第29回成都国際モーターショーが四川省・成都市で2026年8月21日から8月30日まで開催された。

この成都国際モーターショーには約120ブランドが約1600台の展示車を出展。一方で、東風日産、シボレー、ロールスロイスなど20超のブランドが出展を見送っている。

2026年1~7月の中国自動車生産・販売が前年同期比でいずれも3.7%減少したこともあり、今回のモーターショーはコンセプトカーなどを中心とした「ショーケース」から「商談の場」へという傾向が強まっているのが特長だ。

BYDは1ホールを丸ごと借り切り、王朝、海洋、デンザ、フォンチェンバオ、仰望(ヤンワン)という5ブランドの出展に加えて最新の超高速急速充電、「天神之眼」自動運転の専用技術展示エリアを設置していた。なお、BYDは最新の超高速フラッシュ充電器をすでに中国主要都市部で1万基設置した実績も発表している。

吉利汽車はZeekr、銀河、Lynk & Coなど複数ブランドを分散展示した。Chery Automobile(奇瑞汽車)はBYD同様にパビリオンを丸ごと借り切って出展。また、ファーウェイ傘下のHarmony Intelligent Mobility Alliance(華為鴻蒙智行)やNIOなどのブランドが初めてフルラインナップで集結した。

会場ではインフルエンサーがライブ配信を行なって集客し、営業担当者が商談のために駆け回っていた。
四川・成都市場は上半期に26万1700台を販売し、全国都市別販売台数トップを維持したが、この成都市場での販売競争は激化しており、上半期は吉利が2.18万台で中国のBYDの2.14万台をリードしたが、7月はBYDが逆転。グループ合算では両者の月間販売の差は50台未満にまで縮まった。
ファーウェイの自動車OS部門傘下のグループ「華為鴻蒙智行」は「五界(5ブランド・メーカー)」が勢揃いし、享界G9オフロードSUVなどの新型車が注目を集めた。もちろん「華為鴻蒙智行」はすべてファーウェイの車載OS、車載コンピューターを搭載したソフトウエア・ディファインド・ビークルである。
一方、ファーウェイの顧客企業のホールでは「第二の華為」展示エリアを形成した。新興勢力のNIOとLeapmotorは安定した販売実績を背景に余裕を見せ、合弁ブランドのフォルクスワーゲンと北京現代はコスト・バリューが優れていることで追撃を図っている。
中国では、上半期に600車種超の新型車が投入されたが、約60車種は販売台数が一桁にとどまり、車種乱発戦の略は陰りを見せている。主要企業は車種数の削減に着手し始めており、競争の軸は価格競争から価値の競争へと移行しつつある。
BYDは急速充電や「天神之眼」などの中核技術を展示し、Cheryは「犀牛電池」とAIスマートシーンを打ち出し、長城汽車はカーボン・ボディ工法とスーパーV8エンジンを披露した。

メルセデス・ベンツは、初の中国本土生産の大型高級SUV「GLE SUV」を発表した。ホイールベースは3115mm(他の市場向けより約120mm長)、後席の乗車空間は1020mm。後席シートは31度~38度のリクライニング調整が可能で、3ゾーン・エアコン、マッサージ機能などを装備。中国市場向けに空間・快適性を強化した先進豪華SUVに位置づけられている。

また、新型EV「GLC SUV」も出展された。MB.EAプラットフォームをベースに開発され、CLTC航続距離は最大703km、2速変速機や4WD切り離し機構を備えている、
いずれも、AI統合インフォテイメント、中国で開発されたリヤシート・エンターテイメント、そして中国のモメンタ社の都市部・高速道路ナビゲーションによる半自動運転システムが搭載されている。

また、BMW iX3の中国仕様もモメンタ社の強化学習型モデルをベースにした「BMW智能運転補助」を初公開し、都市部・高速道路の全領域でナビ一体型の半自動運転ができることをアピールした。
さらにキャデラックはXT5 PHEVに、上海汽車アウディにも新たにモメンタ社のNOAシステムが搭載されたモデルが出展されており、もはや中国市場の海外メーカーはOSや運転支援システムに中国メーカーとの共同開発は不可欠になっていることを示している。













