日産自動車は2026年9月10日、日本国内の事業を大幅に再構築し、将来の成長とグローバル競争力の強化を図る新たな取り組みを発表した。
商品ラインアップの拡充によって国内主要セグメントでのプレゼンスを高める一方、国内3工場の役割を再編し、コスト・品質・生産性を高い次元で両立させ、日本国内での年間100万台規模の生産体制を目指すとしている。

車種の拡大と若年層の獲得
日産は長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」のもと、商品ラインアップの拡充を進める方針を打ち出した。
ルークス、リーフ、キックス、エルグランドなど既存の主力車種はすでに市場から一定の評価を得ているとするが、これに加えてスカイライン、パトロールの後継モデル、さらに新たなグローバルBセグメント車を投入することで、軽自動車から電動車、SUV、ミニバン、スポーツカー、フラッグシップモデルに至るまで、幅広いラインアップを整備する方針だ。
新規顧客や若年層の取り込みを狙う一方、一括商品企画から開発、生産、技術展開までを一貫して推進する「商品ファミリー戦略」を軸に据えている。「商品ファミリー戦略」は商品企画の段階からそのバリエーション、ファミリーモデルの共通の技術・アーキテクチャー、部品を活用することで開発スピードと効率を引き上げ、継続的な新型車投入を可能にするとしている。
生産体制の刷新
商品戦略と並行して、日産は国内の生産体制そのものの見直しにも着手する。柱となるのは、商品ファミリーと各拠点の専門性に基づく生産体制の構築、長期的な生産基盤の強靭化、工場稼働率の最大化である。
これらを通じて、国内向けと輸出向けの両面で競争力のある車両を生産し、サプライチェーンの強靭化と、年間100万台規模の生産実現を図る考えだ。輸出拡大は市場の多様化や為替変動リスクへの耐性強化にもつながるとしている。

生産拠点の役割分担を明確化
今回の再編で特に注目されるのが、国内3工場の役割分担の明確化だ。「栃木工場」は先進生産拠点に位置づけられ、スポーツカー、電気自動車、ミニバンを国内および輸出向けに生産する。
第1工場はフェアレディZとスカイラインの生産を継続。第2工場はリーフ、アリアに加えてミニバンを担当し、中期的には日産自動車九州からセレナ、日産車体九州からエルグランドの生産を移管し、ミニバン生産の集約を進める。
「日産自動車九州」は、B・Cセグメント車のグローバル中核生産拠点としての機能を強化する。第1工場では追浜工場からノート、ノート オーラ、キックスなどの生産を移管するとともに、新たなBセグメント車の生産も開始する。第2工場ではグローバルCセグメント車のローグ/エクストレイルを引き続き生産する。
「日産車体九州」は、フレーム車と小型商用車(LCV)の生産拠点としての専門性をさらに向上させる。パトロール、アルマーダ、QX80、キャラバンを生産し、世界の主要市場向けにフレーム車を供給する役割を担う。
生産移管にあたっては、日産生産方式(NPW)に基づき各拠点が培ってきた技能・ノウハウを共有し、品質と生産性を維持しながら円滑な移行を目指すという。
日産はホームマーケットである日本を、次世代プロパイロットやモビリティサービスなど先進技術の実証拠点としても位置づける方針だ。幅広いセグメントへの対応と若年層との接点強化を通じて、ブランド力の向上と長期的な競争力強化につなげたい考えである。













