【マツダ】この乗り味が新しいマツダか マイルドハイブリッド搭載CX-5デビュー[公道試乗レポート]

マツダCX-5が第3世代になって発売された。CX-5は2012年に初代が発売され、2017年に2代目、そして今回が3世代目となったが、これまでの累計販売台数は500万台とマツダの中核を担うモデルに成長している。

昨年はマツダの国内乗用車販売の1/4を占め、グローバルでも約33万台を売る人気モデルだ。

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そのフルモデルチェンジにあたり、気にしたことはマツダの開発哲学「人馬一体、魂動デザイン、人間中心」を基本にしつつ、ユーザーから求められているものは何か? 製造者側の独りよがりにならないか? に気をつけたと開発責任者の山口浩一郎氏は語る。

新型CX-5は直列4気筒のガソリンエンジン、スカイアクティブ-Gを搭載したマイルドハイブリッドだ。2027年中にスカイアクティブ-Zを搭載したフルハイブリッドの発売を予定しているが、現状のパワートレインは、このMHEV一択になる。そして国内にも普及する予定のE10燃料にも対応済みとしている。出力は131kW=178ps/6000-6200rpm、237Nm/3800-4000rpmで、WLTCモード燃費の平均はFFが15.2km/L、AWDは14.2km/Lとなっている。

グレード構成はエントリーが「S」で、上位に「G」トップグレードに「L」という3段階で、パッケージオプションを選択することで、自分の好みに仕上げることができる。このパッケージオプションのベースの考え方として、外観を変えたい、機能を変えたい、使い方にプラスしたいといった領域に分類し、選択できるようにしている。そうすることで、ユーザーニーズに応えていくとしている。

しかし、これは販売、製造側の都合が濃いと感じるわけで、実際はすべてのオプションパーツが個別に選択できるのが、もっともユーザー視点に立った販売方法だと思う。自分の好みがうまく選択できない人にはメリットになるが、こだわりのあるユーザーからすると、どこかで妥協しなけらばならないのがパッケージオプションだ。

さて、新型CX-5には公道で試乗をする機会があったので、さっそくお伝えしていくと、これまでのマツダ車のイメージとは異なっている印象だ。操安性能へのこだわりからサスペンションの味付けはしっかり系に分類されていると思うが、今度のCX-5はヌメっとした柔らかい肌触りをイメージさせるのだ。

とくに動き出しはスゥーッと軽快に動き出し、最初の凸凹の入力でヌメり感を感じるのだ。「おっ!」というインパクトを受けて走り出すと、しっとりとした動きをするので「変わったな」と。これは他のマツダ車とは異なるベクトルにある乗り心地で、今後のラインアップもこの乗り味になるのか、そのあたりが気になる。この従来と違う乗り心地は、おそらく、多くの人が「気持ちいい、乗り心地がいい」と感じると思う。

具体的にエンジニアに聞けば、レイアウトは2代目のサスペンションと同じ形式でフロントがストラット、リヤがマルチリンクだ。ただ、ダンパーを大きく変更しサプライヤーはZF製(SACHS)で大径としている。ただし、減衰特性のスペックはマツダ内部で作り込み、そのデータを元にZFで製造しているという。

エンジンは滑らかで踏み込んでいくといい音として聞こえてくる。音の良さは前向きな気持ちになるが、低速時に聞こえるエンジン音は正直もう少し「いい音」にするか「聞こえない」にしてもらいたい。例えば市街地での走行は20〜50km/hの区間を頻繁に使うわけで、低速時のエンジン音を常に聞いている状況になる。だからこそ、エンジン音が気になるというわけだ。

じつは、CX-5の欧州仕様もドイツで試乗したのだが、ドイツではそうした音の悪さは記憶になく好印象しか残っていない。それはドイツ郊外での試乗ということもあり速度域の違いが大きく影響している。動き出してすぐ一般道は100km/h、アウトバーンに乗れば130km/h区間が多く、もちろん速度無制限のエリアもある。そうした環境ではエンジンの低回転時の音がしている時間が短く、全く気にならないのだ。それどころか、ドイツではアクセルを踏み込む量が多く、そして素早く踏み込むのでエンジン音がよく聞こえる。

その音は大きすぎず、ほどよく聞こえ、さらに軽快さもあり「いい音」に感じるの。だから、マツダは欧州志向の開発ベクトルだと感じるのだ。もちろん、国内、北米マーケットが中心だが、開発のベンチマークは欧州にあるのではないかと感じる。だから、このエンジンの魅力は欧州で発揮されると言っていい。

さて、国内の高速道路での印象は、やはりパワーはない、と感じるのものアクセルをどこまで踏み込む人が多いのか、想像しながら考えればやはり必要にして十分なのかもしれない。また、ミッションのキックダウンやシフトアップなどのレスポンスは良く、シフトショックもマイルドで高級な印象もあるので、車格を押し上げるユニットと言っていいだろう。

ハンドリングでは、操舵応答に遅れを感じることはないが、乗り心地をヌメっとさせたためか、ロールは感じられる。これまでのロールを感じないマツダ車とはこの点で異なるのだが、操舵初期でのロールは小さくゆっくりなので、じつはロール自体を感じにくい動きになっていると感じた。またアクセルペダルやブレーキのリニア感も申し分なく、無意識の操作となり自然に感じられるのだ。

インテリアもこれまでと大きく変わった。アイテムとしてメーターはシンプリにすっきりとした1枚液晶で、表示したいものをユーザーが選択して表示する方法。シンプルな表示を選択するとかなりすっきりする。またセンターモニターは2タイプあり、グレードによってサイズがことなっているが、基本タッチパネル式になった。

インターフェイスとしてタッチ式はミスタッチや階層を探すなど、運転中に操作するのに問題がないかチェックする必要はあるが、Googleを搭載したことで、音声認識による操作が可能になり、手動領域が減っており相殺されるのかは考慮する必要がある。だが、いちいち「OK Google 温度を下げて」というより、ダイヤルを回した方が早く、間違いもなく、思った通りになるのは言うまでもない。

ADAS系、運転支援、安全装備系も大きく変化し、70km/h以上の自動車専用道で、車線変更アシスト機能が装備された。また40km/h以下ではハンズフリーが可能になるハンズオフアシスト機能が渋滞時に稼働できるようになった。またトヨタのシステムと基本共通のプロアクティブ・ドライビングアシストも装備された。

これらの機能の全てを試すことはできたものの、作動確認レベルであり、使い勝手が本当にいいのか、といったことではもう少し長時間、長期間使うことで必要、不要などが出てきそうな気もした。

グレードFF 価格(税込)4WD 価格(税込)
L407万円430万6500円
G EX Package374万7700円398万4200円
G352万円375万6500円
S330万円353万6500円
※Lグレードのシートカラー/インテリアコーディネーション(スポーツタン)は4万4000円UP、パノラマサンルーフは12万1000円UP

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