横浜ゴムは2023年3月3日、2023年のモータースポーツ活動計画を発表した。横浜ゴムはモータースポーツ活動を技術開発と「アドバン」「ジオランダー」ブランド強化の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまで国内外の多岐にわたるモータースポーツ競技へタイヤを供給するとしている。
「アドバン」ブランド45周年となる今年は「ADVAN CHALLENGE」のテーマの下、スーパー GT、ニュルブルクリンク24時間レース、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムなど強豪ひしめくトップカテゴリーでの勝利を目指す。
また、再生可能原料やリサイクル原料を用いたレーシングタイヤの実戦投入と技術開発などサステナブルなモータースポーツへの挑戦を継続する。
そしてモータースポーツ用タイヤを生産する三島工場の専用生産ラインでは、再生可能エネルギー電気を100%導入しモータースポーツ用タイヤのカーボンニュートラル生産化に向けて取り組む。
■スーパーGT
昨年はGT300クラスでKONDO RACINGの「リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R」がシリーズチャンピオンを獲得。ワークスチームが戦うGT500では8戦中5回のポールポジションを獲得した。今年はGT500で2台、GT300で16台へアドバン・レーシングタイヤを供給し、GT500での勝利とGT300でのシリーズチャンピオン連覇を目指す。
■ニュルブルクリンク24時間耐久レース
「ニュルブルクリンク24時間レース(ADAC TotalEnergies 24h Nurburgring)」と「ニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)」に2021年からパートナーシップ契約を締結しているBMWカスタマーチーム「ヴァルケンホルスト・モータースポーツ」の「BMW M4 GT3」3台へアドバン・レーシングタイヤを供給する。
今年はSP9 Pro class2台体制で24時間耐久レースでの総合優勝を目指すことになる。
■その他のGT・ツーリングカーレース
北米の「Porsche Sprint Challenge North America by Yokohama」、タイの「RAAT Thailand Endurance International Championship」、「Toyota Gazoo Racing Motorsport」「Honda One Make Race」および日本で行われる「インタープロトシリーズ」などにアドバン・レーシングタイヤを継続供給する。
■全日本スーパーフォーミュラ選手権
2016年から横浜ゴムによるワンメイク供給を開始した「全日本スーパーフォーミュラ選手権」では、今年から原材料の33%にサステナブル素材を使用したアドバン・レーシングタイヤをコントロールタイヤとして供給する。
サステナブル素材を活用したレーシングタイヤの供給は、スーパーフォーミュラを統括する日本レースプロモーションが進めるプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ネクストゴー)」に賛同して実施するもので、このプロジェクトではSDGsやカーボンニュートラルなど自動車、モータースポーツ業界を取り巻く環境変化に対応するため、サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的として様々な企業とともに推進している。
横浜ゴムはサーキュラーエコノミーなタイヤ開発を推進する観点から、レーシングタイヤにおいて走行性能を損なわずにサステナブル素材を採用していくことを目標とし、昨年シーズンの各大会前後に設定された次期フォーミュラカーの開発テストに合わせタイヤ開発とテストを実施してきた。2023年以降もサーキュラーエコノミーなタイヤ開発技術を高めるため、さらなるサステナブル原料比率の引き上げに向けてタイヤ開発を継続して行くとしている。
■全日本ラリー選手権
ターマック(舗装路)向け「アドバン A051T」、「アドバン A08B」および「アドバン A052」、グラベル(未舗装路)向け「アドバン A053」を使用し、今年から新レギュレーションが適用される最高峰クラス「JN1」をはじめ多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。
■その他ラリー
2021年から北米でスタートし、今年は北米に加え中東でも開催される「NRX (Nitro Rallycross)」では、内燃エンジン車両に加えEVカテゴリー車両向けにアドバン・ラリークロスタイヤをワンメイク供給する。
また、米国の「ARA (American Rally Association) Rally」に参戦する「Subaru Rally Team USA」や「FIA Asia-Pacific Rally Championship 2023 Round 2 “South India Rally”」に参戦する「Toyota Team Thailand」に「ADVAN」ラリータイヤを供給する。
■全日本ジムカーナ選手権
ジムカーナ用として「アドバン ネオバ AD09」「アドバン A050」を使用し、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。
■全日本ダートトライアル選手権
「アドバン A053」をはじめ、軟質路面用「アドバン A031」や超硬質路面用「アドバン A036」など幅広い路面に対応したタイヤラインアップを武器に、多くのクラスでチャンピオンの獲得を目指す。
■ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ
横浜ゴムはモータースポーツ振興促進活動の一環として国内のラリー、ジムカーナ、ダートトライアル競技参加者を支援する「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2023」を実施している。受付期間は2023年4月30日 (当日消印有効)まで。同制度は登録したヨコハマタイヤユーザーを支援する制度である。対象競技などスカラシップの詳しい内容は専用サイトに掲載。
ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2023 専用サイト:https://www.y-yokohama.com/cp/motorsports/scholarship/
■ワンメイクレース・ラリー
「トヨタ GAZOO レーシング Rally Challenge 2023」、「ホンダ N-ONE」によるワンメイクレース「N-ONE OWNER’S CUP」、各地のサーキットにて開催されるレースなどにタイヤを供給する。
■オフロードレース
アジア最大のクロスカントリーラリー「アジアクロスカントリーラリー2023」に参戦するチームに「ジオランダー M/T G003」を供給する。昨年は同タイヤを装着した三菱トライトンが総合優勝を果たしたほか、入賞5位中3位、4位、5位を獲得し優れた性能を実証している。
アジアクロスカントリーラリー2022で総合優勝した「ジオランダー」装着の三菱ラリーアートチームのトライトン
北米の「King of the Hammers」やSCOREシリーズなどのオフロードレースに参戦する。すでに今年2月に北米で開催された「King of the Hammers」では、ジオランダー装着車がクラス優勝に加え「4900 Can-Am UTV」レースの1位も獲得した。
昨年も「ジオランダー」装着車が数々のレースで活躍しており、メキシコの「第35回 SCORE SAN FELIPE 250」の「Pro UTV Open」クラスで優勝したほか、北米最大級のオフロードレース「Best In The Desert 2022」シリーズの一戦である「2022 Method Race Wheels “Casey Folks” Vegas to Reno」の「UTV N/A Pro」クラスで優勝している。
■パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム
昨年、アドバン・レーシングタイヤ装着車が総合優勝を果たしたアメリカの「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に今年も参戦する。昨年に引き続きエキシビションクラスに参戦するEVにバイオマス(生物資源)由来のブタジエンゴムを使用したアドバン・タイヤを供給するほか、その他のクラスでも多くの車両をサポートし連覇を目指す。
また、「Porsche Cayman GT4 Clubsport」により競われる「Porsche Pikes Peak Trophy by Yokohama」へのワンメイク供給を継続する。
横浜ゴムモータースポーツ サイト:https://www.y-yokohama.com/cp/motorsports/