
2014年4月14日、トヨタは4年振りに「パッソ」のマイナーチェンジを行ない、同日から発売すると発表した。なお「パッソ」はダイハツとの共同開発車で、ダイハツも同時に「ブーン」のマイナーチェンジを発表している。

今回のマイナーチェンジでは低燃費を追求し、大幅に改良しアトキンソンサイクル技術を採用した1.4L・4気筒の1NR-FE型と、同じく燃費対策を盛り込んだ1.0L・3気筒の1KR-FE型を搭載。1.0L・2WD車(X“V package”グレード除く)で5ナンバー・ガソリンエンジン車トップとなる27.6km/L(JC08モード。CO2排出量:84g/km)を実現。従来型から燃費を約30%向上、平成27年度燃費基準+20%を達成するとともに、平成17年基準排出ガス75%低減レベルの認定を取得し、エコカー減税」の免税(100%減税)の対象となった。さらに4WD車も燃費を向上し、減税対象となった。
パッソのメインとなる1.0L・3気筒の1KR-FE型は、最大熱効率37%を実現。圧縮比の向上、低フリクション化、バルブタイミングの最適化を図ったほか、クールドEGR、エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッドの採用により、熱効率を向上。減速時のエネルギーをバッテリーにためる回生機能の強化や空力性能の改善を施し、1.0L・2WD車(X“Vpackage”除く)に停止前約9km/hでエンジンを停止するアイドリングストップ機能を標準装備するなど、燃費向上を図っている。この新アイドリングストップにより燃費は約10%向上したという。
今回の改良で、最大トルク回転数は上がっているが、実際には2500rpm付近のトルクも向上しており、扱いやすさも高められているという。
デザインはパッソX、Gと、パッソ +プラスHana(はな)という2つの個性を追求。パッソ X、Gはワイド感と低重心を強調したフロントバンパーや切れ長感のあるヘッドランプにより、端正なフロントビューとし、キャッチフレーズは「すっきり、きりっ」。





仕様・装備ではボディカラー外は新色のルリマイカメタリックを含む、全10色を設定。内装色にモカを採用し、ヒーターコントロールパネル、メーター文字盤をブラウンに統一すフロント・ベンチシートを設定。X“G package”、Gには、インサイドドアハンドル、センターレジスターノブ、シフトノブにメッキ加飾を施して質感を向上させている。


一方のパッソ +Hanaは丸いモチーフのアッパーグリルやフォグランプとロワグリルを連続させたポップでキュートなデザインを採用するなどかわいらしさを表現。リヤコンビネーションランプに、華やかなクリアピンクのインナーレンズを採用し、ドアミラー、アウトサイドドアハンドル、フォグランプベゼルにシンジュパールマイカを採用するなど受精ユーザーにアピールするアクセントを付け加えている。ボディカラーは新色のサクラパールマイカを含む9色を設定。そのほか、シンジュパールマイカ塗装のルーフ、ホイールキャップ、リヤエンブレムを組み合わせた専用の2トーンカラー3種類をオプション設定している。
内装色はエボニーブラウンとし、マニュアルエアコン&ダイヤル式ヒーターコントロールパネルメーター文字盤や左右のエアコン吹き出し口周りにピンクゴールドの加飾を加え、こだわりの室内空間を表現しているという。またオート電動格納式ドアミラーやスーパーUVカット・IRカット機能付フロントドアガラスを新設定するなど、女性を含めて快適性の高い仕様としている。
このように2つの個性を際立たせ、さらに上級仕様の“G package”をそれぞれに設定し、熟年層やダウンサイザーにも対応するなど幅広いユーザー層をターゲットにしている。パッソのユーザー層は価格も含めて軽自動車ユーザー層と重なり合うため、デザインや使い勝手、さらに燃費でも軽自動車と真っ向から戦いを挑んでいるといえる。安全装備としては全車にVSC&TRC、緊急ブレーキシグナルを標準装備しているが、衝突回避・軽減自動ブレーキの設定はない。
なおウェルキャブ(メーカー完成特装車)についてもベース車と同様の改良を施し、さらにシートが下降したときの高さと、格納したときの前後スライド位置、リクライニング角度をメモリーする機能を追加し、使用性を向上させている。ウェルキャブ仕様は7月から発売される。