ダイハツは2022年4月22日、主に地方自治体を対象に、通所介護施設の送迎業務の共同化をベースにして地域の高齢者の移動や暮らしを支援する福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」システムの販売を開始した。
ダイハツは、2018年から地方での介護施設における送迎業務の効率化をサポートする「らくぴた送迎」のサービスを開始していたが、介護施設における人手不足が深刻化しており、その課題解決に向け地域内の複数の介護施設における送迎業務を外部に委託することで負担を軽減。さらに共同化することで効率の良い送迎を実現する新たなモビリティサービス「ゴイッショ」を開発。2020年11月から香川県三豊市で実証事業を実施し、送迎車両を2割削減するなどの効果を確認できたことから、全国の地方自治体を対象に福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」の販売を開始したわけだ。
「ゴイッショ」のサービス提供にあたっては、地域に根差したサービスとするべく、導入検討段階では介護施設送迎に関する課題調査、実証実験の企画・運営を地域と連携して行ない、導入決定後は、ロードマップや収支計画の策定・ドライバーへの介助接遇研修など、運行に向けた準備を支援。
運行開始後には、運行管理システムの提供や日々の運営をサポートするシステムとなっている。さらには、送迎の空き時間を活用した「買い物支援などの移動サービス」や「宅食サービスなどモノの配送」など、他のサービスとの掛け合わせによる発展的な取組みの検討も支援するとしている。
なお、運行の外部委託先は、地元のタクシー、バス運行会社が想定され、地元にこれらの企業がない場合は、新たに運行組織を作って運営することになる。
「ゴイッショ」は、福祉介護・共同送迎サービスとしてスタートするが、過疎地などでは福祉介護の枠を超えた移動サービス、配達サービスなどの需要も高く、これらのモビリティサービスと、今後の自動運転システム、クラウド連携通信を取り込むことで、地域密着型のMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)へと発展する可能性を備えている。