トヨタは、スイス・ジュネーブで3月8日(木)から18日(日)に開催される第88回ジュネーブ国際モーターショーにおいて、「GR Supra Racing Concept」を世界初公開した。
「スープラ」は「2000GT」などと並び、トヨタの歴史において長らくフラグシップスポーツとして親しまれてきが、2002年に生産を中止した。今回初公開した「GR Supra Racing Concept」は、「スープラ」を16年ぶりにレーシングカーとして蘇らせたコンセプトモデルである。
「GR Supra Racing Concept」は、TOYOTA GAZOO Racingが手がけるスポーツカーシリーズ「GR」のスタディモデルとして、よりエモーショナルで、人をワクワクさせるスポーツカーを表現するため、往年の「スープラ」をイメージしながら製作。トヨタがグローバルで推進する「もっといいクルマづくり」の取り組みのもと、「トヨタ世界最高峰のFun to Driveを提供する新たなスポーツカー」を目指して、欧州のモータースポーツ活動拠点であるトヨタモータースポーツ(Toyota Motorsport GmbH)が開発を担当した。
「ロングノーズ&ショートデッキ」の伝統的スポーツカーのフォルムをまとった「GR Supra Racing Concept」は、フロントエンジン・リヤドライブの2ドアクーペで、コンパクトなボディには、レースの最前線で使われる軽量かつ高剛性なカーボン・コンポジット材などを採用。左右に大きく張り出したフェンダーや大型リヤウィング、リヤディフューザーなどは、優れた空力性能と走行性能とを狙って開発している。サスペンション、ホイール、タイヤ、ブレーキなどは、レース専用部品を装備する。インテリアも、後方確認モニターがついたダッシュボードやレーシングシートに加え、パドルシフト付きステアリングホイール、コラム、ペダル、ロールケージなど、各種レース用装備を組み込んでいる。
「The Sports of Toyota」として、四半世紀にわたり世界中のファンから愛され続けた「スープラ」は、モータースポーツの世界でも確かな足跡を残した。特に、1993年に発売された第4世代のスープラは、全日本GT選手権(現在のSUPER GT)のGT500クラスで4回の年間チャンピオンを獲得。1980年代にはアメリカのIMSAレース、1990年代にはル・マン24時間レースに参戦するなど、多くのファンを魅了した。その意味では、“Racing Concept”としての登場も自然な流れだったとも言えよう。
「GR Supra Racing Concept」は、ゲームソフト「グランツーリスモSPORT」に、2018年4月のアップデートで、新モデルとして追加される予定。実車とともに、バーチャルな世界でも、一般の人の目に増える機会が増えるわけだ。このような動きを経て、将来的に“スープラ”がどうなるか、注目していきたい。