トヨタ プラドの後継「ランドクルーザー 250」発表 ランクル70は国内復活へ

トヨタは2023年8月2日、クロスカントリーSUV「ランドクルーザー 250」を世界初披露した。この発表会は世界に向けて発信され、世界各地域で混在しているランドクルーザー・ブランドの再発信する意味も与えられている。

日本市場に向けては、従来のランドクルーザー プラドは、このニューモデルからランドクルーザー 250という車名に変更され、さらに日本で現在は販売されていないランドクルーザー 70が今冬に再び販売を開始することも発表された。この結果、日本ではランドクルーザー J300、ランドクルーザー 250、ランドクルーザー 70の3車種のラインアップが構築されることになる。

ランドクルーザー・シリーズ。左からラグジュアリーワゴン「300」、ヘビーデューティ・クロスカントリー4WD「70」、新開発のコア・モデルとされるライトデューティSUV「250」

ただ、ランドクルーザー プラド/250は日本市場よりはグローバル・モデルとして、特にアメリカ、中国という大市場で「ランドクルーザー」として再出発することに大きな意義があるということができる。アメリカ市場では2021年に旧モデルの200型の生産終了以来ランドクルーザーの車名は存在しなかったが、再び今回の新型をランドクルーザーとして投入することになるのだ。

そしてトヨタとしてはランドクルーザー・ブランドは、中東地域と北米での頂点のレクサス LX、中東地域の富裕層の間で確固としたシェアを持つラグジュアリーワゴンSUVのランドクルーザー J300、グローバル市場で展開するクロスカントリーSUVのランドクルーザー 250(北米や中国では「ランドクルーザー」の呼称)、そしてグローバル・モデルのヘビーデューティ・クロスカントリー4WDのランドクルーザー 70というポジショニングがより明確になったのである。

今回発表された250シリーズはプラドの後継モデルで、ランドクルーザーの最量販モデルとされ、コンセプトとしては原点回帰、質実剛健を追求し、ユーザーの生活と実用を支えるという原点に回帰したモデルであり、デザイン面でもレトロなテイストを盛り込んでいる。

プラットフォームは、J300から採用された新開発のラダー・フレームであるGA-Fプラットフォームをベースにリヤ・オーバーハングを短縮するなどして採用し、3列シートのレイアウトが実現している。GA-Fプラットフォームとすることで、従来型比でフレーム剛性+50%向上、車両全体の剛性としては+30%向上と大幅に剛性を高めている。

ボディサイズは、全長4925mm、全幅1980mm、全高1870mm、ホイールベース2850mmで、従来のプラドより一回りサイズアップされている。

サスペンションはフロントはハイマウント式ダブルウイッシュボーン、リヤはトレーリングリンク式リジッドだ。また極悪路で大ストローク時のホイール接地性を向上させるため手動スイッチ式スタビライザー断続システムも採用している。

ダンパーは可変減衰力式システムを採用し、オフロード用、オンロード用をシフトレンジのL4/H4により制御内容を切り替え、各センサーからの信号を元に4輪それぞれのショックアブソーバー減衰力を適切に調整できるようになっている。また悪路用のL4モードでは、モーグルなどで2輪立ちをした場合でも車両を安定させるための制御が行なわれる。

なお走行モードは、オート、ダート、サンド、マッド、ディープスノー、ロックの6モードが設定され、駆動力、ブレーキ、サスペンションが自動調整される。

ステアリング系は運転支援システムを採用するため初の電動パワーステアリングを採用している。その結果、レーントレーシングアシスト機能を始め、トヨタ・セーフティセンスを搭載している。

パワートレインは、仕向け地に合わせて5種類が設定されている。北米、中国はディーゼルエンジンは不適合のため、2.4Lの高出力ターボ・ガソリンエンジンのT24A-FFTS型+パラレル式ハイブリッド、縦置きエンジン用8速ATと組み合わされ、動力性能、2.7トンの牽引性能、低燃費性能を両立させている。なおモーターと湿式クラッチは8速ATの前端に格納されている。

またヨーロッパ、オセアニア向けは高出力ディーゼルの2.8L・4気筒の1GDーFTV型エンジン、ベルト駆動式48Vスタータージェネレーター、8速ATを組み合わせて搭載。

日本仕様は48Vシステムなしの1GD-FTV型ディーゼルと8速ATの組み合わせ、ガソリンエンジンの2.7L・4気筒の2TR-FE型と6速ATというエントリー仕様をラインアップしている。

なお、新型ランドクルーザー 250は、日本では2024年初頭に発売の予定となっている。

■ ランドクルーザー 70
ランドクルーザー 70は1984年にデビューした、警備車両、建設現場、山岳地、道路不整備地域向けのヘビーデューティ4WDモデルだ。日本では2004年に販売が停止され、2014年~2015年に限定モデルとして一時復活したがその後は再び販売されることはなかった。

しかし海外ではこれまでも改良を加えながら継続販売されており、ホイールベースはこれまでショート2310mm、ミドル2600mm、セミロング2730mm、ロング2980mmなど用途に合わせて展開されてきた。

そして今回、今冬に継続販売モデルとして国内で復活することが発表された。もちろんクラシックモデルのため、現在の保安規準、排ガス規則などに適合させるための改良が加えられている。搭載されるのは2.8Lの1GDーFTV型ターボ・ターボエンジン(204ps/500Nm)と6速ATの組み合わせとなる。

70型のボディサイズは、全長4890mm、全幅1870mm、全高1920mm、ホイールベース2730mmとなっている。

プラットフォームは従来からのラダーフレームで、サスペンションはフロントが3リンク/コイルスプリングのリジッド、リヤはリーフスプリングのリジッドで、悪路走行性能を最重視したモデルとなっている。

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