日産自動車は2016年3月15日、沖縄県に対して電気自動車の「e-NV200」を5台無償貸与するとともに、同県および琉球日産自動車株式会社と共同で、超小型モビリティ認定制度を活用した実証事業を行なうと発表した。
e-NV200の納車式と、超小型モビリティ認定制度を活用した実証事業開始式は同日、沖縄県庁において、沖縄県の安慶田光男副知事、日産の村井啓一営業本部副本部長、琉球日産の仲井間宗仁社長らが出席して行なわれた。
日産は2015年9月に、より良い街づくりや行政課題の解決などの一助となる活用方法を考案した自治体に対して、e-NV200を3年間無償貸与し、同車を実際に活用してもらう取り組みを行なうことを発表し、2015年の年末より順次貸与を始めている。2016年に入ってからも2月に三重県、3月には福岡県に貸与を行なっている。
沖縄県では2010年より『EV・PHVタウン構想』に基づいて、電気自動車の導入促進や充電インフラの拡充に取り組んでおり、今回貸与するe-NV200の5台については、「クリーンであること」「静粛性が高いこと」「多量の電気が供給できること」といったクルマの特長を最大限発揮し、平和祈念公園内の循環バスや環境保護活動、災害時の非常電源など、さまざまな場面で活用される予定だ。
e-NV200は多目的商用バンの「NV200バネット」をベースに、e-パワートレーンを組み合わせることで、室内の広さや多用途性とEVならではの滑らかな加速性と静粛性を兼ね備えたモデルで、バンだけでなく5人乗り/7人乗りのワゴンタイプも設定する。またe-NV200は最大1500Wの電力を供給するパワープラグによって屋外での電源供給が可能となり、走る蓄電池としてさまざまな場面で役立てることができる。
また、今回開始する超小型モビリティ認定制度を活用した実証事業では、日産の「ニューモビリティコンセプト」を使用し、都市部における新たな交通手段としての活用事例を創出していくとのことだ。