トーヨータイヤは2019年8月8日、ドイツのノルドラインベストファーレン州ヴィリッヒ市に、ヨーロッパで初の技術開発拠点「欧州R&Dセンター」を設立すると発表した。このR&Dセンターはヨーロッパにおける強固な技術基盤の構築、商品開発力の強化、次世代モビリティを見据えた対応技術の確立などを目的として、2019年秋に稼働する予定だ。
トーヨータイヤの活動
これにより、トーヨータイヤはアメリカ、日本、ヨーロッパのそれぞれに技術開発拠点を擁することになる。今後、このR＆Dグローバル三極体制により、技術・商品情報をR＆Dセンター間で共有するとともに、開発速度のスピードアップを実現して行くとしている。
なおトーヨータイヤは、2020年5月にセルビア共和国インジア市に新しくタイヤ工場の建設を着工し、2022年1月からタイヤ生産の稼働を始める計画だ。セルビア工場では最新鋭のスマート工場の確立を図る予定だ。それに先駆け、このR＆Dセンターを開設し、さまざまな素材調査をはじめ、最新技術や次世代モビリティに関わる情報収集、材料評価などを実施して行く。
ヨーロッパは一流自動車メーカーをはじめ、自動車関連企業も多数集積していることから、車両や市場の動きに関わる最新情報をタイムリーに入手できる利点がある。同センターはマテリアルリサーチ、技術開発を融合し、現地に新設する工場で高性能かつ付加価値の高いタイヤ開発・生産を担保していく機能を果たす。
また、今後セルビア工場の本格稼働に合わせ、配合開発や工法開発、評価やシミュレーションといった各種技術基盤を強化し、さらに戦略商品の開発を進めるため、R&Dセンターにとどまらずヨーロッパ域内においてR＆D機能の拡張も検討していく予定だという。
