デトロイトモーターショー2019
スバルSTIは2019年1月14日、北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)でアメリカ市場で初となるSモデル、「S209」を発表した。スバルは中期経営計画でスポーツ・サブブランドのSTIモデルをグローバル展開することを明らかにしていたが、スバルの本命市場であるアメリカで、ついにSモデルを発売することになった。
これまでアメリカ市場でのSTIチューンドモデルは「WRX STI Type RA」と「BRZ tS」が販売されていたが、STIコンプリートチューニングカーのSモデルは今回の「S209」が第1号車となる。 現地でのデビューのキャッチフレーズは「日本から愛を込めて(From Japan with Love)」である。
ベース車両は2019年型WRX-STIだが、アメリカ仕様のためEJ25型を搭載する。あらゆるシチュエーションで安心して気持ち良くアクセルを踏むことができる最適なパワーを目指し、専用チューニングを実施。エンジン組み立てはこれまでのSモデルと同様に桐生工業で行なわれる。
ターボはより大径のHKS製を装備し、最高過給圧は1.24barに高めている。大出力のEJ25型エンジンのため、専用設計の鍛造ピストンや鍛造コンロッド、強化バルブスプリングを採用。吸気系は専用の大型エアクリーナーや専用吸気ダクトを採用し、吸気抵抗を抜本的に低減している。排気系にも大口径テールパイプを備えた専用設計の低背圧マフラーを装備する。これらを専用ECUで制御することで、最高出力は歴代STIモデル最高となる346ps(開発目標値・トルクは未発表)を発揮。また日本仕様と同様にインタークーラーウォータースプレイ(パドルスイッチ式)を装備することで高負荷時でも熱による性能低下を抑制する。
タイヤは歴代STIモデルで最大の幅を持つダンロップ製265/35R19サイズのハイグリップタイヤにBBS製19インチ×9Jの鍛造ホイールを組み合わせて装備。シャシーは専用開発のビルシュタイン(フロントは倒立、リヤは正立)ダンパーと専用コイルスプリング、強化ブッシュを組み合わせる。ブレーキはフロントがブレンボ製6ポット・キャリパー、リヤがブレンボ製2ポット・キャリパーを装備。またセンターデフはDCCDを採用している。
265サイズのタイヤのため、オーバーフェンダーで拡げた専用ワイドボディ、ワイドトレッドとなっているのも日本のSモデルと異なる点だ。さらに、ニュルブルクリンク24時間レース車両で実証されたSTI製のフレキシブル・タワーバーやドロースティフナーといったSTI独自のフレキシブル補強パーツも装備。
また軽量化と車体剛性を高めるカーボン製ルーフを採用。エアロパーツはフロントアンダースポイラー、フロントバンパーサイドカナード、ドライカーボン製大型リヤウイングを装備し、ダウンフォースを増大させることで、高次元のハンドリング性能を実現している。
インテリアは、STIロゴ入のスターターボタンやメーターパネル、インパネ加飾パネル、レカロ製シート、シルバーステッチのウルトラスウェード巻ステアリングホイールなどを備えている。またコネクテッド機能を持つスターリンク7.0インチ・マルチメディアオーディオも装備している。
なおディカラーは、WRブルー・パール(ホイール色:マットグレー)、クリスタルホワイト・パール(ホイール色:マットゴールド)の2色をラインアップしている。
「S209」は2019年内にアメリカ市場で販売する計画だという。チューニング内容から見て台数限定の販売となる見込みだ。