【スーパー耐久シリーズ 2023】ハンコックの大規模火災を受け、ブリヂストンがタイヤを供給へ

スーパー耐久レース・シリーズを統括するスーパー耐久機構(STO)は2023年4月24日、今シーズン第2戦となる「富士24時間レース」から公式タイヤのハンコックに代わり急遽ブリヂストンがタイヤを供給することを発表した。

既報のように、スーパー耐久レース・シリーズは、現在は韓国ののハンコック・タイヤが公式タイヤとなり、ワンメイク供給を行なっているが、2024年からはブリヂストンが公式タイヤに変更されることが発表されていた。それが急遽前倒しで「富士24時間レース」からブリヂストン・タイヤが採用されることになったのだ。

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この変更はハンコック・タイヤの韓国・大田工場での大規模火災の影響によるものだ。4月12日夜にハンコックタイヤ大田工場の第2工場の加硫工程のラインで火災が発生。第2工場と第3倉庫が全焼するに至った。第2工場と第3倉庫に保管されていた21万本のタイヤも焼失してしまった。

ハンコック大田工場は年間2300万本のタイヤを生産するアジア最大規模の工場だ。第2工場は全焼状態のため再稼働までは相当な時間がかかる見通しとなっている。このためハンコックは生産可能な大田第1工場、韓国の錦山(クムサン)工場、海外では中国の3ヶ所の工場と米国、ハンガリー、インドネシアに各1ヶ所の生産拠点で生産力をカバーする予定だ。

またスーパー耐久レース用のタイヤに関しては、タイヤ供給まで最低でも1年半以上を要するとの判断となった。スーパー耐久用のレースタイヤは、従来、数戦分の在庫を日本に確保していたが、今シーズン初めから性能向上のために、ドライ用、ウエット用タイヤのスペックを変更したため、当面フル生産をして在庫を積み上げている最中にあった。

そのため、富士24時間レースで使用できるタイヤ本数に限りがあり、急遽2024年からの公式タイヤ・サプライヤーに決定していたブリヂストンが緊急で対応し、富士24時間レースからブリヂストン・タイヤが投入されることになったのだ。

富士24時間レースは、24時間耐久レースのため多数のタイヤが消費されるが、ドライ用タイヤはブリヂストンの供給、ウエット用タイヤは在庫があったためハンコックの供給となる。またST-4、ST-5 クラスは、スリックタイヤの供給が可能となるまで、市販ラジアルタイヤ「ポテンザ」が供給される。

4月28日に行なわれる富士24時間レース・公式テストデーは、一部の走行時間を短縮して開催される。ここではST-XからST-3クラスまでは、ハンコックのドライ用タイヤを使用し、ST-4、ST-5クラスは、ポテンザ・タイヤが使用される。

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