2017年1月12日、BMWジャパンは7年振り、7代目となる新型5シリーズ・セダンを2月11日から発売すると発表した。納車は523i、523d、530i、540i、540i xDrive が2月からで、ハイブリッドモデルの530eは第3四半期、523i が第4四半期を予定しているという。
今回発表されたグレードは523iが標準モデル、ラグジュアリー、M Sportの3機種、ディーゼルモデルの523dも標準、ラグジュアリー、M Sportの3機種、530iはラグジュアリー、M Sportの2機種、ハイブリッドモデルの530eが2機種、最もパワフルな540iが2機種、そして4WDの540i xDriveが2機種となっている。「ラグジュアリー」は上質感や快適性を、M Sportはダイナミックな走りを押し出したスポーティモデルだ。
新型5シリーズは、ヨーロッパで2016年10月にデビューした。このニューモデルから型式はG30/G31/G32型となった。この型式名からわかるように7シリーズから採用されたCLAR(クラスター・アーキテクチャー)プラットフォームを新採用している。CLARプラットフォームのコンセプトは徹底した軽量化と、高強度・高剛性で、新型5シリーズも大幅な軽量化と高剛性が図られている。
5シリーズの開発コンセプトは、これまでと同様にエグゼクティブ・セダンで、ボディサイズは全長5mをわずかに切る4945mm、全幅1870mm、全高1480mmで、ホイールベースが2975mm。全長、全幅、全高、ホイールベースともごくわずかずつサイズアップしている。開発キーワードは「ビジネス・アスリート」とされ、大企業の部長級のビジネスマンがターゲットとされ、BMWらしく走りの性能と、ラグジュアリー性の両立を目指している。
デザインはキープコンセプトで、正統派のセダン・デザインとし、ロングホイールベース、ショート・オーバーハング、シンプルなボディのキャラクターラインを採用している。
■大幅な軽量化
ボディは、サイドメンバー、リヤメンバーなどに高張力鋼板、超高張力鋼板を採用。ボンネットやトランクリッド、ドア、エンジンメンバー、リヤサイドメンバーなどはアルミ製。さらにインパネサポートにはマグネシウム鋳造材も採用し、最大で100kg、日本仕様で80kgの軽量化を実現。その一方でねじり剛性の向上、低重心化、ばね下荷重の低減、50:50の荷重配分なども行なわれている。
また振動騒音を低減させるため、最新の遮音、吸音材もボディ各所に大幅に採用されている。さらにボディの空力性能も大幅に向上され、クラス最高のCd=0.22を達成しているという。
サスペンションはフロントが新設計のダブルウイッシュボーン、リヤは5リンク式。いずれもオール・アルミ製のリンクを使用している。フロント・サスペンションはホイールオフセットを最小化し、外乱入力を抑制し最適なステアリング・インフォメーションを実現している。リヤ・サスペンションも新設計で、徹底した軽量化と取り付け剛性の向上を図っている。
なおサスペンションは標準仕様とローダウン仕様(M Sport)の2種類が設定されている。540i、540i xDriveにはダイナミック・ダンピング・コントロールが標準装備され、減衰力コントロールと、電気油圧式可変スタビライザーを組み合わせたものだ。
ホイールはグレードにより17インチ~19インチが設定させている。
後輪操舵のインテグレーテッド・アクティブ・ステアリングはベースモデル以外に標準装備される。この後輪操舵システムは、60km/h以下では最大3度の逆位相となり小回りに、60km/h以上では同相操舵となりより安定性を高めるように機能する。
■エンジン&トランスミッション
5シリーズの全モデルには、新世代モジュラーエンジン・シリーズのツインパワー・ターボ・エンジンを搭載している。いずれもツインスクロールターボ、高精度直噴、ダブルVANOS、バルブトロニック機構を採用。
ディーゼル・エンジンは、2500barのコモンレール直噴、尿素噴射SCRを採用した排ガス触媒システムを装備している。
523iに搭載される2.0L直列4気筒ガソリンエンジンは、最高出力184ps/5000rpm、最大トルク290Nm/1250-4500rpmを発生する。523dに搭載される2.0L直列4気筒ディーゼルエンジンは、最大出力190ps/4000rpm、最大トルク400Nm/1750-2500rpm を生み出す。530i用の2.0L直列4気筒は、最高出力252ps/5200rpm、最大トルク350Nm/1450-4800rpm。
540i、540i xDriveは3.0L直列6気筒ガソリン・エンジンで、最高出力340ps/5500rpm、最大トルク450Nm/1380-5200rpmを発生する。トランスミッションは全モデルがZF製8速ATを引き続き採用している。
JC08モード燃費は、523dはクラス・トップレベルの21.5 km/L、530iは15.4km/L、540i、540i xDriveは12.5km/Lとなっている。なお、523dでは従来型の16.6km/Lより大幅に燃費が向上するとともに、0-100km/h加速タイムは8.1秒から7.5秒にと速くなっている。
■運転支援システム
BMWも大幅な運転支援システムを採用しており、この新型5シリーズからは7シリーズと同様に半自動運転化を実現している。フロントのステレオカメラと、ミリ波レーダーを前方に3個、後方に2個、さらに超音波センサーを組み合わせて採用。さらにオプションで歩行者や動物を検知できるナイトビジョンも設定されている。
機能としては、ステアリング自動操舵による高速走行時の車線中央維持、渋滞時の前車追従だ。ステレオカメラが車線を認識することで実現している。
また、アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクションは隣車線のクルマが自車のレーンに接近してきた場合は、ステアリングを作動させて衝突を回避する機能だ。
後車追突警告は、後方のクルマが追突しそうな時に、ハザードランプを自動的に点滅させ、追突が回避できない時はシートベルトの巻き上げ、ドアガラスやサンルーフの自動閉鎖などアクティブ・プロテクションが作動する。
駐車スペースから出る時、自車の前方や後方のを横切る形の他車をがいる場合、警告するクロストラフィック・ワーニング、0~210km/hまで作動するアクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)も装備。
この他に従来からの自動ブレーキによる衝突回避ブレーキなどの機能も網羅され、このクラスでトップレベルの運転支援システムを採用している。この他に、7シリーズから採用されている車外から自動駐車を行なうリモート・パーキングがオプション設定されている。
■インテリア・装備
インスツルメントパネルの中央にはタッチ・パネル機能付き10.2インチサイズのワイド・コントロール・ディスプレイを新装備。オプションとしてヘッドアップディスプレイ、ジェスチャーコントロールも設定。ヘッドアップディスプレイはフルカラーで従来より表示面積を75%拡大。ルート案内、曲名やラジオ局のリストなど、より多くの情報を表示できる。
また、4個のカメラ、超音波センサーを組み合わせたパーキング・アシスト・プラスは全車標準装備化。これにより3Dビュー機能が追加され、車両周辺の画像を合成し、周辺状況をコントロール・ディスプレイで3D画像にて確認できる。また、4つのセンサーが駐車可能なスペースを判定し、システムがギヤの選択、ステアリング操作、速度調整、ブレーキ操作を自動で行なうため、簡単に縦列、並列駐車ができるようになっている。
オプションとしてマッサージ機能付きシート、4ゾーン・エアコン、ハーマン・カルダン・オーディオ、などエグゼクティブクラスにふさわしい装備が多数設定されている。
新型5シリーズは従来型5シリーズの正常進化ともいえる内容だが、7シリーズと共用の最新プラットフォームの採用や、軽量化、圧倒的な空力性能の効果、シャシーのハードウェアの進化などによりどのように走りが進化しているか興味深い。
BMWアーカイブ
BMW 5シリーズ アーカイブ
BMW公式サイト
【PR編集部】 編集部総力取材!雪道シーズン到来、ヨコハマタイヤ特集
第1弾:ヨコハマタイヤ「ice GUARD SUV G075」試乗レポート 技術進化を如実に感じる新スタッドレスタイヤ
第2弾:ヨコハマタイヤ 最新SUV用スタッドレス「ice GUARD SUV G075」 そのグリップを生み出すテクノロジー