マツダは2022年6月22日、6気筒ディーゼルエンジン、PHEVの新たなパワーユニット、縦置きエンジン・レイアウトのグローバル・ミッドサイズのクロスオーバーSUV「CX-60」の予約受注を6月24日から開始すると発表した。発売はe-SKYACTIV Dモデルが9月頃、その他のモデルは12月頃が予定されている。
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CX-60は、新世代ラージ商品群(FRプラットフォーム)の第1弾となり、現代のクルマに求められる高い安全性能と環境性能を兼ね備えながら、走りを楽しめるドライビング感覚、マツダの最新デザインとクラフツマンシップの上質さを訴求し、今後のより上級クラスを指向するマツダを牽引するモデルとされている。
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ボディサイズは、全長4740mm、全幅1890mm、全高1685mm、ホイールベース2870mmで、グローバルDセグメント(ミッドサイズ)SUVサイズで、トヨタ RAV4、アウディQ5と似たサイズとなっている。
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新開発のフロント縦置きエンジンを前提としたプラットフォームは「SKYACTIV マルチソリューション・スケーラブルアーキテクチャー」と名付けられている。この新プラットフォームでは、サスペンションは、フロントがハイマウント型のダブルウィッシュボーン、リヤの新開発のマルチリンクを採用している。
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4種類のパワートレイン
なお、CX-60のパワートレインは、3.3Lの6気筒ディーゼルエンジン(標準仕様と48Vマイルドハイブリッド用の2機種)、2.5L・4気筒エンジンとPHEVシステムを組み合わせたe-SKYACTIV PHEVモデル、エントリーモデル用の2.5L・4気筒のSKYACTIV-Gエンジンの4種類をラインアップ。
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駆動方式は6気筒マイルドハイブリッドとPHEVモデルはAWDのみで、それ以外のグレードはFR駆動とAWD駆動の2本立てとなっている。またすべてのモデルが新開発の8速ATのトランスミッションを搭載。この新開発の8速ATの変速比幅は8.4とワイドレンジ化されている。また、AWDシステムは後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDを新採用している。なお、AWDと合わせ、マツダで初のヒルディセントコントロールも装備される。
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ドライブモード(Mi-Drive)は、ノーマルモード、スポーツモード、オフロードモード(AWD車のみ)、そしてPHEVにはEVモードが追加され、オプションのレーラーヒッチを装着した25S以外のモデルにはトーイングモードも選択することができる。
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CX-60のデザイン・コンセプトは「ノーブルタフネス」で、FRアーキテクチャーをベースにし、ロングノーズ、キャビン・バックワードの上級モデルらしいエレガントなプロポーションとSUVらしさを融合させたデザインだ。
インテリアは、水平基調のインスツルメントパネル、サイドルーバーからドアトリムへ連続する造形がワイドでリッチな空間を表現。前後を貫く大型で幅広のコンソールは、FR特有のデザインで、その内部にはトランスミッションが存在する。
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運転支援システムは、マツダの最新システムを設定し、さらにドライバー異常時対応システム(DEA)も新採用している。それ以外では狭い場所でも周囲の状況を確認できるよ360度ビュー・モニター、グレード別設定のシースルービューも採用している。
メーターディスプレイは12.3インチのフル液晶メーターディスプレイ(25S S パッケージ、XD、XD S パッケージ車は設定なし。25S L パッケージはメーカーオプション)、センターディスプレイも12.3インチ(XDに設定なし。25S S パッケージ/L パッケージ、XD S パッケージ、PHEV S パッケージにメーカーオプション)を設定している。
幅広い価格設定
注目の価格は、299万2000円〜626万4500円という幅広い設定で、CX-5のユーザー層も取り込もうという意図が感じられる。
ただし、価格体系は複雑で、299万2000円の価格となっているエントリーモデルの25S Sパッケージ(FR車)の場合は運転支援システムなどが装備されていない価格で、セーフティパッケージを装備すると300万円強となり、実質はこれがスタート価格となる。
また上級レンジのXDハイブリッド プレミアムスポーツ、XDハイブリッド プレミアムモダン、PHEV プレミアムスポーツ、PHEV プレミアムモダンなどはフル装備モデルで、パッケージ・オプションを選択する必要がない。
価格で考えると、トヨタ RAV4より全体に高く、レクサスRXより安いというポジションとなり、また三菱 アウトランダーPHEVと同価格、上級グレードではCX-60のほうが高くなっている。
いずれにしても新型CX-60は、高価格帯商品に向けて舵を切ったマツダの今後を占う車種であり、市場でどのような評価を受けるか興味深い。
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価格
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