住友ゴムと関西大学「タイヤ内発電」によるセンサーのバッテリーレス化技術を開発

住友ゴムは2021年3月1日、関西大学の谷弘詞教授と共同で、タイヤの内側に静電気を利用した発電デバイス(エナジーハーベストを取り付け、タイヤの回転によって電力を発生させる技術開発を行ないました。

そして、このほど摩擦帯電に係る構造と材料の最適化で、発電電力を向上させ、さらに充電機能の追加により、電池などのバッテリーを使用せず、タイヤ周辺に搭載するセンサーへの電源供給が可能となったと発表しました。

つまり、バッテリーがなくても摩擦帯電によって発電し、タイヤ内のセンサーデバイスを稼働させ続けることが可能になったということです。

今回の開発では、発電デバイスから電源制御回路へ充電し、外部センサーへ給電・動作させるシステムを開発しました。検証テストでは、タイヤ速度50km/hで発電量800μW以上を確認し、外部センサーを起動しBLE(Bluetooth Low Energy)の連続通信を実現させることに成功しています。

住友ゴムは、CASE/MaaSなどの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ技術開発、および周辺サービスのコンセプト「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げて、さまざまな技術開発を行なっていますが、その中でもタイヤを「センサー」としたソリューションサービスの提供を推進しています。

このタイヤ内発電技術は、タイヤセンシングの一番の課題である、センサーデバイスの電池寿命を解決するものであり、この実現によりタイヤセンシングの実用化を大きく前進させることが可能になっています。

なお、この研究・開発テーマは2019年10月に国立研究開発法人・科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)シーズ育成タイプに採択され、同機構の支援を受けながら開発が進められています。

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