【試乗】新型シトロエン C3エアクロス ハイブリッド——3列7人乗りクロスオーバーへと劇的進化を遂げた第2世代の出来栄え

シトロエンC3エアクロス ハイブリッドを試乗してきた。

C3エアクロスは2019年に発売した「C3エアクロスSUV」の後継モデルで、2025年に欧州で発売になっている。国内には2026年7月から導入されているが、欧州ではEVもあるが、国内には1.2Lターボのマイルドハイブリッドモデルのみが投入している。

デザインとボディサイズの刷新——「可愛らしい」から「力強い」3列7人乗りへ

先代モデルからはガラッと変わった2世代目は、まずエクステリアデザインが「可愛らしい」から「力強い」に印象がかわった。シトロエンはそもそも個性的なデザインが特徴のひとつでもあり、力強い方向に変わっていても十分個性的ではある。しかし、先代モデルがデザインで人気を博しただけに、第2世代の反響は気になるところだ。

このエクステリアデザインの変更と同様にボディサイズもガラッと変わった。つまり大型化されたのだ。ポジションはB、ないしB+セグメントといった位置付けで変更はないものの、実質のサイズは全長4410mm(+250)、全幅170mm(+25)、全高1660mm(+30)、ホイールベース2670(+65)とCセグメントサイズまで大きくなっている。そして国内導入モデルは3列シート7人乗りになっているのだ。

SUVから実用的クロスオーバーへポジションチェンジ、変わらぬ「シトロエン伝統の乗り心地」

一方、インテリアは、シトロエンらしく、個性あふれるデザインでまとめられシトロエンを運転している気分は高揚する。ただ先代は、FFではあったがSUVを強調しており、オプションでグリップコントロールを装備していた。スノーやマッド、サンドといった路面状況に合わせてトラクションコントロールができたのだ。これらがオプション設定からなくなり、またネーミングからもSUVがなくなったことで、実用的な3列シートを持つクロスオーバーにポジションチェンジしたわけだ。

しかしシトロエンの矜持とも言える乗り心地に関しては変わらず、PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)は標準装備しており、アドバンスド・コンフォートシートのコンセプトは維持して、シトロエンらしい、ストローク感のある長い足を感じながらのドライブは健在なのだ。唯一、タイヤサイズの影響なのか、瞬間的な大きい入力はダイレクトに入ってくる傾向はあった。

新世代1.2Lターボ+48Vマイルドハイブリッド「EB2 Gen3」と6速DCTの走りと実燃費

パワートレインも進化している。先代がピュアテックの3気筒1.2LターボエンジンにEAT6のATを組み合わせ、WLTCモード14.7kmだったものが、今回マイルドハイブリッド化され大きく進化していた。エンジンは同じくEB型1.2Lの3気筒エンジンだが、マイルドハイブリッドと組み合わせるコトで、第3世代へと進化し、EB2Gen3になっている。またトランスミッションもATから6速DCTへ変更されており、WLTCモードは19.6km/Lまで改善されているのだ。

これが試乗してみると、発進時やエンジン負荷の小さい領域ではEV走行もする。しかもかなり頻繁に行われ、高速道路の巡航時でもEVになる瞬間があるのだ。当然、静粛性は高まり上質な印象を受けるが、不思議なことに聞こえてくるエンジン音も楽しくなるからシトロエンの不思議があるのだ。

ちなみにエンジンは136ps/230Nmで、モーターが20ps/51Nmというスペックで、ボディサイズを考慮しても十分なトルクがあるので、扱いやすい。特に低速走行の多い市街地はEV走行も交えながら走行するので、先進感を得ながら力強く走ることも可能だ。

実際の走行燃費では14.5km/Lで先代のカタログ燃費と同等だったが、テスト走行ということもあり、アクセル全開や中間加速のテストや発進加速のチェックなども行なっている中での燃費なので、もう少し丁寧なドライブであれば、カタログ値に近いデータになると思う。

シートアレンジでは2列目、3列目を倒すとフルフラットになるので、カーゴスペースとしては大きなサイズまで搭載可能になる。3列目の使い勝手では、大人2名は短距離ならOKだ。やはり、そもそものベースサイズがコンパクトなので、窮屈さは否めない。子供であれば問題なさそうではあるが。

グローバル戦略車ゆえのADAS(運転支援)の割り切りと市場での評価

それと運転支援系の装置もシンプルになっている。前走車追従型が一般的になりつつあり、車間距離も自動調整され、渋滞時の停車からおおむね30秒以内であれば、自動で再スタートする機能を搭載するモデルが普及しつつある。しかし、このC3エアクロス ハイブリッドは旧来の車速固定型のクルーズコントロールなのだ。

だから、前走車に近づいても減速はしないからドライバーがブレーキを踏む必要がある。だから渋滞時には利用できないタイプのACCというわけだ。

このモデルは南米も含めたグローバル戦略車であるが、オペル、フィアットとも兄弟車での展開をしており、新興国へも積極的に輸出する狙いを背負っている背景がある。したがって、多人数乗車ができつつも、最新のADAS機能を搭載しても道路環境が整備されていないケースも多々想像できるわけで、そうした状況からのミニマルな装備という判断になっていると思う。

ということで、乗り換えユーザーが、こうしたADAS機能を積極的に使いこなしているユーザーには物足りなさを感じてしまうだろう。逆に、装備されていても利用しないユーザーもそれなりには多いとも想像でき、実際の市場ではどう評価されるのか見てみたい。

◆試乗車スペック
C3 AIRCROSS MAX HYBRID
4410mm、全幅170mm、全高1660mm
ホイールベース2670
FWD
WLTCモード 19.6km/L
市街地モード 14.2km/L
郊外モード 22.2km/L
高速道路モード 21.5km/L
試乗走行距離 323.3km
平均実燃費 14.5km/L
直列3気筒ターボ+マイルドハイブリッド
6速DCT
215/60R-17(全輪)

諸元

価格(税込み)

C3エアクロス PLUS ハイブリッド:399万9000円
C3エアクロス MAX ハイブリッド:435万円
試乗車価格 453万8980円(オプション代18万8980円込み)

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