新型プジョー508は、国内輸入車市場ではBMW 3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4などドイツ製プレミアム・モデルがシェアを占めているDセグメントに挑戦するフランスのモデルという点でも注目すべき存在だ。新型508は、プジョーがグランドツーリングカー・セグメントに挑戦するために開発したニューモデルで、ダイナミックさとエモーショナルさを融合させた新しいデザインのフラッグシップモデルだ。
美しいプロポーションのファストバックスタイル
プジョー・シトロエン・ジャポンは2019年3月20日にフラッグシップ・モデルの新型「508」の日本仕様を発売し、デリバリーを開始した。新型508は、2018年11月1日にオンラインで限定60台の導入記念限定車「508 ファーストエディション」の予約受注を開始したが、今回から正式の発売となる。
新型508のデザインは、個性と流麗なデザインを融合したファストバック・スタイルが特長で、エレガントさ、優雅さ、質感の高さが表現されている。
サッシュレスのウィンドウグラフィックはエレガントで、なめらかなボディサイドを際立たせている。クーペのようなデザインで、しかもリヤにはハッチゲートを備えている。リヤビューを飾るテールライトはLEDにより3本の赤い爪のようなラインが浮かび上がる。
新型508はフラッグシップモデルに相応しいプロポーションと、広い居住空間、そしてクラストップレベルのラゲッジスペースを実現するため、ボディサイズを全面的に見直している。ホイールベースは2800mm、全長は4750mm、全幅は1860mm、全高は1420mmで、フラッグシップに相応しい均整のとれた、美しいプロポーションを実現している。
プジョー式インテリアデザイン
インテリアはファーストクラスのクオリティにこだわり、極めて上質な仕上げになっている。プジョー・コックピットにふさわしく、小径のステアリングホイール、中央の8インチタッチスクリーン、12.3インチのデジタルヘッドアップディスプレイなどにより上質かつ先進的だ。ヘッドアップディスプレイは6種類の表示モードを持ち、オーナーの好みに応じて選択できる。
中央のタッチスクリーンはインテリアのデザインと一体化され、その下にピアノのキーのような7つのトグルスイッチを配置。物理的なトグルスイッチで、ナビゲーション、空調、ラジオなど主要な機能にはダイレクトにアクセスできる。
もちろんタッチスクリーンはApple CarPlay、Android Autoなどスマートフォン接続機能を持つ。なお日本仕様のカーナビゲーションとしてタッチスクリーン専用ナビゲーション+ETC2.0を標準装備している。この他にワイヤレス・スマートフォン充電器も装備している。
なお、GT Line、GTには最上級の装備を集めたフルパッケージオプションが設定されている。ナッパレザーシート(ブラック)、パノラミックサンルーフ、ナイトビジョン、フルパークアシスト&360度ビジョンがセットになっている。
ディーゼルとガソリン+8速AT搭載
新型508はCO2排出量クラス最小レベルで、強力なトルクを発揮する2.0LのクリーンターボディーゼルBlue HDiと、ダウンサイジング1.6L直噴ターボガソリンエンジンのPureTechをラインアップ。1.6L・4気筒直噴ターボエンジンはツインスクロールターボチャージャーや連続可変バルブタイミングシステム、最新の燃料噴射などを組み合わせ、180ps/250Nmを発生する。
NOx対策にアドブルーを使用する2.0Lディーゼルターボは177ps/400Nmを発生する。トランスミッションは、新型の8速ATを搭載。摩擦抵抗を最少化し、スムーズなシフトチェンジと優れた静粛性を実現。また2〜8速のロックアップ領域を広げ、よりダイレクトなドライブフィールとクイックなシフトレスポンスを実現している。燃費は2.0LディーゼルターボはJC08モードで18.3km/L、1.6LガソリンはJC08モードで14.1km/Lとなっている。
安全と先進装備
プラットフォームは新世代の「EMP2」をベースとしており、軽量・高剛性のボディ骨格を採用。フロントフェンダー、フロントサスペンションはアルミ製、テールゲート、トランクフロアには強化樹脂を採用するなど、軽量化を図っている。また衝突安全性能もユーロNCAPで最高評価を受けるなどクラストップレベルにある。
フロント・サスペンションはストラット式を採用。リヤ・サスペンションはマルチリンク式で、優れたスタビリティを発揮する。また、スプリングとダンパーのレイアウトに工夫を凝らし、、乗り心地を損なうことなくリヤ・サスペンションをコパクトにまとめ上げている。さらに4モードが選べる電子制御アダプティブ・サスペンションを装備し、高次元のロードホールディング、しなやかでいながら腰のある乗り心地と軽快なハンドリングを両立させている。
新型508は先進運転支援機能(ADAS)も大幅に進化。第2世代のアクティブセーフティブレーキを装備し、2輪車および夜間での検知精度をアップ。加えて接近警報も備えている。アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)も装備し、高速道路における同一車線内走行を想定した運転支援機能に加え、前車が完全停止した後3秒以内に再発進すればアクセル操作なしで追従する。
3秒以上経過した場合はワンアクションで設定速度まで回復。渋滞時の加減速にも対応できる。またレーンポジショニングアシストは左右の車線内の位置を選び、その白線から一定の距離を保ったまま走行可能。白線との距離に応じて進路修正をするため、滑らかな補正ができるようになっている。
もちろんレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、インテリジェントハイビーム、道路標識インフォメーション、さらにオプションとしてナイトビジョンも設定されている。
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なお新型508のシリーズとして、今夏にはステーションワゴン版の508SWの発売が予定されている。さらにプラグインハイブリッドも導入予定とされている。