「ダイハツ ロッキー」と「トヨタ ライズ」5ナンバーのSUV【試乗記】(1.0L3気筒ターボ+CVT)

4WDモデルが秀逸

乗り心地はSUVらしさを求めてやや固めの設定だ。そのためコーナリングでのロールも少なく、ピッチングもよく抑えられ、ブレーキを掛けたときのアンチダイブ効果も高くフラットな乗り心地といえるが、荒れた路面ではボディの動きの収まりがもう少し欲しい。

「ダイハツ ロッキー」と「トヨタ ライズ」5ナンバーのSUV【試乗記】

17インチのタイヤは16インチより少しゴツゴツ感が強まる。標準装着タイヤで比べる限り16インチサイズの方がバランスが良い感じだ。

ところが、「G」グレードの4WDモデルに乗ってみると17インチでもバランスが良く、乗り心地、接地感も1枚上手だ。当然ながら4WDモデルはFFモデルより約70kg重く、リヤの荷重も大きい。さらにリヤ・サスペンションの構造も専用で、それが結果的に乗り心地や接地感の良さにつながっているのだろう。

4WDモデルは、新開発の「ダイナミックトルクコントロール4WD」で、ジェイテクト製の電子制御カップリングを採用し、走行条件に合わせて自在にリヤの駆動力を可変制御するシステムになっている。

メーターパネルにある駆動力配分のモニターを見ると、ドライ路面でも発進加速、急加速、コーナリング時などに瞬間的にリヤに駆動力が配分されるなど、積極的に作動していることがわかる。雨天などではよりリヤの駆動力配分がアップするはずだ。

4WDモデルはリヤのアンダーフロアのラゲッジスペースがFFモデルより少し浅いものの、乗り心地や車体の動きのバランス、巧妙な4WDシステムをなどを考えると、FFモデルを上回る付加価値があると感じた。

コネクト機能も新たな魅力

ダイハツはこのロッキーから、新開発の「ダイハツ・コネクト」を導入している。試乗車はオプションの9インチ・ディスプレイ・オーディオを装備しており、SDL、Apple Carplayによりスマートフォンの連携が可能だ。そのためナビゲーションもスマートフォン・アプリのナビを使用でき、音楽、ストリーミング、SNS、ニュースや天気予報、情報検索なども利用できるなど、従来のカーナビ装備より、はるかに高機能になっている。

ディスプレイ・オーディオとスマートフォンを接続。Lineカーナビを起動した状態。ナビ画面は9インチ・ディスプレイに表示される
ディスプレイ・オーディオとスマートフォンを接続。Lineカーナビを起動した状態。ナビ画面は9インチ・ディスプレイに表示される

さらに事故や故障時に対応する「つないでサポート」や、ドライバーの状況を家族などの見守り者にメール送信する「見えるドライブ」、駐車位置情報やガソリン残量などクルマの状況を記録し、スマートフォンで確認できる「見えるマイカー」、そして車検や点検時期をディスプレイに表示し、メール送信により告知する「つないでケア」の機能を搭載。

またオプションのデイスプレイ・オーディオ、またはナビを装着すると車内Wi-Fiサービスも1GB/月を無料で提供されるなど、従来のこのクラスでは考えられない、コネクト機能を利用することができる点も大きなアピールポイントだ。

なおライズはトヨタ仕様のコネクト機能を装備し、ディスプレイ・オーディオを選択するとSDL規格のスマートフォン連携が可能になっている。

ステレオカメラを採用した新世代スマートアシスト
ステレオカメラを採用した新世代スマートアシスト

安全装備としては、新世代のスマートアシスト、「G」グレード以上は全車速追従ACC、レーンキープアシストなども含むスマートアシスト・プラスが装備されるなど充実している。

ロッキーとライズは5ナンバーならではの取り回しの良さ、機動性、経済性の高さに加え、安全装備、コネクト機能の充実でも、これまでのクラスの常識を越えるレベルに達していることは評価すべきである。<松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

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