スズキ 軽自動車ワンボックス「エブリイ」 10年ぶりのフルチェンジで見せた超進化

エブリイ ワゴン ハイルーフ PZターボスペシャル
エブリイ ワゴン ハイルーフ PZターボスペシャル(4速AT)

2015年2月18日、スズキは軽自動車ワンボックスカー、エブリイ/エブリイ・ワゴンを10年振りにフルモデルチェンジした。1964年に発売されたスズライト・キャリイ・バンから数えると12代目、エブリイとしては6代目となる新型のDA17型が登場した。

エブリイのような軽自動車のワンボックスカー(バン/ワゴン)は軽自動車カテゴリーの中では10%程度のシェアを持つが、商用バン、乗用ワゴンとして確固としたポジションを占めている。

今回のモデルチェンジで、エブリイはさらなる荷室の拡大、軽量化、燃費の向上、使い勝手の向上を開発テーマとし、ボディ、エンジン、トランスミッションなども含め大幅に刷新し、軽自動車ワンボックスで最大のスペース、クラストップの燃費を実現した。

スズキ 新型エブリイ グレード

新開発されたボディは、主要な骨格部に重量比で33%となる超高張力、高張力鋼板を採用し、衝突安全性能を高めながら21kgの軽量化を実現している。またエンジンも従来のK6A型からより軽量・コンパクトなR06A型に変更し、マウント類にも高張力鋼板を使用するなどして軽量化している。

さらに電装、内装や、シャシー部品も軽量化することで、従来型のエブリイと比べ40kgも軽くしているのだ。もちろんこの大幅な軽量化により燃費が向上し、軽自動車ワンボックスでトップの燃費となり、AGSトランスミッション車は免税、その他のモデルもエコカー減税が適用される。

スズキ 新型エブリイ  ボディ

スズキ 新型エブリイ 軽量化軽量衝撃吸収ボディー「TECT」スズキ 新型エブリイ 軽量化

ボディは、ホイールベースを30mm延長し2430mmとしてキャビンスペースをより拡大した。しかし全長は変更がないため結果的にフロントノーズは短縮され、衝突時のクラッシュストロークは減少している。だが、ボディ骨格に高張力鋼板を採用し、衝撃分散構造とすることで安全性を高めている。またフロントフードやルーフ前端部、フロントバンパーに衝撃吸収構造を取り入れ、衝突時の歩行者の被害軽減性能も向上させている。

ボディのデザインは、ワンボックスらしく直線基調で、クルマ全体を大きく長く見えるようにして、各ピラーの角度もキャビンのスペースを重視している。フロントのグリルでは、バンは控えめのデザインで、ワゴンはより存在感を強めた大型メッキグリルとしている。

スズキ 新型エブリイ バン
エブリイ バン ハイルーフ「JOIN」 5速AGS仕様

ボディタイプは、バンは全高1895mmのハイルーフがメインで、全高1800mmの標準ルーフのグレードも設定。一方、ワゴンは各グレードに標準ルーフとハイルーフが設定されている。

スズキ 新型エブリイ バンスズキ 新型エブリイ バン

エンジンは、最新のR06A型が採用され、フロントシート下側に、つまりフロント・ミッドに縦置きマウントされる。バンは49ps/62Nmの自然吸気と64ps/95Nmのターボ仕様があり、ワゴンはターボのみが設定されている。自然吸気、ターボともに吸気カム側にVVTを装備する。

スズキ 新型エブリイ バンスズキ 新型エブリイ バン

スズキ 新型エブリイ ワゴン エンジン

スズキ 新型エブリイ バンスズキ 新型エブリイ バン

トランスミッションは、自然吸気エンジンには5速MT、5速AGSを設定。ターボエンジンは5速MTと4速AT(ワゴンは4速ATのみ)が設定され、従来モデルに存在した3速ATは廃止されている。もちろんバン、ワゴンともに後輪駆動以外に4WDも設定されている。

スズキ 新型エブリイ バンスズキ 新型エブリイ バン

スズキ 新型エブリイ バンスズキ 新型エブリイ バン

サスペンションは従来通り、フロントはストラット式、リヤはアイソレーテッド・トレーリングリンク式。ブレーキは、バンのフロントはソリッドディスク、ワゴンはベンチレーテッドディスク、リヤはずれもドラム式としている。

軽自動車ワンボックスカーは、軽自動車で最大のスペースを誇るが、新型エブリイの室内のパッケージングは、フロントタイヤ位置、Aピラー、ダッシュパネルを前進させ、フロントシートの位置も前方に移動させることで、バンの荷室長1910mm(2名乗車)、荷室床面長1955mm(2名乗車)、室内長1385mm(4名乗車)、ハイルーフでの荷室高1240mmのいずれもクラストップとなっている。

リヤシート用のスライドドア、リヤゲートの開口面積も拡大し、乗降性、積載性も向上。また小物収納ポケット、トレー類も充実している。ハイルーフ車は運転席上部に大型のオーバーヘッドシェルフも設置。さらに荷室の左右パネル部、ルーフ部にユーティリティナットを新らたに(JOINターボ・JOIN に8 ヶ所、PC に12 ヶ所、PA・GA に10 ヶ所) 装備し、バーやラックを取り付けやすくしている。

スズキ 新型エブリイ ワゴン
エブリイ ワゴン ハイルーフ PZターボスペシャル(4速AT

一方、ワゴンは室内長2240mm、室内幅1355mm、室内高1420mm(ハイルーフ)とし、これもクラストップだ。フロントシートは運転席は230mm、助手席は180mmのスライド、リヤシートも30mm延長されて180mmのスライドが可能となり、前後乗員間距離は1080mmとなっている。

エブリイ ワゴン ハイルーフ インテリア

エブリイ ワゴン ハイルーフ エブリイ ワゴン ハイルーフ

エブリイ ワゴン

またリヤシートの折り畳みは2段式で、完全に床面に折り畳むことでリヤラゲッジはフルフラットにすることができる。このため、リヤシートを折り畳むことで、大人2名が布団で寝るスペースが確保される。もちろんフロントシートもシートバックを後方に折ることで前後シートを使用したフルフラット化もできるようになっている。

スズキ 新型エブリイ ワゴン フロントスズキ 新型エブリイ ワゴン リヤ

エブリイ ワゴン ハイルーフ エブリイ ワゴン ハイルーフ 

そしてワゴンもラゲッジスペースに合計8ヶ所(JOINターボ、JOIN)のユーティリティナット、上下2段のラゲッジボードステーを備えており、サーフィン、釣り、サイクリング、キャンプなどの趣味に合わせたカスタマイズが簡単にできるようになっている。

エブリイ ワゴン ハイルーフ エブリイ ワゴン ハイルーフ 

エブリイ ワゴン ハイルーフ PZターボスペシャル(4速AT) 電動ステップ
ワゴン PZターボスペシャルに装備される電動オートステップ

新型エブリイは、安全装備も向上されており、ワンボックス初となる衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPを設定し、バンにはオプション、ワゴンは標準装備としている。

スズキ エブリイ バン 諸元表
スズキ エブリイ ワゴン 諸元表

スズキ エブリイ/エブリイ・ワゴン 価格表

 

 

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