ボルボ・カー・ジャパンは2026年7月8日、新型EVモデルの3列シート/7人乗りのフラッグシップSUV「EX90」を発売した。

ラインアップは、全グレードがツインモーターの4WDモデルで、「EX90 Plus Twin Motor」、EX90 Ultra Twin Motor」、「EX90 Ultra Twin Motor Performance」の3機種が設定されている。
ボディサイズは、全長5035mm、全幅1965mm、全高1745mm、ホイールベース2985mmというEセグメント・サイズのラグジュアリー・クロスオーバーSUVで、最小回転半径は5.9m、最低地上高は215mm(Ultraグレードは210mm)だ。

「SPA-Ⅱ」プラットフォーム
「EX90」は、「ポールスター3」と同様に、ボルボの「SPA-Ⅱ」EV専用プラットフォームをベースとしている。この車両は15%が再生スチール、25%が再生アルミニウム、さらに48kgが再生プラスチックおよびバイオ由来素材で構成されており、環境性能の高いプラスチックの割合は約15%となっている。
「SPA-Ⅱ」により従来の分散配置型ECUを廃止し、セントラル・コンピューターによる統合電子制御システムとする革新が実現したモデルだ。

中央統合制御コンピューター「Hugin Core」には、高性能なNVIDIA DRIVE AGX Orinを採用。最新のシステムではデュアル仕様(Orin×2基)で、演算能力は最大で508 TOPS(1秒間に508兆回の演算)に達している。また同時に、クアルコム、Googleなども統合され、安全システム、駆動システム、インフォテインメントからバッテリー管理までが統合制御されている。
これにより完全なソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)が実現している。「Volvo Cars Superset tech stack」と呼ばれる共通のハードウェアとソフトウェアモジュール群を搭載。これにより、先進運転支援システム、インフォテインメント、バッテリー管理、車両制御が1つの中央コンピューターで統合管理され、もちろんOTA(無線アップデート)も実現している。
また、SPA-Ⅱは最初期モデルはは400Vシステムであったが、アップデートにより800V電気アーキテクチャへと進化している。この結果、最大350kWのDC急速充電に対応し、さらにWLTPサイクル換算でバッテリー効率が最大約6%向上している。
また充電制御ソフトウェアをE/Eプラットフォームに統合しており、バッテリーの状態をリアルタイムでシミュレーション・監視し、バッテリーセルの劣化を抑えながらダイナミックに最適な電気を流すことで、充電時間を大幅に短縮することができる。
そして「SPA-Ⅱ」では、ボルボのDNAである安全性を最高レベルに高めるため、最初から多数の最先端センサーを統合できるように設計されている。5基のミリ波レーダー、8基のカメラ、12基の超音波センサーを連携させ、車両の周囲360度を完全にカバー。そして市場状況に合わせてLiDARを追加することで自動運転にも対応できる能力を備えている。ちなみに、国内導入モデルには現状LiDARは装備されていない。
車内では先進的な「ドライバー・アンダースタンディング・システム」を標準装備。2基のドライバーモニタリングセンサーが常にドライバーの視線の動きや、ステアリングホイールの操作などを検知し、独自に開発したアルゴリズムにより解析することで、注意力散漫や眠気などの状態を把握。必要に応じてソフトな警告から始まり、その後は徐々に強く警告を発し、万が一、ドライバーが警告に反応しない場合は、安全に停止し、緊急通報を発報できるようになっている。
また「オキュパント・センシング(乗員検知システム)」が、車内を見守ることができる。オーバーヘッドコンソール、天井のリーディングランプ、荷室に内蔵された60GHzのレーダーセンサーを使用し、ラゲッジスペースを含む車内全域をカバーする世界初のシステムだ。寝ている小さな子どもの呼吸による胸の動きのような、サブミリメートル(1mm未満)のわずかな動きまで検知し、独自のアルゴリズムにより人やペットなのかどうかを判断し、車内の置き去りを検知するとドライバーに警報するシステムになっている。
デザイン
EX90は、スカンジナビアンデザインの価値観をベースにした、新しいラグジュアリーを体現している。


美しさと機能性を高い次元で両立させたエクステリアは、新たにフラッシュサーフェイス・デザインを採用、フラッグシップSUVらしい存在感に先進性を加えている。フロントのトールハンマーヘッドライトには1.3メガピクセルの新しいハイディフィニション・ピクセルLEDヘッドライトを採用し、ロービームからハイビームまで配光特性を最適化。リヤは、ボルボ伝統の縦型テールランプを現代的に再解釈したデザインを採用している。

インテリアは、上質な素材とプレミアムなデザインにより、まるで北欧のプライベートラウンジのような空間を演出し、これまでにない、くつろぎをもたらす。ボルボ独自のバイオ素材に由来する「ノルディコ」のほか、天然素材やリサイクル素材を使用し、公的認証を受けたウッドパネルは、太陽光スペクトルLEDライトを採用したインテリアライトを組み合わせることで、心地よい雰囲気を演出している。

インフォテイメント
14.5インチのセンターディスプレイにはGoogleを搭載し、シームレスで応答性に優れた最先端のインフォテインメント・システムになっている。ステアリング前方の9インチのドライバーディスプレイや大型のヘッドアップディスプレイと連携し、必要な情報を適切なタイミングで表示することで、複雑さをシンプルに変え、快適なユーザーエクスペリエンスを実現している。

EX90の上位モデルには、バウワーズ&ウィルキンス製プレミアム・オーディオシステムが搭載され、ヘッドレストや天井を含むキャビン全体に、25個のスピーカーを装備。さらに、Dolby Atmosによる3Dでの音場再現を可能としており、キャビン全体を包み込む没入感のあるオーディオ環境が実現している。
また、ロンドンの伝説的な録音スタジオであるアビー・ロード・スタジオを冠したサウンドモードは、車内でのサウンド体験を自在に調整できる革新的なモードで、アビー・ロード・スタジオならではの独自の音響的DNAを再現することができる。

インテリア・パッケージング
シートは、最大7名が快適に座れる3列の独立シートを備え、シネマスタイルの配置により2列目、3列目シートでも良好な視界を確保。各シートは個別に調整ができ、3列目を含む全員がカップフォルダーやUSBCポートを利用可能で、2列目はスライドやリクライニング、折りたたみ式アームレストなどを備え、快適に長距離ドライブを過ごすことができる。

3列目は身長170cmまでの2名が快適に座ることができ、前席と変わらない安全性も確保されている。後席はボタンひとつで個別に折りたたむことができ、シートアレンジで荷室の容量や使い勝手を最大限に高めることが可能。
ラゲッジ容量は、3列目シート使用時で約320L、3列目シートの格納時で約690L、2列目、3列目シートを格納することで1915Lとなる。メインラゲッジの床下には、さらに約72Lのアンダーフロア収納スペースがある。またEVのため、フロント・トランクが確保され、ボンネット下に収納スペースがある。
パワートレインとパフォーマンス
「EX90」は、CATL製の106kWhの大容量バッテリーにより一充電走行距離650km(WLTCモード)を実現。全てのグレードが4輪駆動だ。
駆動モーターはフロント側は非同期誘導モーター、リヤは永久磁石同期モーターを搭載している。
出力は、「Plus Twin Motor」、「Ultra Twin Motor」はフロントが177ps/265Nm、リヤが279ps/405Nm。0-100km/h加速性能は両グレードともに5.5秒、最高速度は180km/hだ。
トップグレードの「Ultra Twin Motor Performance」はフロントが299ps/390Nm、リヤが381ps/480Nmを発生する。このためシステム最高出力は500kW(680ps)、最大トルク870Nmとなり、0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は180km/hと強力な動力性能を実現している。

価格














