トヨタは2018年7月18日、コネクティッドカーから取得されるビッグデータを活用し、道路の保守点検に生かす技術についての実証実験を、全国で初めて豊田市と本年8月1日より開始することを発表した。
一般的に、道路は日常のパトロールや定期的な調査により、維持管理されている。道路の状態を把握することは、生活の利便性を保つだけではなく、事故の未然防止や地震等災害発生時の避難ルート確保などの安心・安全を提供することにつながる。
トヨタはこれまで車両に搭載しているテレマティクス機器を通じて収集したデータを統計処理したうえで、災害発生時の安全な走行のために「通れた道マップ」として情報を提供してきた。
※参考記事:豪雨災害に伴い、トヨタ「通れた道マップ」公開
今回、さらに車両の挙動情報を分析する技術を応用することにより、路面の劣化状態を数値化することが可能となり、実用化に向けて開発を進めていく。
豊田市における実証実験では、車両の挙動情報より算出した道路劣化の指標値と実際の路面状態との整合性を、より広域の一般道で検証。さらに、豊田市の道路保守点検業務をより高精度かつ合理的に実施できるような行政サービスの支援に向けて、本技術の更なる改善を図っていくとしている。
なお、今回の実証実験においては、豊田市が定期点検や日々の道路パトロールにより取得した路面情報を提供するとともに、本技術の道路保守点検業務への適用の可能性について検討を行い、トヨタはコネクティッドカーにより取得した車両データ(交通情報プローブや車両挙動データ)を「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」上で抽出・ビッグデータ分析を行い、道路劣化情報として提供するとともに実態との相関を分析していく。