スバル 新社長に技術系出身の大崎篤氏就任へ

スバルは2023年3月3日、取締役会を開催し中村知美社長に代わる新社長として大崎篤氏が選任された。6月に開催予定の定時株主総会とその後の取締役会で正式に社長に就任する。

新社長に就任する大崎篤氏(現取締役専務執行役員・製造本部長)

なお、これまでの中村社長は取締役会長に就任する。中村氏とその前職の吉永泰之氏は営業職、経営企画部を経て社長に就任しているが、新社長となる大崎氏は東京農工大学大学院・工学研究科出身で、商品企画、技術本部、品質保証本部、製造本部を渡り歩き、スバルとしては久しぶりの技術系出身の社長となる。

大崎氏は2016年に執行役員、2018年に常務執行役員、2019年に専務執行役員、2021年からは取締役専務執行役員・製造本部長を歴任。2017年に発覚し、翌年拡大した完成車検査における無資格員検査、燃費検査と排ガス検査でデータ書き換え問題などに対応し、投資が行なわれず老朽化していた生産体制、完成車検査体制の再構築に取り組んだ実績がある。

取締役会長に就任する中村知美現社長

電動化技術の方向性、日本でEVを生産しアメリカに輸出するとしても新たにアメリカで施行されるIRA法(車体組み立て、バッテリー生産の現地化と中国産の素材の排除で初めてEV補助金が受けられるという国内重視の法律)の高いハードルなど、目前に迫る課題に挑むことになる。

こうした課題に向けて、大崎新社長は2023年夏にも新たな中期経営計画を発表するとしている。

またスバルは4月1日から組織変更により、技術本部から新たにCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)室を独立させ、実務から距離をおいた環境で、より経営に近い立場で技術戦略の構築、製造・調達をはじめとするモノづくり全般の戦略企画を行なうことになった。

CTO室長は藤貫哲郎専務執行役員で、CTO、技術本部、技術研究所を統括する職務を担当する。藤貫哲郎CTOは、シャシー性能開発、研究実験センター長などを歴任した経歴を持っている。

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