三菱自動車は2024年10月9日、クロスオーバーSUV「アウトランダー」のPHEVモデルを大幅改良し、EV航続距離や動力性能・快適性を向上させるとともに、内外装の質感向上と機能・装備の充実化を図り、10月31日から発売すると発表した。
日本市場以外では、2025年春にヨーロッパ市場、その後順次オーストラリア、ニュージーランド、アメリカで発売する計画だ。
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今回から搭載されるバッテリーは、従来に比べ約10%増の22.7kWhとなり、EV航続距離が「M」グレードで従来の87kmから106km(WLTCモード)、その他グレードは83kmから102km(WLTCモード)と約20km長くなっている。
また、駆動用バッテリーの容量拡大に合わせ、充電速度の向上も図っている。急速充電では、80%までの充電時間を6分短縮の約32分とし、普通充電(AC200V/15A)では、前モデルと同じ約7.5時間で満充電が可能となり、より利便性を高めている。
PHEVシステムは、エンジンは従来通り2.4Lの4B12型MIVECで、98kW(133ps)/195Nmを発生。このエンジンは発電と、高速巡航時の駆動を受け持つ。フロントモーターは85kW(116ps)/255Nm、リヤモーターが100kW(136ps)/195Nmとなり、最高出力を約20%向上させている。それにより、電動車ならではのスムースで力強い加速が持続し、高速道路での合流や追い越し時のストレスを軽減するとともに、エンジン始動頻度が低減し、より静かで気持ちの良いEVらしい走行を実現している。
また、アクセル操作時のモータートルク特性をよりマイルドにすることで、車両挙動を安定させている。
今回新たに、走行速度やエンジンなどの状況に応じて自動的に開閉させるグリルシャッターをフロントバンパーグリル内に採用したほか、床下アンダーカバーやリヤバンパーの形状を見直すことで空力性能が向上。走行抵抗の低減やPHEVシステムなどの効率化により、ハイブリッド燃料消費率(WLTCモード)を「M」グレードで従来の16.6km/Lから17.6km/Lに、その他グレードは16.2km/Lから17.2km/Lへ燃費向上を実現している。
デザイン面では、エクステリアは、フロントアッパーグリルをスムースな造形にして質感を向上。フロントとリヤのスキッドプレートは、立体的なデザインへの変更に加え、カラーをチタニウムグレーとしている。リヤコンビネーションランプはスモークタイプとし、ターンランプ、バックランプをLED化。
アルミホイール(20インチ、18インチ)は、より上質感と力強さを表現した新デザインへと変更。ボディカラーでは、「ムーンストーングレーメタリック」を新たに採用。このカラーは人気のソリッド色調グレーに、光の当たり方によりブルーのハイライトが映る特別な塗装だ。
インテリアでは、最上級仕様のセミアニリンレザーシートのデザインを変更するとともに、シートやインストルメントパネルなどに新色の「ブリックブラウン」を採用することで、モダンでラグジュアリーな落ち着きのある室内空間としている。
スマートフォン連携ナビゲーションは、モニターサイズを従来の9インチから12.3インチに大型化し、コネクティッド機能(MITSUBISHI CONNECT)の機能拡充により、ナビゲーション上でPlaces API(Googleによる目的地検索)や、ストリートビュー、航空写真ビューを見ることが可能となっている。
また、運転席、助手席には、体とシート間の熱こもりを防ぎ快適なドライブを提供するシートベンチレーションや、常に優れた後方視界を提供するデジタルルームミラーを採用し、利便性と快適性を高めている。
そしてアウトランダーPHEV専用にヤマハと開発したオーディオシステム「Dynamic Sound Yamaha Ultimate(ダイナミック サウンド ヤマハ アルティメット)」/「Dynamic Sound Yamaha Premium(ダイナミック サウンド ヤマハ プレミアム)」はクリアで高い解像度の中高音やリアルな音へのこだわりを実現。
また、スピーカーを搭載しているドアパネルの隙間を塞いでスピーカーボックスの役割を与えるとともに、スピーカー取付部の剛性も向上することで不要なノイズの発生を低減。それにより、太く躍動感のある低音を実現していまる。
最上級グレード「P Executive Package」に採用の「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」では、計12個のスピーカーとデュアルアンプの搭載に加え、車速に応じて音量や音質を自動調整し、ロードノイズの影響を低減するサウンド補正機能により、あらゆる走行条件でも常に最高の音楽を楽しむことができる。
また、「P」、「G」、「M」グレードに採用の「Dynamic Sound Yamaha Premium」は、ウーファーの同軸上にツイーターを配置したコアキシャルスピーカーをリヤに採用して計8個のスピーカーを搭載し、高音から低音まで幅広い音域表現を実現している。