トヨタ自動車およびアイシン精機は5月24日、マニュアルトランスミッション(MT)事業の競争力強化を目指し、トヨタの子会社であるフィリピントヨタ自動車部品(TAP)へのアイシンからの出資比率を34%から61%に引き上げ、アイシンの子会社とすることに合意。今後はアイシンが主体となってTAPの事業運営を行い、社名を「トヨタ・アイシン・フィリピン株式会社」に変更する。
トヨタとアイシンは、2014年11月に「アイシンの100%子会社であるアイシン・エーアイ、トヨタの2社にまたがるMT関連機能をアイシン・エーアイに集約し、リソーセスの最適配分、競争力強化を目指していく」ことに合意。量産車向けMTの開発機能、および国内生産の集約・移管を2017年1月までに完了した。海外でのMT事業についても、2016年1月にアイシンがTAPに一部資本参加し、事業運営に参画してきた。
TAPは今回の変更により、グローバルに業界屈指の技術力、トランスミッションラインアップを持つアイシンの子会社として、その専門性や知見を活用しながらいっそう効率的に生産すべく取り組んでいく。具体的にはアイシン・エーアイの拠点からMT生産の一部をTAPへ集約して稼動率を高め、さらには約12億フィリピンペソの投資を行い、今までの技術・ノウハウを活かしながらオートマチックトランスミッション部品の生産も新たに開始することで、トランスミッションの競争力強化に向けた取り組みを加速させ、TAPの事業拡大を目指す。
TAPはこれまで、トヨタにおけるMTのグローバル供給拠点の一つとして高品質なMTを生産してきた。また、2008年に約56億フィリピンペソを投じて生産能力増強を行うとともに、2015年に約25億フィリピンペソを投じて新型6速MTの生産を開始するなど、フィリピンで着実に投資、雇用、事業を拡大してきた。トヨタとアイシンは、今後もパワートレインの最適な生産体制の構築や新製品開発などで連携をさらに強化し、グループ一体となってパワートレイン事業の競争力向上を推進していく。
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