピラー、トンネルブレースなどが補強された。ルーフのフロントは接着接合、ルーフサイド部は新工法のレーザースクリュー溶接で溶接ポイントを拡大するなど、ボディの質感向上が図られている。
シャシーでは、エアサスペンションの制御が大幅に改良され、４輪すべての動きが統合し制御され、操縦性・走行安定性の向上とフラットな乗り心地を追求したという。
また可変ギヤ比ステアリングのVGRSは、低〜中速域でのレスポンスを高めた他に、ステアリングホイール径も390mmから380mmへと変更し、総合的にハンドリングの向上を狙っている。
新設定されたF SPORTは専用のスポーティな内外装を備え、10mmローダウンされたサスペンションや変速制御のスポーツ仕様に。ブレーキはフロントがブレンボ製の6ポッド（リヤは各車共通の対向2ポッド）キャリパーを備えている。パッドも専用の高摩擦パッドを採用する。
またLS 600h・F SPORTはアクティブスタビライザー、LS460・F SPORTはトルセンLSDを備えている。
レクサスで初採用となるドライブモードセレクトも装備されている。モードは、ECO、コンフォート、ノーマル、スポーツS、スポーツS+という5モードが設定されている。もちろんハイブリッドはこのモードセレクト以外にEV走行モードも装備する。
エンジンは、LS460用の1UR-FSE型エンジンのみが6ps（4WD車は3ps）パワーアップアップされ、燃費はLS600hが11.0km/Lから11.6km/Lへと向上している。
安全装備では新開発の衝突回避支援型プリクラッシュ･セーフティを採用。ミリ波レーダーにステレオカメラを加え、追突が想定される場合でも40km/h以下なら回避できる。近赤外線投光器も備えているため夜間でも歩行者の検知ができるようになっている。この他にアクティブハイビーム（AHS）、後方用ミリ波レーダーで斜め後方の車両を検知するブラインドスポットモニター、全車速追従型クルーズコントロールなどをフル装備するなど最新世代に更新されている。
今回のマイナーチェンジではクラス･ナンバーワンの静粛性の更なる追求の他に、乗降時に自動点灯・消灯するアドバンスドイルミネーション、13個のセンサーで4座席の独立温度調整、エアシート、ステアリングヒーターなどを自動制御する、世界初のクライメイト・コンシェルジュなども装備。
さらに、静粛性向上対策としてノイズ･リダクション･アルミホイールも備えるなど、静粛性や快適性の向上に力が入っており、こうした点は熟成というにふさわしい。
オーナーのカスタム指向に合わせたL-Serectの採用はレクサスとして新たな試みだ。シートや内装、カーペットなどの色や素材をユーザーの好みでコーディネイトできるシステムでをオプション設定している。
・LS460/LS460L価格表
・LS600h/LS600hL価格表
