メルセデス・ベンツ日本は､メルセデス・ベンツの最高級セダン「Sクラス」のフラッグシップモデルであり、6.0L/V12型ツインターボ･エンジンを搭載する「S65 AMG long」を東京モーターショーでワールドプレミアを行ない、同日から発売すると発表した。なお「S65 AMG long」の納車は2014年夏頃からとなる。
新型「S65 AMG long」は、メルセデスのフラッグシップモデルとして安全性、快適性、効率などを究めた新型Sクラスに、メルセデスAMG社の開発したスムーズさと圧倒的な高出力を誇る6.0L/V型12気筒ツインターボエンジンを搭載した最上級モデルだ。
今となってはドイツのプレミアムメーカーの製品として唯一の超ハイパフォーマンス12気筒モデルとなる。血統も折り紙付きで、初代のS65 AMG（V220）は2003年に発売、2代目（V221）が2006年から2013 年まで生産され、このモデルが3代目となる。
このSOHC/V12型エンジンは、最新のターボ、マルチスパークイグニッションを採用し、圧縮比9.0で最高出力630ps、最大トルク1000Nmという圧倒的なエンジン性能を発揮するとともに、滑らかで上質なエンジンフィールを実現している。
S63 AMG longと同様に従来の鉛バッテリーの代わりに軽量な78Ah容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、20kg以上の軽量化が図られている。
エンジンカバーはカーボンファイバー/アルミニウム製。もちろんこのV12型エンジンは、AMGの「ワンマン、ワンエンジン」の原則に基づき、厳格な品質管理のもとで手作業によって組み立てられ、スリーポインテッドスターの下にエンジンメカニックのサインが入ったAMGエンジンプレートが貼り付けられている。
またこのモデルはAMGスポーツエグゾーストシステムを装備し、トランスミッションのCモード選択時（coｍfort）には、エグゾーストフラップを閉じることで長距離ドライブ等に最適な心地よいエグゾーストサウンドを、S、Mモード選択時（sport/manual）には加速時やシフトダウンの自動ブリッピング時などにエグゾーストフラップが開き、AMG V12モデルならではのエモーショナルで迫力あるサウンドに一変する。
トランスミッションは伝達効率を高めた7速AMGスピードシフトプラスを搭載。従来の5速タイプから大きく進化している。ECOスタートストップ機能を装備(Cモードで作動する）し、実用燃費を大幅に高めている。燃費は従来モデル比約+17%：欧州参考値）の11.9L/100km。なおユーロ6排ガス規制にも対応している。
サスペンションは、「マジックボディコントロール」をベースとしたAMGスポーツサスペンションを装備。前方の路面の凹凸の明暗をステレオカメラで捉え、路面状況に応じて油圧アクティブサスペンションのダンピングを制御する。一方、スポーツモード選択時にはAMGならではのスポーツ・ハンドリングとドライビングダイナミクスを実現し、ブレーキは強大な制動力と高い耐フェード性を両立したAMG強化ブレーキシステムを採用。オプションとしてAMGカーボンセラミックブレーキも設定されている。またESPダイナミックコーナリングアシストを標準装備し、コーナリング時に内側の後輪にブレーキをかけるブレーキトルクベクタリング機能を備えている。
インテリアは、シートやドアパネルに最高品質のナッパレザーを使用しダイヤモンドステッチを施したフルレザーインテリアを採用している。さらにルーフライナーにもナッパレザーを使用し、AMGアファルターバッハエンブレムのエンボス加工を施したセンターコンソールや本革巻ウッドステアリングなどS65 AMG longならではの贅を尽くした内装になっている。メーターパネルはTFTカラーディスプレイを用い、コンピューターグラフィックにより2つの円形メーターが映し出される。
装備面は、メルセデスとして初めて車速やナビゲーションをウインドウスクリーン上に投影するヘッドアップディスプレイ、COMANDコントローラー後方のタッチパネルに指先で触れることでセンターディスプレイ画面のスライドや拡大縮小、文字入力が行なえるタッチパッドを新採用している。
