茨城県日立市で「ひたちBRT」の路線を利用した自動運転小型バスの実証評価を開始

国土交通省・経済産業省は2018年8月27日、自動運転レベル4相当の技術を搭載した小型バスを用いて、10月19日に「ひたちBRT」の一部路線(バス専用道路及び一般道の計3.2km)においてラストマイル自動運転の実証評価を開始することを発表した。

実運用中のひたちBRT路線を用いた検証
実運用中のひたちBRT路線を用いた検証

国土交通省では、最寄駅等と最終目的地を自動運転移動サービスで結ぶ「ラストマイル自動運転」を2020年度に実現するという政府全体の目標を達成するため、経済産業省と連携し、昨年12月から石川県輪島市、本年2月から沖縄県北谷町、本年4月から福井県永平寺町において、実証実験を開始している。

今回の茨城県日立市での実証評価は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」) 情報・人間工学領域 端末交通システム研究ラボが受託。端末交通システムとは、鉄道などの基幹交通システムと自宅や目的地との間や、地域内といった短中距離を補完するラストマイルモビリティーとも呼ばれる次世代の交通システムだ。
10月19日は「ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)」の出発式を行い、廃線敷を利用した「ひたちBRT」のバス専用道路及び一般道の計3.2kmにおいて実証評価を開始する。

産総研では、国土交通省および経済産業省の平成30年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」として、実証地域の1つである茨城県日立市と協力、SBドライブ株式会社、先進モビリティ株式会社、株式会社日本総合研究所、株式会社みちのりホールディングス、日立電鉄交通サービス株式会社、日本信号株式会社、コイト電工株式会社、愛知製鋼株式会社、株式会社NIPPOなどと共に、端末交通システムの研究開発と実証を進めていく。

自動運転バス実験車両 先進モビリティ
自動運転バス実験車両(先進モビリティ(株))

【実験概要】

・実施期間:平成30年10月19日〜10月28日まで
・実施場所:茨城県日立市の「ひたちBRT」の一部路線(JR大甕駅〜おさかなセンター間(3.2km)の往復で途中の乗降は行わない。一部手動区間あり)
・実施者:産業技術総合研究所、SBドライブ(株)、先進モビリティ(株)、(株)みちのりホールディング、日立電鉄交通サービス(株)、(株)日本総合研究所、AN計画工房 など
・実施内容:
 利用者(地域住民等)を乗せて走行し、遠隔運行管理システムによる運行状態把握と車両内外の安全性確保
 信号機や路側センサと自動運転バスの連携による安全で効率の良い運行
 自動運転バスへの乗降を考慮した新しい決済システムの実証等
※本実証実験は、天候等により変更となる可能性があります。
 

【自動運転のレベル4】

自動運転には、運転タスクの一部やすべてを運転者やシステムが実施するのかなどによってレベル分けが定義されている。
本事業では、政府が「官民ITS構想・ロードマップ2017」で採用している、SAE(Society of Automotive Engineers) International のJ3016(2016年9月)の自動運転レベルの定義を採用。
すなわち、SAEレベル4は、システムがすべての運転タスクを実施(限定領域内)するもので、作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されないものと定義されている(ここでの「領域」は、必ずしも地理的な領域に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件などを含む)。
現在、日本の公道においては、道路占有などの規制をかけない状態での自動運転のレベル4での走行実験は認められていないので、今回の実験では、ドライバーが乗車してドライバーの責任のもと、レベル4相当の機能を持った車両を用いて自動走行を行う予定。
 
「ひたちBRT」の一部路線での自動運転小型バスによるラストマイル自動運転の実証評価(日立市)を開始します(国土交通省)
ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)を開始-廃線敷利用のバス専用道路及び一般道での自動運転バスの社会受容性検証-

産総研 端末交通システム研究ラボ
国土交通省
経済産業省
茨城県日立市

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