ホンダ四代目フィットは感性価値を持った絶対的エース

剛性感としなやかさを狙った乗り心地

Aピラーを極細とし、衝撃吸収はロワメンバーからAピラーへ逃す従来の方法から、ロワメンバーからダッシュアッパーサイドメンバーへ力を伝えるという伝達経路を変更することで、Aピラーの極細化を実現している。

ホットプレス材を使うなどしてボディ全体の剛性を上げ、衝突エネルギーの伝達経路を変えて極細A
ピラーが完成している

ホットプレス材を使うなどしてボディ全体の剛性を上げ、衝突エネルギーの伝達経路を変えて極細A
ピラーが完成している

そしてホットプレス材の1500MPa級の鋼材を使い、ボディ全体の剛性をアップさせている。またNVHにも配慮し、ダッシュボードロワと言われるトーボード面を0.8mm厚から1.4mmまで厚さを上げて、NVH対策と剛性向上をしている。これはいわゆるバルクヘッドと言われるエンジンルームとキャビンとの隔壁の板厚をあげているということだ。

バルクヘッド。ブルーの板厚を変更することで、ボディ剛性向上とNVH対策としている

バルクヘッド。ブルーの板厚を変更することで、ボディ剛性向上とNVH対策としている

シートも新開発されている。現行と新型では使っているウレタンの硬さが手で触るだけで硬さが異なっていることがわかるほどで、厚さも30mm厚くなっているという。もちろんフレームの変更ができているので、こうしたスポンジの変更も可能にしているのだ。

シートは面構成することで骨盤をさせる新設計。ウレタンもソフトは低反発系を採用している

シートは面構成することで骨盤をさせる新設計。ウレタンもソフトは低反発系を採用している

新型フレームは、面構造のフレームが人の骨盤を支えるようにしてあり、長時間でも疲れないシートを実現している。またリヤシートも従来通りダイブダウン、チップアップという使い勝手を活かしながら、座面のパッド厚をあげることができており、アコードクラスのソファ的な座り心地のよいシートに仕上げている。

細部をチューニングしたサスペンション

サスペンション形式でフロントはストラットでリヤはトーションビーム構造。ボディ剛性を上げることができたため、サスペンションも動くアシとして設計をし直している。冒頭書いたようにフランス車を研究したというように、比較的ロールはあるほうだ。とはいえ高速走行での安定感はしっかりある仕上がりになっていた。

動くアシとは、入力のいなし方を工夫していることだ。シビックではすでに採用しているが、コンパクトカーには初採用の入力分離タイプのダンパーをクラス初採用している。

リヤダンパー取り付け方法を2点留めに変更し、入力分離タイプの構造を採用した

リヤダンパー取り付け方法を2点留めに変更し、入力分離タイプの構造を採用した

従来、リヤサスペンションで小さい入力はダンパーで減衰したものを、ラバーを通してボディに伝えていたが、ラバーをしめあげてしまうので、フリクションとして感じてしまい、美味しいところが使えていなかったという。それをボディ構造の一部を変えて、ダンパートップを2点締めに変え、アルミの分厚いブラケットを使って剛性を上げる方法に変更している。そうしたことで、ラバーを締め上げることなくきちんと減衰させることができたということだ。

こうした変更はボディ剛性が高まったことから可能となったことで、その結果、フロントも従来スプリングのフリクションが高かったというが、そこも今回動かせるようになったという。

フロントのスプリング配置をオフセットさせたレイアウトにすることで、横力の影響を受けずに縦方向の減衰がきちんとできるようになったという。またスタビライザーのブッシュにも工夫を凝らし、横ずれ防止のブッシュストッパー構造として、ロワアームブッシュのヒスを防ぐためにカラーを追加し、しなやかさを作り出すといった細かなチューニングが行なわれている。

装着するタイヤは15インチと16インチがあるが、15インチは転がり抵抗を重視した仕様で、上記の乗り心地への配慮や工夫をした効果を感じるのは16インチのほうだと説明されたが、こうしたあたりは、実際の公道で走行してみないと評価できない。次回は公道試乗レポートをお伝えしよう。

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