【フォーミュラE】シーズン8 第7戦ベルリン モルタラがポール to ウインで今季2勝目

ABB FIA フォーミュラE シーズン8の第7戦ベルリンが5月14日に開催された。コースはドイツ・ベルリンのテンプルフォフ空港の跡地に特設コースを設置して開催。また翌日の15日は同じコースの逆回りで第8戦が開催されている。

ベルリンのテンプルフォフ空港の特設コースで第7戦、8戦が開催

予選はA、Bの2グループに分け、上位4台がトーナメント式のDUELS(デュエルス)に進出する。グループ予選は12分間で220kWの出力でタイム計測をする。その結果、Aグループからはパスカル・ヴェアライン(タグホイヤー・ポルシェ)、ストフェル・ヴァンドーン(メルセデスEQ)、エドアルド・モルタラ(ヴェンチューリ)、そして初のグループ予選勝ち抜きを果たしたセッテ・カマラ(ドラゴン・ペンスキー)が進出を決めた。

Bグループではアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチータ)、アンドレ・ロッテラー(タグホイヤー・ポルシェ)、ジャン・エリック・ヴェルニュー(DSテチータ)が進出。

メルセデスのパワートレインを使用するヴェンチューリのエドアルド・モルタラがポールポジションを獲得。自身初のポールだ

日産のセバスチャン・ブエミは4番手で、今季初のDUELS進出かと思われたが、なんとピットストップ時間違反というペナルティでタイムキャンセルとなってしまった。繰り上げで5番手のアレキサンダー・シムス(マヒンドラ)がDUELSに進出した。

準々決勝、準決勝、決勝のDUELSに進出した各ドライバーは、250kWの出力でタイム計測をするため、グループ予選が終了してからの短い時間でセットアップを変更しなければならない。

最終予選は、繰り上げ4番手で滑り込んだシムス(マヒンドラ)とモルタラ(ヴェンチューリ)が勝ち上がり、ポールポジションはモルタラが獲得した。モルタラのポールポジションは初ポールで、今季の序盤では優勝もしており、モルタラは前半戦チャンピオンシップをリードする好調ぶり。その後、少し苦戦しチャンピオンシップの順位も落としていたが、ここで自身初となるポール to ウインを目指すことになる。

予選結果は1位モルタラ、2位シムス、3位ダ・コスタ、4位ヴェルニュー、5位ロッテラー、6位ヴェアライン。

決勝レース

決勝は、コース幅が広いこともあり混乱はなく綺麗にスタート。ほとんどトレイン状態の展開で始まり、タイム差のないレースのため、アタックモードを使うタイミングが難しいレースになった。

コース幅も広く綺麗なスタートでレースは始まった

序盤はモルタラ、ダ・コスタ、ロッテラー、ヴェルニュー、シムス、ヴェアラインという順番で、シムス(マヒンドラ)がセカンドローからのスタートだったものの、順位キープが厳しく順位を下げていた。マヒンドラはZFのPCUを採用している。

スタートから13分ほど経過したところからアタックモードを使う選手が出てくる。上位ではポルシェのヴェアラインが最初にアクティべートゾーンに飛び込み、アタックモードとなり、250kWに出力アップ。すると長いストレート、広いコース幅を利用して順位を上げていく。

一旦アクティベートゾーンへ侵入すると順位は2つほど順位を落としてレースへの復帰となるため、目まぐるしく順位が入れ替わる。一方、トップのモルタラは2位に0.9秒のリードしか奪えず、アタックモードを使うタイミングが難しくなっている。

スタートから20分を経過した時点でモルタラ、ロッテラー、ダ・コスタ、ヴェルユー、ヴェアライン、シムスという順。その直後にはヴァンドーンも浮上している。ヴァンドーンは8番手スタートからの追い上げを見せており、トップのモルタラも含めメルセデスパワートレーンの好調さをみせている。

レース残り9分の時点でアクシデントはゼロ。アディショナルタイムもなさそうな展開だ。モルタラは2回目のアタックモードに入り3番手に順位を落とすも、250kWのパワーの優位性を利用し再びトップに返り咲いた。また2位以下はヴァンドーン、ヴェルニュー、ロッテラー、ダ・コスタ、ヴェアラインという順。シムスはこの時点で8番手まで沈んでいた。

終盤、ラスト3分+1周あたりからエネルギーマネージメントが全車厳しい状況が見えてきた。残り1分+1周では全車がエネルギー残量4%で1周に2%程度要するため、完走できないチームも出てきそうな気配があり手に汗握る。

ヴェンチューリのエドアルド・モルタラが今季2勝目

ラスト1周は残り1%のエネルギーになり、トップのモルタラはラップタイムを2秒ほど落としての走行となったが、周りも同様のため、順位の入れ替わりは厳しい。結果、モルタラがポール to ウインでチェッカーを受け、2位ヴェルニュー、3位ヴァンドーンで終了した。モルタラは今季2勝目となり、再びチャンピオンシップに絡んできた。

以下、4位ロッテラー、5位エヴァンス、6位ヴェアラインで、日産ブエミは14位、ギュンターは18位と振るわなかった。

そして翌日はコースを逆回りに再設定して第8戦が行われた。シーズン折り返しとなる第8戦でもメルセデスパワートレインが炸裂する結果となっている。

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