ボルグワーナー最新技術説明会

グローバルサプライヤーのボルグワーナーは2026年5月27日、メディア向けに同社が展開する最新技術に関する説明会を開催した。

現在のボルグワーナーの製品ラインアップは、基盤的な製品群として内燃エンジン用のタイミングチェーン、トランスミッション、ECU、EGRシステム、4輪駆動システム、ターボなどがある。これらは従来のエンジン車だけではなく、ハイブリッド車のエンジン、駆動系にも採用されている。

一方、電動化車両向けの製品群は、インバータとその他のパワーエレクトロニクス、バッテリー類の熱管理システム、EV用ギヤボックス、駆動用モーター、商用車用LFPバッテリーなどがラインアップされている。もちろんこれらの製品はハイブリッド車用にも採用されている。

このように、従来型内燃エンジン車向けから、ハイブリッド車、EVまでをカバーする製品が世界各国の自動車メーカーに採用されている。その中で、今回は最新の製品の紹介が行なわれた。

【eターボ】
eターボはターボチャージャーと電気モーターを組み合わせたユニットで、かつてF1グランプリで使用されてきたMGU-Hと同様の機能を持っている。つまり、加速時にはモーターによりターボ回転数を高めて、より速くブースト圧を高め、その一方で減速時にはモーターにより減速回生が行なわれ、また最高過給圧以上で回生電力を引き出しバッテリーを充電することができる仕組みだ。

このeターボはターボラグをなくし、加速性能を向上させ、同時にウエストゲート・バルブが不要になる。また回生電力が得られるなどのメリットもあり、ハイブリッド用エンジン向けに最適とされている。

このeターボは現時点ではドイツの高性能車に採用されているが、今後は日本市場でも採用される可能性は高い。

【バッテリーセル冷却プレート】
EV、PHEVなどで重要なバッテリーの最適温度コントロールに欠かせないのがバッテリーセル冷却システムだ。ボルグワーナーは個別のバッテリーセルを効率的に冷却できるバッテリーセル冷却プレートを提供している。

このプレートは、円筒形バッテリー、角型バッテリーに対応でき、高効率な冷却液分配性能を備えている。

【ETMS(eトルク・マネージメント・システム)】
ETMSは極めてコンパクトなデファレンシャル用トルク分配システムとその制御ソフトウエアだ。このシステムによる左右のホイールに対する0~100%のトルク配分が自在に可能になり、コーナリング性能、安定性、駆動力の向上をはかることができる。

このシステムはすでにヨーロッパ車、中国車の市販モデルに採用されているが、日本では2025年後半からスバルのスーパー耐久レース用のレース車両のリヤデフに採用されたのが最初だ。

なお、この他にボルグワーナーは駆動トルクベクタリングが可能な「eTVD」もラインアップしている。

【S巻線電気モーター】
ボルグワーナーは従来からヘヤピン型巻線モーターをラインアップしているが、S巻線(波巻)モーターも展開している。従来からのヘヤピン巻線式と比べて巻線の溶接ポイントは90%も低減でき信頼性が向上するだけでなく、よりコンパクトなモーターとすることができる。またヘヤピン巻線式より静粛性が高いこともメリットだ。

ボルグワーナーは、今後も両タイプのモーターをラインアップしていくが、このS巻線モーターは日本市場ではハイブリッド車用として販売する予定だ。

【商用車向けLFPバッテリーシステム】
BYD傘下でLFPバッテリーを生産するファインドリーム・バッテリー社との協業により、ボルグワーナーは独自に生産、供給する体制を構築している。

このLFPバッテリーは、バス・トラックなど商用車、オフロードカー、船舶向けなど用途に応じたパッケージが供給できる体制となっている。

【高圧インバーター】
ボルグワーナーの高圧インバーターはフレキシブルなプロットフォームとすることで、ハイブリッド車からEVまで様々な車種に適合できるのが特長だ。そのため400Vから最新の800Vシステムに対応することができる。

使用するパワー半導体も、従来タイプのシリコン製IGBTから、SiC製MOSFETを選択できる。またインバーターユニットは両面液冷式で最高レベルの出力密度を実現している。

【データセンター用バックアップ発電システム】
ボルグワーナーは、クラウド、AIデータセンターの拡大に着目し、これに大規模データセンターやマイクログリッド(小規模電力網)用のバックアップ電源システムとしてモジュール式タービン発電機も開発している。

従来のバックアップ電源用発電システムにはディーゼルエンジンが使用されてきたが、それに比べて排ガス性能で優れ、出力、運転状況の柔軟性が優れているメリットがあるのだ。

また燃料も、軽油、プロパンガス、天然ガス、水素など多様な燃料に対応することができることも優位点となっている。

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ボルグワーナー 公式サイト

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