【ジュネーブモーターショー2014・日産】リヤカメラと連携した「スマート・ルームミラー」を出展

140228-01-01j

2014年2月28日、日産は、さまざまな走行環境でドライバーにクリアな後方視界を提供する液晶モニターとルームミラーを任意に切り替えることを世界で初めて可能にした「スマート・ルームミラー」を開発したと発表した。このミラーはジュネーブモーターショーに出展するという。 2014ジュネーブショー

日産が開発した「スマート・ルームミラー」は、後方の交通状況を確認する新開発の高性能狭角カメラと、ルームミラーに内蔵した新開発の特殊形状液晶モニターで構成される。リヤウインドウに設置された高解像度カメラによる鮮明な画像を液晶モニターに映し出すことで従来よりもワイドでクリアな後方視野を提供できる。

ルームミラーに内蔵した液晶モニターには、後方や斜め後ろを走行する車両がピラーなどで遮られることなく鮮明に映し出されるのでドライバーは周辺の交通状況の把握がし易くなる。また、通常のルームミラーでは、後席に多くの乗員が乗車したり、荷物を高く積み上げたりした場合に、リヤウインドウの視界が遮られ、後方の交通状況の確認がしにくい場合でも「スマート・ルームミラー」は、カメラが撮影する情報をルームミラーに内蔵した液晶モニターに映し出すため、容易に後方の交通状況の確認をできるわけだ。

rain1
雨天走行時のバックミラー(上)とカメラ映像
park 1
夜間のバック時のバックミラー(上)とカメラ映像

 

さらに、「スマート・ルームミラー」は、雨天や降雪時、また薄暮や夜間などの様々な環境下でも、広い範囲の後方映像を鮮明に映し出す。また、朝夕の逆光や後続車のヘッドライトの光に対しても、高度なカメラ制御と画像処理プログラムを採用することにより、眩しさが少ないクリアな後方視界を映し出すことができる。

後方映像を撮影するカメラは、新開発の130万画素の高性能狭角カメラを採用。従来の一般的な広角カメラでは、広い範囲を映し出すことができる反面で距離感をつかむのが難しくなり、画質が大きく悪化するという問題があったが、今回の新開発カメラの採用により、撮影した画像を、高画質で正しい距離感でモニターに映すことができる。また、新開発の液晶モニターは、通常のモニターのアスペクト比(4:3または16:9)と異なる約4:1という特殊な形状とすることで、画像をルームミラーの一部に収めるのではなく、全面に映し出すことができる。

gyaku 1
逆光時のミラー状態(左)とカメラ映像

通常は、液晶モニターとミラーを重ねて使用すると、後方からの光がミラー反射とモニター透過によって2重像現象を発生させ良好な視界が得にくくなるが、「スマート・ルームミラー」は、内部構造を工夫することによって、世界で初めて、2重像現象を発生させることなく、液晶モニターと通常のミラーとの切り替えを可能としている。

なおこの「スマート・ルームミラー」を、今年のル・マン24時間耐久レースへ出場予定のZEOD RCや、ニスモが開発するその他のレーシングカーにも採用して行く予定。

日産は、この「スマート・ルームミラー」を2015年からグローバルに採用するための検討を進めており、まず日本市場で今年春からディーラーオプションとして販売を開始する予定だという。

 

日産公式サイト

ページのトップに戻る