アウディ 大きくなった4代目新型「A3セダン」を発表

アウディは2020年4月21日、ドイツ・インゴルシュタットで4代目となる新型A3セダンを発表しました。この新型A3は3月3日に新型A3スポーツバックがオンラインで発表され、それから1ヶ月半遅れでA3セダンのデビューとなっています。このモデルもジュネーブ・モーターショーで発表される予定でした。

ボディサイズはわずかに拡大

新型A3セダンは、フォルクスワーゲン・ゴルフ8と同じMQB Evoプラットフォームを採用し、インゴルシュタット工場で生産されます。ボディサイズは、全長が40mm延長されて4495mmに、全幅は20mm拡大され1820mmに、そして全高は10mmアップされ1430mmとなっています。

フロント・シートの着座位置は10mm低下され、ヘッドクリアランスは合計20mm増大しています。トランクの積載容量は425Lで、これは従来と同じです。ボディサイズ、特に全長はCセグメントの上限になっていますが、全幅はそれほど拡大されていないので、日本での使い勝手、取り回しは十分に優れていると言えます。

デザイン

デザインはマーク・リヒテがデザイン責任者で、エクステリアはフィリップ・レーマーが担当しています。特長的なヘッドライト形状と、ハニカムグリルを備えた大きなシングルフレームを採用し、ヘッドライトの外縁には、下方向へと延びる台形デザインが採用されています。また、マトリクスLEDテクノロジーを搭載した最上位モデルでは、この部分に新しいデジタル・デイタイム・ランニングライトが装着されます。

先に発表されたA3スポーツバックはサイドシル上のボディラインがリヤホイールアーチに向かって上昇し、短いリヤエンドを強調するデザイン処理となっていましたが、このセダンの場合はボディラインはリヤバンパーまでまっすぐ伸びています。

このラインは、スポーツバックと比べて長いボディを強調し、エレガントなイメージとなっています。そしてショルダーライン下の凹面が、クワトロブリスターとシルの存在を強調する役割を果たしています。

ルーフラインは、Bピラーから後方に向かって流れるようなクーペ風のラインを描き、トランクリッドのスポイラーへと繋がっています。

ボディ重量は1355kg〜1485kg。ボディ全体の29%はホットスタンプ材で、アウターパネルはアルミ材を使用したハイブリッド・ボディ構造になっています。またボディの空力性能はさらに向上し、Cd=0.25を達成しています。

デジタル化したインテリア

インテリアのデザインは、ドライバー・オリエンテッドで、中央に設置されたMMIタッチディスプレイを備えたインストルメントパネルは、ドライバーに向かってわずかに傾斜しています。10.1インチのMMIディスプレイは直感的に操作可能で、標準装備の手書き文字検出機能と、日常会話に対応したボイスコントロールシステム(オプションでクラウド機能を利用可能)が含まれています。

またベースモデルにも、10.25インチのデジタルメーターが装備されます。アウディ・バーチャルコックピット・プラスを装備すると、ディスプレイサイズは12.3インチに拡大され、デジタル表示とダイナミックなレイアウトを備えたスポーティなグラフィックを含む、3種類の異なる表示が選択できます。

最上位のインフォテインメントシステムであるMMIナビゲーションプラスは、第3世代のモジュラー・インフォテインメントプラットフォーム(MIB3)を採用しました。

MIB3は、先代モデルの10倍の処理能力を誇り、LTE-Advanced(LTEアドバンスト)規格に対応し、乗員のスマートフォンをインターネットに接続するWi-Fiホットスポットを装備しています。MMIナビゲーションプラスは、オンライン交通情報やニュースに加え、写真、店舗の営業時間、POI(Point of Interest)に関するユーザーレビューなどの追加情報を含む、数多くのAudi connectサービスが利用できるようになっています。

スマホとの連動

もちろんスマートフォン・インターフェイスを装備し、Apple Car PlayやAndroid Autoの機能をMMIディスプレイに統合することが可能になります。パーソナライゼーション機能により、最大6人のユーザーが、シート位置、空調コントロール、メディアなどの設定を、個別のプロフィールに保存でき、さらに夏頃からは、Amazon Alexa音声アシスタントサービスも利用できるようになります。

ドライバー支援システムも一段と進歩しています。アウディ・プレセンス・フロントシステムは、ルームミラーに設置されたフロント・カメラがレーダーと連動し、衝突回避を行なうことができます。上級モデルではナビゲーションデータも併用するアダプティブ・クルーズアシストが搭載できるようになっています。

パワートレーンとシャシー

新型A3セダンには、1.5LのTFSIガソリンエンジンと、2種類の2.0L・TDIディーゼルエンジンがラインアップされています。35TFSIエンジンは150psを発生する直噴エンジンで、新開発された6速MT(WLTP複合モードにおける燃料消費量:5.0〜4.7L/100km)か、乾式クラッチ装備の7速SトロニックDCT(WLTP複合モードの燃料消費量:4.9〜4.7L/100km)との組み合わせです。

なお7速Sトロニックを選択した場合、エンジンは48Vマイルドハイブリッドが装備されます。48V用のベルト駆動スターター/ジェネレーターは最大12ps/50Nmを発生することができ、駆動アシストを行ないます。

TDIディーゼルエンジンは、最高出力116ps(30TDI)と150ps(35TDI)の2種類が設定され、6速MT、または7速湿式クラッチ式Sトロニックとの組み合わせになります。

なお今後、ハイブリッド搭載モデル、クワトロ・モデルも追加されることになっています。

3種類あるサスペンション

シャシーでは、フロントがストラット式、リヤは30TDIがトーションビーム式、それ以外は4リンク式サスペンションを採用しています。先代モデルより更に高次元のロードホールディング性能を備え、可変ギヤ比式のステアリングを含むセントラル・ダイナミックハンドリング・システムにより、操縦安定性をかつてないレベルに引き上げています。

サスペンションの種類は標準サスペンション、スポーツ・サスペンション、連続可変減衰式の電子制御サスペンションの3種類が設定されています。またホイール・サイズは標準の16インチから19インチまでを選択することができます。

新型A3セダンの受注はヨーロッパ各国では2020年4月末から開始され、デリバリーは夏頃から開始される予定です。価格は35TFSIのベース価格が2万9800ユーロ(347万円)からとなっています。

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