2026年のニュルブルクリンク24時間レースは5月15日(金)予選を終了し、いよいよ明日から24時間レースの決勝がスタートする。
今回はF1パイロットのマックス・フェルスタッペンが参戦したこともあり、入場チケットは完売。水曜日の段階で観戦エリアのキャンプサイトはぎっしりとテントで埋め尽くされていた。またエントラントも過去2番目に多い161台のエントリーがあり、コース上もぎっしりと埋まった状況になっている。

SUBARU/STIのWRX S4は順調に準備を進めており、先月行われた予選レースでは井口卓人はWRX S4の最速ラップタイム記録を破り、8分43秒021マークしている。これまでは8分52秒台が最速で、次のステップの目標としていたタイムは8分48秒台だった。それを5秒も上回るタイムを記録しているのだ。

その秘密を沢田拓也監督に話を聞くと「辰己さんの時は吸気リストリクターのサイズが39φでしたが、2025年は41φに拡大しました。そのため最低重量がワンランク上の制限になるのですが、もともと最低重量より重かったので、そこの影響はありませんでした。それで、リストリクターサイズをアップして、出力アップはできたのですが、敢えて馬力は変更せず、39φの時と同じ過給圧にして、燃費が良くなる方向でセットアップしていました」


というわけで、8分48秒台を目標値としていたわけだ。しかし「2026年は41φの吸気に対してフルブーストをかけるセットアップにしたため、出力がアップしています。その分、タイヤや他のパーツ類、熱管理などに影響が出ますが、そこを対策して臨んでいます。そのため、井口は大幅にラップタイムを更新することができました」というわけだ。
簡単に言えば、従来よりパワーアップしたので、タイムを縮めることができたわけだが、沢田監督が言うように他のパーツ類に影響があるため、この24時間レースでは39φ時の過給圧に戻して参戦しているのだ。というのは、41φ仕様で走った4月の予選レースでは4速のギヤを破損していたのだ。やはりトルクがかかるので、そうしたトラブルも出てしまうとい言うわけだ。





しかし、本番レースではブーストボタンを設定しており、通常は39φ仕様でレースを展開するが、状況によっては41φ仕様のブーストに変わるスイッチを作ったというわけだ。いわばパワーアップボタンを隠し持っている状況なのだ。
迎えた予選ではカルロ・ヴァン・ダムが9分02秒568でSP4Tクラスのトップタイムをマーク。39φ仕様でもトップが取れたのだが、じつは思わぬ伏兵がいた。

#50の「VW Golf GTI Clubsport24h」だ。なんとカルロから0.52秒差の2位につけている。じつは前日の予選ではこのゴルフGTIがトップで、WRTX S4は2番手だったのだ。前日は雨が降ったり止んだりで、なおかつコース上でのイエローフラッグもあり、完全なクリーンラップで走行できたのは佐々木孝太だけで、そのときのタイムが9分06秒239だったのだ。
2026年のSP4Tクラスには5台のエントリーがあり、VWゴルフが2台、それとヒョンデからNブランドの「Elantra N TCR」が2台エントリーしている。そしてそのヒョンデとはピットボックスを共有している。
今季のNBRはWRX S4のアップデートにより、クラス優勝はもちろん、上位クラスをオーバーラップし、かつ総合順位の過去最高位を目指している。そして最多周回数ももちろんその目標のひとつにはなっているのだが、VWゴルフはGTI誕生50周年の年でもあり、本気モードで参戦しているようなのだ。
これはクラス優勝するには、足元の状況をしっかり見極めながら更なる上位を目指すとうスタンスで挑む必要がありそうだ。ワンミスで順位が入れ替わる可能性もあり、気の抜けない決勝レースとなりそうだ。
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