BYDは、BセグメントのEVクロスオーバーSUV「ATTO 2」を1月のブリュッセルモーターショー2025で発表している。
このATTO 2はBYDのヨーロッパ向けラインナップで最もコンパクトで、低価格であり、2025年中にデビューが予定されているフォルクスワーゲンのコンパクトEV「「ID.2all」の機先を制する存在と考えられる。
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ATTO 2のベースは、中国市場ではBYDの王朝シリーズの「元(ユァン) Up」だ。「元(ユァン) Up」は2024年春に生産が開始され、9月からは海外向けモデルの輸出が開始されている。輸出先は南アフリカ、中米諸国で、それぞれ独自の車名が与えられている。そしてヨーロッパ市場向けはATTO 2の車名で登場した。おそらく日本市場にも、このATTO 2になると考えられる。
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ATTO 2はBYDの最新のe-プラットフォーム3.0を採用しており、搭載するバッテリーはLFPのブレード・バッテリーだ。そしてC2B(セルtoボディ)構造で、床面のバッテリー・パッケージがフロアの構造体となり、その上にアッパーボディが架装されているため、低重心かつ高剛性なボディになっている。
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ボディサイズは全長4310mm、全幅1830mm、全高1675mm、ホイールベース2620mm。車両重量は1570kg。最低地上高は165mm。SUVタイプに多いB+セグメントのサイズだ。最小回転半径は5.25mと都市部でも取り回し性は優れている。
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また、ラゲッジ容量は400L、リヤシートを折りたたむと1340Lに拡大され、十分な利便性を備えている。
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前輪駆動で、モーター出力は177ps(130kW)、最大トルクは290Nmで、0-100km/h加速は7.9秒、最高速度は160km/hというスペック。モーターはインバーターや、各種制御ユニット、減速ギヤなどを一体化させた最先端の8in1構造のe-アクスルになっている。
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バッテリー容量は、中国市場では32kWh、45.1kWhの2種類が設定されているが、ヨーロッパ市場では45.1kWhのみ。航続距離はヨーロッパWLTPモードで312km。日本のWLTCモードでは約350kmと想定される。
充電は、ヨーロッパ向けのためCCS2規格で、普通充電は最高11kW、急速充電は65kWに対応している。急速充電ではバッテリー残量が30%から80%までが28分となっている。
サスペンションは、フロントがストラット式、リヤはトーションビーム式だ。そして運転支援システムはアダプティブクルーズ・コントロール、レーンキープアシストなどを装備。
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インフォテイメント、コネクト・サービスも上級モデルと同等レベルになっており、8.8インチのメーターディスプレイ、回転式の12.8インチ大型センターディスプレイも装備している。
デザインは、ウルフガング・エッガーが率いるデザインチームが担当し、フロントマスクはドラゴン・フェースを採用。このドラゴン・フェースは王朝シリーズのテーマだ。ボディはフローティングルーフデザインで、広い全幅に合わせて横バー式リヤ・ライトを備え、クリアで、軽快、そして質感の高さを感じさせるデザインになっている。
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なお、ATTO 2の日本導入時期は未定だが、もし導入されれば当然ながらATTO 3より低価格であり、センセーションを巻き起こすはずである。
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