ブリヂストンは2026年4月9日、インドネシア大学、横浜市立大学前橋工科大学と、パラゴムノキの遺伝子解析に関する共同研究を開始したと発表した。
この共同研究は、ブリヂストンがインドネシアに保有する天然ゴム農園で育成したパラゴムノキと、その遺伝子情報と3大学の先端技術を活用し、パラゴムノキのエリートツリー(安定した高い収量を持つ優良個体)を早期に選抜するマーカー選抜技術を確立することで、将来的な天然ゴムの生産性向上と安定供給を目指している。

ブリヂストンは、サステナビリティを経営の中核に据え、商品を「創って売る」、「使う」、原材料に「戻す」というバリューチェーン全体で、カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの実現とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立に取り組んでいる。この共同研究は、その一環として天然ゴムの持続可能性を向上し、より循環型・再生型のビジネスモデルへの進化に貢献するための布石である。
タイヤが安心・安全、そして快適な移動を支え続けるためには、天然ゴムの安定供給が不可欠である。天然ゴムの供給源であるパラゴムノキは、生育地が赤道付近と地理的に限られるうえ、気象変動や病害といった外部要因の影響を受けやすい樹木である。気候や病害に影響を受けずパラゴムノキを安定的に育成させることは、世界のゴム業界の大きな課題でもある。

また、グローバルでの自動車保有台数の増加に伴い、タイヤに使用する天然ゴム需要の増加が見込まれる中で、森林破壊につながる恐れのある農地拡大を行なうことなく、持続的かつ安定的に天然ゴムを供給する体制を構築することが課題となっている。
こうした課題にブリヂストンは、病害診断技術の開発やビッグデータを活用した限られた農地での植林計画の最適化など、天然ゴムの生産性を高める技術開発を様々な観点から進めてきた。またブリヂストンは、天然ゴムの生産を支える小規模農家に対して、これらの技術展開や自社農園で培った生産ノウハウのレクチャーを実施し、収穫量の拡大と生産の安定化による生活の質の向上を通して、天然ゴムの持続可能性の向上に貢献している。
この共同研究では、ブリヂストンの天然ゴム農園で育成するパラゴムノキ個体の樹液サンプル、ブリヂストン保有のパラゴムノキのゲノム情報をインドネシア大学に提供し、インドネシア大学が遺伝子関連情報を取得(DNA、RNA)、横浜市立大学および前橋工科大学が遺伝子解析を担当し、天然ゴム生産性に寄与する遺伝子の特定を行なう。ここで得られた知見をもとに、ブリヂストンと各大学で連携し、パラゴムノキのエリートツリーを高精度かつ短期間で選抜するマーカー選抜技術の確立を目指すことになる。
これにより、従来の品種改良では数十年を要していた検証期間の大幅短縮が期待され、技術の有効性検証と増殖体制の整備を経て、中長期的に既存ツリーからエリートツリーへの置き換えを促進し、有限の土地のなかで生産性向上と収量の安定化につなげていく。













