ボルボは2026年7月にフラッグシップモデルとなるES90とEX90を発表している。今回フラッグシップのSUV、EX90に試乗することができたのでお伝えしよう。
EX90は3列7人乗りのEVで車型はSUV。ポイントは大型SUVのEVであることと、SDVによって進化する車両になったこと、そして最先端の技術と安全性をもちながら、価格を抑えていることが挙げられる。





ボディサイズは全長5035mm、全幅1965mm、全高1740mm、ホイールベール2985mmで、車重は2.7トンもある。7名乗車の3列シートの構成で、前後にモーターを搭載するEVだ。
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気になる新車
試乗車は最上級グレードの「Ulta Twin Motor Performance」で1399万円(税込)。フロントモーターの出力は220kW(299ps)/390Nmで、リヤモーターが280kW(381ps)/480Nmと大パワー&トルクのモーターを前後に搭載している。バッテリーはNMCのリチウムイオンバッテリーで、一充電の航続距離は650km。800Vアーキテクチャーで構成されている。
通常は二輪駆動(RWD)で走行し、走行状態を自動で検知してAWDになる仕組みだ。実際の走行ではその切り替えを感じることはなく、ただ、大トルクの強烈な加速に驚くばかり。2.7トンの車重など意に介さない加速っぷりで、0-100km/hは4.2秒と俊足なのだ。
この大型SUVの静粛性にも驚かされた。ガラス面の全てに合わせガラスを採用しており、窓を閉めると外界からの隔絶感が凄い。音響室なのかと思うほどの静寂があり、動き出したことも感じさせないほど静かだ。だから、試乗車にはバウワー&ウイルキンスのハイフィディリティ・オーディオシステムが搭載されているのだ。ヘッドレストや天井を含むキャビンに25個のスピーカーが装備され、オーディオルーム、いや、コンサートホールのように音楽を楽しむことができたのだ。
この暴力的な加速力を持つEX90は、普通に乗ると高い静粛性と滑らかな移動ができ、さっき、アクセルをバカっと踏み込んでみたことがアホらしく感じるほど高級車なのだ。何を求めてフル加速させていたのだろと。



さて、インテリアもボルボらしくスカンジナビアンデザインが作り出す上質な空間になっている。バイオ素材や天然素材など、素材にもこだわり、LEDをつかった演出などで北欧のプラベートラウンジを感じさせるインテリアになっている。
センターディスプレイは14.5インチもあり、もはやラップトップPCの画面サイズを超えている。ドライバーの前には9インチのディプレイがあり、さらにヘッドアップディスプレイと連携して必要な情報が表示される仕組みになっている。


さて、注目はSDVになったことだ。このディスプレイの中で成立することもあるが、今回のボルボさらに進化しているのだ。つまり、インフォテイメント系が進化するのは、容易に理解できると思う。スマホアプリがアップデートできるように、車両のインフォテイメント系もアップデートできるからだ。
がしかし、SDVとなったことで、ボルボがこだわる安全装備系もアップデートされるようになるのだ。つまりレーダーやカメラからのデータをベースに衝突回避や車線維持などの運転支援系も動作しているが、例えばそのデータをより細かく分析できるようなった時、EX90のシステムはそれに対応でき、より安全な車両になったのだ。
つまり、進化するクルマ、アップデートできるクルマとしてデビューしたというわけだ。アップデートの領域はどこまでなのか、その詳細は不明だが、いずれフィジカルAIが搭載され、ハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作もAIが判断するようになったときでも対応できる可能性が大きい。そのキーになるのはコンピュータの性能がどこまであるのか?というわけで「Hugin CORE」という次世代コンピューティングシステムがポイントだ。

概念として、電動化に対応したSPA2アーキテクチャーを採用し、システム、モジュール、ソフトウェア、ハードウェアを統合する技術基盤「Superset tech stack」をベースにSDVを構成している。
そしてNVIDIA、Qualcom、Googleなどの外部サプライヤー技術と融合した「Hugin CORE」を搭載して車両の全ての機能を統合、制御しているのだ。


例えばNVIDIAのDRIVE AGX Orinはインテリジェントカー用のコアコンピュータであり、254TOPS(254兆回/秒)の演算能力があり、AIベースのアクティブセーフティや車両センサー、バッテリーマネージメントなどの機能を管理する。またインフォテイメントではQualcomのSnap Dragon Cockpit Platformsは高品質なグラフィックスにより、車載ディスプレイやヘッドアップディスプレイにの操作性と視認性を供給するのだ。
これらの機能がOTAによりアップデートが可能というわけで、進化するクルマ、アップデートできるクルマというわけ。
残念ながら、今回の試乗でこうしたSDVを実感する場面はないが、オーナーとなれば、OTAの魅力は容易に感じることができるだろう。
ここまでEX90を理解していくと最上級モデルでも1399万円はお得な価格に思えてくる。じつはボルボのPHEVのXC90の価格と同等の価格を設定しているのだ。これは相当、ボルボジャパンが頑張った価格ではないだろうか。実際、このセグメントのEVモデルは縮小傾向のあるマーケットだけに、ボルボが独占的にシェアを持つチャンスなのかもしれない。








諸元

価格














