トヨタGAZOOレーシング TS050ハイブリッドがル・マン24時間レース3連覇

世界耐久選手権(WEC)2019-2020年シーズンの第7戦となる伝統の第88回ル・マン24時間レースが2020年9月19日~20日に開催され、LMP1クラスのトヨタGAZOOレーシングTS050ハイブリッド(8号車)が優勝し、ル・マン24時間レース3連覇を成し遂げました。

レース前半までトップを走った7号車は、レース後半にターボの交換を行ない、大きく後退しましたが、最終的に3位に滑り込み、この結果GAZOOレーシングは最終戦のバーレーン8時間レースを待たずにチーム・チャンピオンが確定しました。

2019-2020年シーズンの世界耐久選手権も新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、レースカレンダーは大幅に変更されています。

2月にアメリカで開催された第5戦ローンスター ル・マン6時間レースの後、新型コロナウイルスが世界的に感染拡大したため、3月に予定されていたセブリング1000マイルレースはキャンセル。そして4月に予定されていたスパ・フランコルシャン6時間レースと6月のル・マン24時間レースは延期、シーズン最終戦として、セブリング戦の代わりにバーレーンでの8時間レースが11月に追加されています。

レース序盤からトップに立ったTS050 7号車

2019-2020年シーズンの終盤戦となる第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースは6ヶ月間のブランクを経て8月14~15日に開催され、そして大詰めとなるル・マン24時間レースも無観客での開催でした。

レースダイジェスト

予選でポールポジションを獲得したTS050 7号車のマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組はスタートから中盤までトップを走行していました。レースが折り返しを迎える頃には、2位との差は1周以上に広がっていましたが、12時間を経過した直後、小林選手がドライブする7号車は出力低下し、ターボのトラブルに見舞われて修理のために30分間のピットストップを行なったため後退します。

7号車は首位から6周遅れ、3位のリベリオン3号車から4周遅れの4位でコースへと復帰しましたが、後半はハイペースで遅れを挽回し、さらにリベリオン3号車のクラッシュ事故によりトップから6周遅れながら3位に食い込むことができました。

2位に入賞したリベリオン・レーシングR13の1号車

2位には、トップから5周遅れのノンターボ/ノンハイブリッド/後輪駆動のLMP1プライベートクラスのリベリオン・レーシングR13が食い込みました。

幸運を持つ8号車

セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー選手がステアリングを握る8号車は、序盤にタイヤのパンクやブレーキのオーバーヒートといったトラブルにより、2度の予定外のピットストップと10分間の修理などでタイムを失いながらも、7号車がトラブルに見舞われる頃には2番手にポジションにつけていました。

7号車のトラブル発生以後は、8号車は2位以下に充分な差を拡げ、ブエミ、中嶋、ハートレーが余裕を持って周回を重ね、最終的にその差は6周分まで拡大。そして3年連続で最終ドライバーを務めた中嶋選手が、ゴールを通過しました。サルト・サーキットにおいて最も成功した日本人ドライバーとしての地位を確固たるものとしました。

ブエミと中嶋はル・マン24時間レースの3年連続制覇を果たし、97年におよぶル・マンの歴史の中で、これまでに7人しか成し遂げていなかった3連勝ドライバーとなっています。また、ハートレーにとっては2017年以来2度目のル・マン24時間レース制覇となります。

この3連覇の記録も常に7号車が速かったにもかかわらずトラブルが発生しており、8号車は幸運に恵まれた車番であったといえるでしょう。

第88回ル・マン24時間レース結果

FIA WEC 公式サイト

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COTY
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